2025年8月26日(火曜日)
11時57分~12時08分
於:本館10階記者会見室
冒頭発言
東京電力福島第一原子力発電所の廃炉とALPS処理水の処分に関する関係閣僚等会議
私から、まず2点申し上げさせていただきます。
1点目。本日、東京電力福島第一原子力発電所の廃炉とALPS処理水の処分に関する関係閣僚等会議を開催しました。ALPS処理水の処分につきましては、改めて、「政府として処分が完了するまで全責任を持って取り組む」方針を確認しました。引き続き、安全性の確保に万全を期すとともに、国内外への情報発信、輸入規制措置への対応、また、なりわい継続支援などに、政府を挙げて全力で取り組んでまいります。また、燃料デブリの試験的取出しや、大規模取出しに向けた準備工程の具体化など、廃炉のプロセスは重要な前進が見られます。作業が本格化していく中、これまで以上に安全確保に万全を期し、地元の理解を得ながら進める必要があります。経済産業省としましても、技術開発への支援、また、「地域との共生」など、前面に立って取り組んでまいります。
GX実行会議
2点目であります。本日、GX実行会議を開催いたしました。GXをめぐる国内外の情勢を共有し、改めて我が国として、エネルギー安定供給、経済成長、脱炭素の同時実現を目指すGXの取組を揺るぎなく進めていく必要性を確認いたしました。また、地域における先進的なGXの取組を応援するため、「GX戦略地域制度」を新たに創設し、本日、8月26日になりますが、事業者、自治体の皆様からの提案募集を開始いたします。「GX戦略地域」として選定された地域には、国家戦略特区とも連携し、支援と規制、制度改革を一体で措置してまいります。詳細につきましては、事務方からブリーフィングを、後ほど行わせていただきます。
以上であります。
質疑応答
米国による関税政策への対応
Q:私から関税について2点伺います。
1点目は、大臣も先週金曜日の岐阜から、全国の経済団体との意見交換会を始められました。改めて、どのような声があったのか、また、今後の経済対策などに、どのようにそうした現場の声を生かしていきたいか、お考えを教えてください。
2点目は、関税なんですけれども、先日アメリカとEUは合意した関税措置について詳細な内容を盛り込んだ共同声明を発表しました。自動車への関税はEUがアメリカからの工業製品の関税措置の関税の撤廃などの法案を提出するというのが条件になって15%引き下げるとなっていますが、こうした動きもある中で、今後、日本もこうした共同声明のような形を出す計画があるのかどうか、日本の対応についても大臣のお考えを伺えればと思います。
以上、よろしくお願いします。
A:まず、石破総理から、日米合意を受けまして、「各地方、業界団体に直接出向いて、丁寧な説明・対話を改めて行う」よう、指示を受けているところであります。これを受けて、関係省庁によります各地方での意見交換会や、商工会議所・商工会、また、その会員企業等に向けた説明会などを、8月中に集中的に今、実施しているところであります。私は、8月22日、金曜日になりますけれども、岐阜県での意見交換会をやりました。そこでは、米国市場の先行きの不透明感ですとか、賃上げへの影響を懸念する声をいただいたところであります。一方で、米国以外の市場の開拓ですとか、あるいは、日本の技術の底力のブランド化、といった挑戦への意気込みもお聞きすることができました。そういう中で、意見交換を通じて、関税の悪影響を緩和するような取組と併せて、ピンチをチャンスに変えようとする前向きな取組への支援の必要性を感じたところであります。いずれにしましても今週も、政務の方から意見交換会や説明会を継続しながら、お伺いした御意見を集約した上で、必要な追加的対応について更に具体化を進めなくてはと思っているところであります。
そして、EUのお話でありますけれども、米国とEUとの間の共同声明について、我が国にどのような影響があるのか、現在精査をまだ進めているところであります。自動車・自動車部品関税につきましては、米側に対しては、私どもとしては、可及的速やかに引下げを実施するように強く、引き続き求めている、また、合意の誠実かつ速やかな実施に向けて取り組んでいるところでもあります。国内に対しましては、今の合意の内容につきまして丁寧な説明に努めるとともに、影響について、プッシュ型できめ細かく把握をしながら、必要な追加的な対応を検討する、先ほど申したとおりであります。こういう形で、政府全体として対応してまいりますけど、引き続き、こういう方針で対応していきます。
大阪・関西万博会場における大規模な足止め
Q:私から、万博の会場に3万人が足止めされた問題で1点お伺いさせてください。15日の伊東万博大臣の記者会見では、今後の対応を検証するのに経産省に指示をするというような発言がありました。それを受けて、今後の対応の検証について、いつ頃をめどに、どのような形で出されるお考えがあるかなど、今具体で決まっているものがあれば教えていただけないでしょうか。
A:今月13日、水曜日になりますけど、夜に発生しました大阪メトロ中央線の運転見合せに伴い、多くの来場者の方々が会場に留まることになりました。本当に、御不便、御迷惑をおかけしたことについて、私からも申し訳なく思っているところであります。その後、博覧会協会とともに課題を検証して、先週22日、金曜日に協会から改善策を公表させていただいたと承知しています。検証結果と改善策の内容につきましては、経済産業省の事務方から伊東大臣にも既に報告させていただいているところです。今回の検証を踏まえて、トラブル発生時の情報発信の在り方、帰宅困難となった方が生じた際の対応、協会内外での体制構築といった点を改善し、安全かつ円滑な運営に万全を期していきたいと思っております。もう、既にそういう形で動き始めております。閉幕まで50日を切りました。引き続き、来場者の安全・安心確保を最優先に日々の運営に取り組んでまいりたいと考えているところです。
米国による関税政策への対応
Q:すみません、関税に関して追加でお伺いしたいんですけれども、一部報道で、日米合意の投資について、合意文書、共同文書を作るということで調整しているという報道がありました。こちらについて、アメリカ側の要請というふうにも出ているんですが、こういった事実を把握されているのか、また、作成中なのか教えてください。
A:共同文書につきましては、これまでも説明してきておりますけれども、ぎりぎりまで折衝を行った今回の交渉経緯ですとか、あるいは、日米間の合意を誠実かつ速やかに実施していくことが最優先するという考え方から、日米間で共同文書を作成してきていないところであります。また、多分、ラトニック長官の御発言の報道のことだと思いますけど、それは私も承知をしているところです。いずれにしましても、この時点で米国政府関係者の発言内容、日米間でのやりとりの詳細について、コメントは差し控えさせていただきたいと思います。その上で、我が国としましては、引き続き、米側に対して可及的速やかに引下げを実施するよう強く求めるなど、合意の誠実かつ速やかな実施に向けて取り組んでいかなくてはいけないということだろうと考えています。
Q:あと、それに関連してなんですけど、赤澤大臣がまた、再訪米するという報道もあるんですけど、こちらについては政府として、赤澤大臣をこれに関連してアメリカに派遣するお考えはあるんでしょうか。
A:報道については承知しておりますけど、私の立場からコメントすることはできないという、控えさせていただきたいと思います。
合成メタン導入時の家計への影響
Q:大阪・関西万博でも製造実証実験が行われた次世代エネルギーの合成メタンについて、1点伺います。政府は、2050年に都市ガスの9割を合成メタンに置き換えるという目標を立てておりますけれども、それが達成された場合の家計負担というのは増える見込みなのでしょうか。2030年時点では単価が従来のLNGの3倍程度なんていうふうに見込まれていますけれども、2050年にはどのような試算になっているのか数字で示していただけると幸いです。よろしくお願いします。
A:第7次エネルギー基本計画、これは、2030年度に供給量の1%相当の合成メタン又はバイオガスを導管に注入することを目標にしている。これが、第7次エネルギー基本計画の目標で、今おっしゃられたような2050年の導入目標は設けていないところなんですね。御質問の家庭への負担影響もそうですけれども、これは、協会として発表されたと承知しているところであります。ですから、家庭への負担影響については、今後のコスト低減がどうなっていくのか、経済産業省としては、合成メタンの製造コストを低減させていくため、生産効率を高める革新的なメタネーションの方へ取り組んでいるというところであります。家計負担、これは極力抑えられるように事業者とも連携していかなくてはいけないのですけれども。ですから、協会さんのおっしゃられていることを踏まえて、今、海外実証を進めているところもあり、そういうところの検証結果を踏まえていかないと、まだ、これは詰めていかれない、詰められないというのが、今のコメントになるのかなという気がします。
最終更新日:2025年8月26日