2025年6月13日(金曜日)
9時22分~9時33分
於:本館10階記者会見室
冒頭発言
改正商工中金法の施行
はじめに私から1点申し上げます。
本日、改正商工中金法が施行されます。真の意味で、「中小企業による、中小企業のための」金融機関として、商工中金は新たな一步を踏み出すことになります。改正法では、政府は商工中金の事業の状況について、施行後2年以内に検討を行うこととされています。このため、7月に、「商工中金改革の状況検討会」を立ち上げ、ビジネスモデルの確立状況やガバナンスの状況等について検証・評価を行います。商工中金が、改革の趣旨に沿って、中小企業に寄り添う支援者としての役割を果たせるよう、経済産業省として必要な監督を行ってまいります。
以上です。
質疑応答
日米関税交渉への対応
Q:本日、日米関税交渉について2点伺います。
まず、1点目。赤澤大臣が6回目の協議に本日から訪米するほか、一定の合意のめどとされているG7サミットも迫っています。赤澤大臣は、先日の会見で合意への道筋は五里霧中というような表現をされていましたけれども、大臣は今、山場を迎える日米交渉の現状をどのように捉えていらっしゃいますか。その上で、G7に合わせて調整されている日米首脳会談や今回の赤澤大臣の訪米で何らかの合意は可能と考えているでしょうか。御認識をお願いいたします。
A:赤澤大臣が本日より渡米をしまして、米側との6回目の協議に臨みます。日米首脳会談については、現時点で決まっていることはないと承知しているところであります。合意に向けた見通しを予断することは控えさせていただきますが、今回、赤澤大臣の協議では、日米双方にとって利益となる合意の実現に向けて、議論が更に進展することを期待しています。
Q:2点目ですけれども、ベッセント財務長官が来月の上旬に期限を控えている相互関税の一時停止措置について、最終的にはトランプ大統領の判断にはなりますけれども、期限を延長するというような可能性について言及しています。これに対しての受け止めと日本の交渉への影響をどのように考えておられるか教えてください。よろしくお願いします。
A:御指摘のベッセント長官の御発言も承知しているところです。繰り返しになってしまうかもしれませんけれども、発言内容、今後の日米協議への影響について、予断を持ったコメントをすることは差し控えさせていただきたいと思っています。いずれにしましても、日米間では、可能な限り早期に合意をし、首脳間で発表できるように目指すことで一致しているところです。日米双方にとって利益となる合意を実現できるよう、政府一丸となって、最優先かつ全力で取り組む方針に変わりはございません。
日本製鉄によるUSスチールの買収
Q:日本製鉄によるUSスチールの買収計画について伺います。アメリカのトランプ大統領は、今朝、この買収計画について黄金株をアメリカが持つことやアメリカ人が51%の所有権を握ると話していました。完全買収を目指す日鉄の計画に大きな影響を与える可能性もありますが、大臣の受け止めを伺えますでしょうか。
A:この間もそうなのですけれども、御指摘の発言は承知しています。ただ、正式な発表がまだされておらず、また、個別企業の経営に関することであり、これまでも申してきましたけれども、コメントは差し控えたいと思っています。米国政府の正式な発表を待ちたいと思っています。本件は、民間の関係者において、具体的な投資計画の検討・調整が進められてきているものと承知をしておりますし、政府としては、必要に応じて関係者間の意思疎通の促進に努めていきたいと考えています。
中古車販売会社「カーネル」によるトラブル
Q:全国に14店舗を展開する中古車販売の「カーネル」という店で中古車を購入しても納車されないというトラブルが相次いでいます。中には800万円、被害に遭った方もいるようで、400人近く被害者がいる可能性があるということです。こちらについて2点御質問なのですが、武藤大臣は、「カーネル」の納車トラブルについて把握していらっしゃるか、また把握していらっしゃったらその受け止めを伺いたいというのと、もう一点、政府として対応は御検討されていらっしゃるか、以上2点お伺いできたらと思います。
A:報道は承知しております。経済産業省といたしましては、これまでも、適正な中古車流通を確保するという立場から、中古車販売を巡るトラブルの対応として、業界団体を通じて、消費者相談やウェブサイトでの注意喚起、また、販売店の指導というものに取り組んでいるところであります。本事案につきましても、昨日ですが、業界団体から、ホームページ上で注意喚起を行ったところであると聞いています。また、消費者庁ともこれは連携をしながら、こうした被害を防止する有効な方策についても検討を行ってまいります。
米国トランプ大統領による自動車関税引き上げの発言
Q:最初の日米関税交渉にお話が戻ってしまうのですけれども、トランプ大統領が自動車関税について、近い将来、引き上げる可能性があるということをホワイトハウスで記者団に語ったという報道があります。これもコメントへの受け止めなのですけれども、日本は関税撤廃を求めて交渉中で、今後、日米交渉にも影響が出てくる可能性もありますけれども、受け止めをお願いします。
A:御指摘のトランプ大統領の発言は承知しているところであります。ただ、発言内容や今後の日米協議への影響について予断を持ったコメントは差し控えなければいけないと考えています。いずれにしましても、先ほど来申しましたとおり、日本としては一連の米国の関税措置の見直しを強く求めているところであり、これからも引き続き強く求めていくところであります。
JERAによる米国産LNGの調達
Q:昨日、発電事業者のJERAが20年にわたってアメリカ産のLNGを最大550万トン調達するという発表をアメリカ現地で発表しました。日米交渉が始まる前から契約に向けて現地の企業と協議を進めていたということで、交渉と直接の関係はないということを会社側は言っていますけれども、日米交渉ではアメリカが貿易赤字の削減というのをずっと求めていまして、交渉上与える影響などないのか大臣の御所感をお聞かせください。
A:JERAが、米国から新たに年間約500万トンという形でLNGを新規に調達することで、複数の米国企業と契約や基本合意を結んだことは承知しているところです。個別企業の契約に関して、コメントは差し控えますけれども、一般論として申し上げれば、LNGの長期契約というものは、これは、需要家に供給と価格の安定性を提供するものであり、我が国のエネルギー安定供給の確保に資するものと認識しているところであります。日米協議への影響ということについては、これは予断を持ってお答えすることは差し控えたいと考えております。
ホンダによるラピダスへの出資
Q:私からはラピダスに関して1点お願いします。自動車会社のホンダがラピダスに出資を決めたという一部報道がございました。経産省としてこういった情報、動きを把握していらっしゃるでしょうか。また、ラピダスは年度中に民間出資で1,000億円ですね、調達を目指していますが、経産省として、この進捗状況をどのように捉えていらっしゃるかお願いできますか。
A:報道については承知しているところであります。当該事業者から正式に発表されたものではないので、コメントは差し控えさせていただきますが、その上で、改正情促法に基づき、公募を経た上で金融支援を活用することが可能となります。また、先端半導体の需要拡大にも資するよう、半導体の設計開発に対する支援も行っているところです。こうした取組を通じ、ラピダスの資金調達や顧客獲得を、経済産業省としても後押しをしてまいりたいと考えています。
イスラエルによるイランへの攻撃
Q:すみません、先ほど入った情報で大臣の耳に届いていらっしゃるかちょっとあれなのですけれども、イスラエルがイランに攻撃を実施したとアメリカのメディアが報じています。中東情勢の緊迫化というのはずっと続いている状況だと思うのですけれども、今後の日本のエネルギー安全保障だったりとかにどう影響してくるだとか、その懸念点などを教えていただければと思います。よろしくお願いします。
A:中東地域、これは今までも幾多のガソリンをめぐるトラブルがありましたけれども、世界のエネルギー供給を支える重要な地域の一つで、中東地域はあります。同地域における緊張緩和と情勢の安定化というものは、我が国の国益にとって極めて重要なことかと考えております。その上で、現時点で日本のエネルギー安定供給に影響は生じていないと認識をしていますけれども、高い緊張感を持って、今後とも注視していきたいと考えています。
以上
最終更新日:2025年6月13日