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赤澤経済産業大臣の就任記者会見の概要

2025年10月22日(水曜日)
13時25分~13時58分
於:本館10階記者会見室

冒頭発言

大臣就任に際して

このたび、経済産業大臣、原子力経済被害担当大臣、内閣府特命担当大臣、これは原子力損害賠償・廃炉等支援機構担当ということであります。それから、GX実行推進担当大臣、産業競争力担当大臣、国際博覧会担当大臣を拝命いたしました。高市総理からは、東京電力福島第一原発の廃炉を含む福島復興の推進、「責任ある積極財政」との考え方の下での日本経済の力強い成長の実現、半導体・AIなどサプライチェーンの国内整備、賃上げ実現に向けた国内投資の促進、外務大臣と協力して、関税措置に関する日米間の合意の実施などに取り組むこと、中小企業の事業再構築・生産性向上・事業再編等の支援や、取引適正化や官公需における価格転嫁に向けた取組の推進、国民生活や経済活動の基盤となるエネルギーの安定供給に万全を期すこと、などについて指示がありました。特に、中小企業が生産性を上げて賃上げ原資を獲得し、賃上げにつなげていくことが、我が国の経済成長にとって極めて重要であると考えております。企業の成長や生産性向上、そして、経営を行っている中小企業をしっかり全力で応援をしていきたいと考えております。そのほか、経済産業省が直面する課題は山積しております。これは皆様が御案内だと思います。これまでの経験を生かして、総理からの御指示を踏まえ、全力で職責を全うしてまいります。以上です。

質疑応答

石破政権から引き続きの閣僚任命

Q:3点質問がございます。一つ目なんですけれども、大臣は石破政権から引き続き閣僚任命をされました。高市総理大臣から閣僚の任命を受けられたことについて、どのように受け止めていらっしゃるか御教示ください。

A:まず、石破政権での経済再生担当大臣から、引き続き閣僚として高市政権の経済産業大臣を拝命しました。改めて申し上げるまでもなく、身が引き締まる思いがしております。高市総理からは、これまで私が携わってきた日米関税交渉を含む経済再生などの経験も生かしながら、経済産業政策の更なる推進を強く期待していただいていると認識しております。これ申し上げていいかですけど、力仕事をしっかりやってというようなことも御指示の中でおっしゃっていたように思います。しっかり御指示を踏まえ、加えて御期待に沿えるように頑張っていきたいと思っています。今後これらの経験を最大限に生かし、国民の皆様の期待に応えるべく、高市政権の一員として全力で職責を果たしてまいりたいと考えております。

経済産業大臣としての抱負

Q:ありがとうございます。二つ目なんですけれども、冒頭の御発言と少し重なってしまうところがあるかと思うんですけれども、経産省は本当に重要な政策が広く多岐にわたるところだと思います。どの政策も重要なものだと思うんですけれども、特に大臣が経産大臣として、特に取り組みたい施策が何かということと抱負について改めてお願いいたします。

A:まずは、総理から御指示があったとおりで、日本経済の力強い成長を実現すべく、経済成長戦略の策定に貢献をしたいと。総理がもう既に会見の中で、経済成長戦略会議ですかね、会議を設置されて策定を目指すということをおっしゃっていたと思います。それに大いに、できる限り貢献したいと考えております。特に、半導体・AIなどのサプライチェーンの国内整備や税制などによる民間投資の刺激を図るとともに、中小企業の生産性向上ですとか事業再編等を支援し、前政権から続く課題ですけど、物価高を超える賃上げをできる環境を整備していきたいというのが大変、私の強い思いでございます。また、通商分野では日米合意を着実に実施し、米国との関係を一層強化していくと。さらには、有志国と連携し、自由で公正な経済圏の拡大、サプライチェーンの強靱化などに取り組むということをやっていきたいと思っています。今、覇権国である米国は世界秩序を変えようとか、外交や交渉のルールも見直そうというような感じでやっておられますので、そういった、ある種激流が生じている部分もしっかり対応して、我が国経済が溺れることなく、しっかり泳ぎ切ることと併せて、自由貿易と法の支配というのは我が国のよって立つ基盤でありますので、両面でしっかり取組を進める、いわばハイブリッド外交といったようなものを、力を入れて展開していけるように、そういう意味で茂木大臣の御指導も頂きながらしっかりやっていきたいと思います。エネルギー政策では、電力需要が増加する中で、必要な脱炭素電源を確保すべく再エネと安全を大前提とした原子力を最大活用し、エネルギーの安定供給、経済成長、脱炭素の同時実現を図ってまいりたいと思います。これ最後に申し上げますが、決していちばん最後ということではなくて、優先順位からすれば極めて高いのは、福島の復興も引き続き最重要課題であるということで全力を傾注してまいりたいと考えております。

日米関税交渉

Q:最後にもう一点だけ質問させてください。大臣はこれまで日米関税協議も担当され、ラトニック商務長官でしたりベッセント財務長官などと交渉を行われていらっしゃいました。日米関税協議が合意されて、今後も経産大臣として関税協議に関する日米間の合意実施を含めた調整について引き続き担当されると思われます。茂木大臣とも今後協力されると思うんですけれども、どのように協力してやられていらっしゃるか、やられていかれるのかを教えていただけますと幸いです。

A:今回、高市総理から、日米関税交渉についても引き続き当然やる部分はあって御指示を受けております。そういう意味で、茂木大臣ともしっかり協力しながらやっていくと。具体的には外務大臣である茂木大臣が全体を総括されるということでありますが、米国との調整については引き続き私も当たっていくといったような考え方でやらせていただきたいと思います。まさに過去1年、私自身が現場で米国サイドと交渉してまいりましたので、その連続性の中でしっかり茂木大臣の御指導も頂きながらやっていく。さらには、城内大臣が国内対策実施に当たってしっかり取り組んでいかれるので、そういう意味では3閣僚が力を合わせて、国のためになるような、そういう展開目指して全力で取り組んでいくということになると思います。

米国トランプ大統領の訪日

Q:先ほど木原官房長官から、来週27日からのトランプ大統領の訪日予定が発表されました。これに当たりまして、何か高市総裁から御指示などありましたでしょうか。あわせてトランプ大統領からは日米関税交渉で合意をした対米投資の具体化が求められる可能性があると思います。現時点での米国側との調整状況や今後の見通しについてお伺いできればと思います。

A:まず、これはつい先ほど官房長官が発表されたところであります。トランプ大統領を御招待することになったと承知しております。ただ、訪日時の議論の内容を現時点で予断することは控えたいと思っております。いずれにせよ、日米間で合意した内容を双方で誠実かつ速やかに実施することは重要と認識をしております。かかる観点から、御指摘の投資イニシアチブについて、経済産業省としても半導体やエネルギー等の分野において案件組成に向けて積極的に取り組んでまいります。5,500億ドルの投資についていうと、念頭に置いているのは、トランプ大統領のとりあえず現在の任期中。ですので、あと3年半ぐらいの間に何とか最大限の日米協力をして、経済安全保障上の重要分野で米国にサプライチェーンを作るということをやっていこうという話ですので、もちろん最初の案件が早くできるに越したこともありませんけれども、両国のためになるような内容の充実した案件をしっかり組成していくということに努めてまいりたいと思っております。

米国による半導体への関税

Q:関税交渉に関連しまして、出る出ると言ってなかなか出てこない半導体の関税についてお尋ねしたいと思います。大臣、交渉の過程で、仮に課税されてもEUなど第三国に劣後しないという確認を取られているということだと思いますけれども、課税されれば当然ながら影響は小さくないと思われます。そこで、いつ出てくるのか、その見通しでありましたり、出てきたときの経産大臣としての対応をどうされるのか、現時点での半導体課税についてのお考え等をお聞かせください。

A:まず今日、経産大臣になって初めてのお話なので、全体像として私が思っていることをちょっとお話ししておくと、これ5,500億ドル、80兆円の投資について、米側の様々な発信もあり、私からするとちょっと誤解されている向きもかなりあると思うんですけれども、これについては日米がお互いを特別なパートナーと認め合って、そして日米で、あるいは、少なくとも同志国と力を合わせて経済安全保障上重要な分野のサプライチェーンを米国で作り上げようと、こういう営みになります。したがって、その時点で少なくとも、一番直近リモートでラトニック商務長官と話をしたときも、彼は、日本はグレートパートナーだということを言っています。私自身が、関税を課されることについて、それだけでよしとせずに、石破総理からの関税より投資という明確な指示、一貫した指示、これで望んでいたのは、まさに目指したことは、5兆円毎年課されるだろう関税を2兆円以上削減した上で、それの条件としては、米国と手を結んで徹底的に日本が特別なパートナーになるからと。そのことに理解をし、そして、そのことに大いに意味を認めたからこそ、毎年2兆円関税収入が減るにもかかわらず、米側は乗ってきたということです。そういう間柄でありますので、私とラトニック商務長官のもちろん個人的な信頼関係ということもありますが、それ以上に、米国として、日本については特別なパートナーとして認識しているから、それを前提に今後ものが動いていくということについては基本認識として持っていていただきたいと思うんです。そういうことでありますので、今ある状態というのは、いろいろ、またこれ関係することを申し上げますが、EU、これは27か国主権国家がいる上で20兆ドルの経済です。日本はドイツ1か国にも負ける4兆ドルの経済なんですね。なので、私がずっと交渉していたときに念頭に置いていたのは、20兆ドル経済で27か国主権国家はそう簡単にまとまらないので、アメリカだって腰を据えて交渉を当然します。そこに負けない交易条件、これをしっかり勝ち取っていく、EUが取ったものは全部取るように努力するということをしましたし、加えて、そのことで経済主体に予見可能性を持ってくる。関税化されること自体は完全に残っていますので、そういうマイナスはどうしてもあるけれども、交易条件の点で、あるいは予見可能性の点で決して劣後しないように、EUについていくことを全力でやったわけであります。そういう中で、特別なパートナーと認められ、日本にはとにかく最恵国待遇だということを半導体や医薬品では明確に言われていますし、もう一つ事実を申し上げておくと、木材や家具について米側が分野別関税を課してきたときに、こちらは特に意見照会も受けず、お願いもした経緯もないけれども、最恵国待遇になって出てきています。ということなので、そこについてはいろんな御議論あると思いますが、私の思いと記者さまに共通認識として持っておいてほしいのは、日本と米国がそういう特別なパートナーということを認め合っている仲なので、何かしら不安定だ、大変だ、大統領令が出ない、また大変なことになるぞじゃなくて、基本的に日本と米国はそういう関係を結んでやっているのだという認識の下に、起きることについては合理的な推測をし、記事を書いていただけると、いたずらに不安になる、そういう国内の経済主体が減るのではないかなということは思っております。半導体について言うと、大統領と私が7月22日にリードをしたときに話したのは、半導体・医薬品について最恵国待遇をくださいと。それはいいよという話だったので、そういうことになっております。今、申し上げた流れからすれば、大統領令が出るのが遅れているのは、これ、日本以外の国に対して何パーセントのあれを課すかと。私の記憶が間違いでなければ、半導体に100%、医薬品に250%という関税をトランプ大統領が口にされたことがあるはずです。世界中の国々がそういう大統領令を出されたときに、もう何かやりたければアメリカで作るしかなくなるんですね。ところが、日本だけは最恵国待遇を確保しているので、EUと並んで例えば15%の関税を払う用意があれば、各国自分のところで生産をして、アメリカに輸出するという、もう一つの選択肢もあるよということになっているということです。

再生可能エネルギーの推進、原子力発電所の再稼働

Q:冒頭、大臣から発言のありましたエネルギー政策について伺いたいと思います。1点目が再生可能エネルギーです。今年2月に閣議決定したエネルギー基本計画では、2040年度には再生可能エネルギーの割合を4割から5割程度に引き上げるというふうにしています。そうした中で、太陽光、特にメガソーラーにおいては地域との共生といった課題が出ております。また、洋上風力においては、一部事業者の撤退という中で課題が山積しているように思います。大臣として今後どのようにこの再生可能エネルギーの拡大というのを進めていくのか、お考えを聞かせてください。2点目なんですが、関連して原発政策についてでありますけれども、政府としては安全性確保を大前提に原子力発電所の再稼働を進めていくというふうにしていますが、地元自治体の理解というのは不可欠だと思います。今後、大臣としてその理解を得るためにどういったような行動を取っていきたいのか、教えていただければと思います。よろしくお願いします。

A:まず、再生可能エネルギー、御案内のとおり第7次エネルギー基本計画において、2040年度にはこういう特定の電源・燃料に依存しないエネルギーミックスの実現をめざすということが謳われていたと思います。そういうことも前提に、我が国のエネルギー政策については、第7次エネルギー基本計画に基づき安全性を大前提として、安定供給、経済効率性、環境適合のいわゆる「S+3E」のバランスを取るということ、これは皆さんも御案内だと思いますが。あと、徹底した省エネや製造業の燃料転換等を進めるとともに、脱炭素電源を確保するため、再エネと原子力をともに最大限活用しながら、先ほど申し上げた2040年度には特定の電源・燃料に依存しないエネルギーミックスの実現を目指すと。その上で、再生可能エネルギーは、エネルギー自給率の向上に寄与する国産エネルギーということで、洋上風力、太陽光ともに様々な課題に直面しておりますが、一つずつ克服し、地域共生と国民負担抑制を図りながら、最大限導入をしてまいりたいと考えております。
それから、原発についてですけど、一言で言えば安全確保と地域の理解というものが絶対条件ということだと思います。今後、DXやGXの進展により電力需要が増加すると。AIがこれだけ普及促進すれば爆発的に需要が増えることが想定されています。再生可能エネルギーや原子力など、エネルギー安全保障に寄与し、脱炭素効果の高い電源を最大限活用することが必要不可欠だということであります。そういった中で、しっかりと必要な地域などから理解を得るために求められる、そういう取組を具体化しつつ前に進めていきたい、繰り返しになりますけど、安全確保と地域の理解というのが絶対条件であると考えております。

日米関税交渉

Q: 先ほど、関税合意の実行について、赤澤大臣、茂木大臣、城内大臣の3閣僚で対応していくというふうにおっしゃいましたが、石破政権のとき、大臣はまさにお一人で米側の3閣僚を相手に交渉してきましたが、今回逆に日本側が3閣僚体制になるとのことですが、こうした交渉体制の変化の理由みたいなところを聞きたいのと、また今後、事務レベルでそうしたやり取りは引き続き内閣官房の関税事務局が担当されるのか、それともどこかの省庁がリードを取る形になるのか、具体的な方針が既に決まっていれば教えてください。
もう一点、すみません、大臣は今朝のSNSでラトニック商務長官からお祝いのお電話をいただいたと投稿されていましたが、具体的にどのようなお話があったのか、また大臣としてどのように受け止めていらっしゃるのかを伺います。

A:1点目ですけれども、今回関税交渉にどういう体制で臨むのか、これは高市総理のお考えになることなので、高市総理に聞いていただきたいと思います。私自身がどう感じるかということについては、これは茂木大臣もそうですし、城内大臣もそうですが、本当に熟練した、私が心から尊敬を申し上げている先輩及び同僚の議員でありますので、3人でやることについて、当然メリットは大いにあるということだと思います。一方で、これを3人でやるとなるとお互いの意思疎通をするための、例えば手間とか時間が必要になるので、そういう点はしっかり抜かりなくやって、そして3人でやったことのメリットの部分を最大限発揮するような、そういう取組をしっかりしていきたいと思っております。
それから、ラトニック商務長官との関係では、これは4週連続で米国に通ったあたりから大変信頼関係というか、ざくっと大ざっぱに言うと仲よくなりまして、それ以後はリモートで会議をやっていても全く会っているのと変わらない感じで2人ともなっております。石破総理が退陣を表明されたときも、直後に、赤澤さんも辞めちゃうのか、具体的に英語ではSteps awayと言っていたと思いますけれども、あなたもSteps awayしちゃうのかというお問合せを受けて、そうなるけれども、日本は、約束は守る国だから心配するなというやり取りがあったと。今回は、たまたま、私が経産大臣就任ということが発表された時点で、彼は大変喜んで、私に日本時間で昨日の晩のうちに、赤澤が寝る前にお祝いをどうしても言いたいというメッセージを送ってこられて、電話いいよと言ったら電話がかかってきて、Congratulationsということと、SNSにも書きましたけれども、本当に私がうれしくなるくらい、ぐっとくるくらい、Wonderful、Wonderfulということを連呼してくれて、私ももういろいろ御心配をかけたという言い方だったか、ちょっとどう言ったか忘れましたが、これであなたの正式のカウンターパートになったと。関税交渉という意味では、体制をそのときにはまだあまりよくは分かっていませんでしたけれども、少なくとも私の理解するところ、米国の商務省の日本のカウンターパートは経済産業省だと思いますので、商務省の長官と経産省の大臣というのは、ある意味正式のカウンターパートなので、そういうことを申し上げて、お互いによかったねということであります。来日されたときにも、私がある意味で政府に入っていないと公式の行事でなかなかお目にかかれず、どうやって交流を深めるかなとかいってお互い悩んでいたところでありますけれども、正式の行事の中でもいろいろと時間を割いてお話しできるということで、大変うれしく思っているところでございます。

Q:すみません、大臣もお電話で英語で回答したんですか。

A:ラトニック長官は日本語が分かりませんので。はい。

農業・農村政策

Q:経済産業省は、農業・農村を含めた中小企業活性、地域産業活性も重要なテーマとなるかと思います。赤澤大臣は、トランプ交渉でも、米を守って農業・農村を重視する政治家としても知られているかと思いますが、経済産業省として取り組みたいことを教えてください。

A:なかなか広くて難しい御質問をいただいたと思いますが、私自身は、地元はやっぱり農業県であり、農業が基幹産業である鳥取県ですので、初当選したときに、農業について理解が深まらないと、なかなか地元の期待にも応えられないなという思いで、実は議員やっている間じゅう、ずっと農林族です。実は、自民党に農林役員会というのがありますが、政務に入っているとき以外で私は農林役員を抜けたことはありません。という意味で、農は国の基という思いは大変強く持っておりますし、そういうことを念頭に置きながら、しっかりバランスの取れた交渉もしますし、経済産業大臣としても仕事をしていきたいという思いを持っております。いろんな分野が、六次産業というんですかね、あるいは農商工連携とか、いろんなものがありますので、しっかり我が国のGDPを最大化する上で有効と思われるようなことについて努力していきたいですし、農産物の輸出が大変大きな課題になっておりますので、そういう意味では農産物と併せて、地域の何でもいいです、工芸品でもいいですし、いろんなものを輸出するとなると経産省とのつながりが出てくるので、常に今いただいた御指摘を念頭に置きながら、しっかり国富の最大化ということに努めていきたいと思っております。あとは、繰り返し申し上げておきたいことは、農業生産者の皆さんが安心して再生産に励めるという状況をつくり出すことは政治家の一番大事な仕事の一つだと、国の一番重要な使命の一つだと思っているということも申し添えておきたいと思います。

福島第一原子力発電所の廃炉、処理水の海洋放出

Q:東京電力福島第一原子力発電所の廃炉について、まずお伺いいたします。東京電力は7月、溶け落ちた核燃料、デブリの本格取り出しの開始時期が当初予定していた2030年代初頭から2037年度以降にずれ込むと発表いたしました。廃炉の遅れは処理水放出のさらなる長期化にもつながります。改めて、廃炉をどのように推進したいとお考えでしょうか。また、もう一点なんですけれども、処理水の海洋放出に伴いまして、国内外でいまだ根強い風評の被害が残っております。国内外での風評払拭に向けて、どのように取組を進めたいとお考えか、以上2点、お伺いできればと思います。

A:これは福島の復興なくしてということは、前政権もそうですし、その前の政権もそうで、全ての自民党、あるいは自公政権最大の課題として取り組んできております。東日本大震災と原発事故から約14年半が経過しております。復興は着実に進んでいる面がもちろんあるものの、まだまだ道半ばという認識をしておりまして、先ほど申し上げたように、東北の復興なくして日本の再生なしという強い決意のもとで引き続き取り組んでいきたいと思います。廃炉に向けた取組に遅れが出ているという御指摘でありますけれども、それについてはしっかり原因を究明もしながら、前向きに取り組んでいきたいと思っておりますし、避難指示の解除と生活環境の整備とか、事業、なりわいの再建等、やらなきゃいけない課題全てにしっかり全力で取り組んでまいりたいと考えております。

アラスカLNG

Q:アラスカのLNGの対応についてお伺いしたい。大臣はずっと交渉で塗炭の苦しみというか、大変さであったろうとは思いますが、大臣になって、どのようにアラスカLNG、さっき80兆とおっしゃったけれども、ウィン・ウィンの関係を目指して、どのように進めるのかが一つ。二つ目は、民間ではこれをナショナルプロジェクト的に韓国も巻き込んでやる必要があるんじゃないか、それほど大きなプロジェクトではないかという話もあります。その2点について伺いたい。

A:御指摘のアラスカのLNGプロジェクトは、非常にまず大きなプロジェクトになることは間違いないことと、あと、現時点でまだ何も決まったことがあるわけではないんですね。その前提で申し上げていきますと、私は米国と議論していて、やっぱりさすがだなと思ったことがあるのは、実はアラスカのプロジェクトも米国政府が全体として議論して決定したものがあるわけじゃないんですけど、向こうの閣僚と議論していると、例えばですね、これは経済安全保障上、重要なものであるから、アメリカの責任で作るのだと、必要な資金だから全部調達するから、日本はむしろオフテイクを譲ってもらえる立場なので、日本のカードになんかならないよなんてことをおっしゃる関係者もいたりするんです。そこはもう米国がどう考えるかで、これについてもいろいろ議論がありますが、80兆円、5,500億ドルの投資ということですけれども、これは米国内にサプライチェーン作るという話なので、やっぱり米国の、まさに土地を使い、米国の連邦の土地、水、エネルギーみたいなものを使ってやっていくプロジェクトなので、主導権は当然向こうがあって、米国内の話について、こっちでああしろ、こうしろと言っても、そういうものではありませんので、米国はどういう考えをまとめてくるか、我々もアイデアを出しながら、アラスカのLNGについて、最終的にどういうプロジェクトにしていくのか、その辺はこれから決まってくることになると思います。よくあるのは、80兆円はおまえが自腹で払えとか、いろんなことを言われますけれども、なかなかそういうものではなくて、向こうが別に何かしら、何て言ったらいいのかな、要するに、力を合わせてやろうとしているわけで、特にやっぱり何と言っても、自立性をものすごく重視している覇権国ですので、日本にもちろん頼るところもあるけど、いちばん肝心なところは全部自分でやろうとするみたいなところはもう見える中で、最終的にどういう提案をされてくるのかを見ながら考えていきたい。そんな中で、おっしゃったように、民間の力をどれだけ借りるかというのは、そもそも5,500億ドルの投資のスキーム自体が民間企業に入ってきてもらうことを前提としているものであります。法律に基づかなきゃならんよということは書いてあって、JBIC法やNEXIの関係の法律は日本にメリットがないものをやることを前提にしていませんので、日本企業がどういう形でかむか、しかも、例えば、金を借りる場合も、別に日本の銀行から借りる必要もないんです。NEXIの融資保証がついたアメリカの銀行からお金を借りたって構わないので、そういう意味で、いろんなやり方があって、まだ確定的ではありませんので、ただ、必ずしも何か一部で報道されたり、一部の野党の方が心配されているように、あれを全額日本が負担をされて大変なことになるのだ、赤澤、どう責任取るんだみたいな話ではないということはあらかじめ申し上げておきたいと思います。

以上

最終更新日:2025年10月24日