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赤澤経済産業大臣の閣議後記者会見の概要

2025年11月4日(火曜日)
17時50分~18時05分
於:本館10階記者会見室

冒頭発言

なし

質疑応答

ガソリンの暫定税率の年内廃止

Q:ガソリン税の暫定税率の年内廃止について与野党が合意しました。廃止までの移行措置として2週間ごとに補助金が引き上げられる見通しですが、短期間での引き上げによる現場での混乱の懸念はないでしょうか。また、経済産業省として何か対策を講じる考えはあるでしょうか。よろしくお願いします。

A:ガソリンの暫定税率については、先週金曜日に与野党6党が協議をしたということで、本年12月31日水曜日に廃止することなどについて、与野党の実務者間で一致したものと承知しております。現在、政党間の正式な合意に向けて、各党の党内手続が進められているものと承知しております。経済産業省としては、政党間の議論の結果を踏まえ、燃料流通業界などとよく連携し、御指摘のガソリン補助金の拡充も含めて、現場の混乱をできるだけ抑制するよう、適切に対応していきたいと考えております。

ジャパンモビリティショー視察、自動車業界との懇談

Q:2点お伺いさせてください。赤澤大臣は昨日、ジャパンモビリティショーを視察されました。その中で、自動車業界との懇談の機会を設けられていましたが、そこでのお話しされた受け止めでしたり、半導体供給だったり、いろいろ話題が出たかと思うのですけれども、そのあたりの今後の取組方針というのを教えていただけますでしょうか。

A:昨日、ジャパンモビリティショーを視察させていただきました。昔の東京モーターショーの時代と比べると、今や本当に車だけではなくて、他産業あるいはスタートアップも含めて様々な企業が参加をしておりまして、最先端の車を見るだけでなく、より広く未来のモビリティの姿、しかもモビリティというのは社会そのもののようなところがあるので、東京モーターショーと比べても、本当により広く未来の社会、日本社会を体感することができるようなイベントになっているなということで、イベントとしても、車好きだけでなくて、より広い範囲の方に関心を持ってもらえるものになっているなということで、イメージとしては、今や中国のモーターショーとかに規模とかでも押されているようなイメージを持っていましたけれども、大変立派な素晴らしい方向に発展していると、非常に嬉しく感じた次第であります。展示では、ドライバー不足といった社会課題の解決につながる自動運転技術に取り組むスタートアップや脱炭素技術など最先端のビジネスを見ることができました。自動車にとどまらない新しいモビリティ産業の未来を見据えながら、国際競争に勝ち抜くためにチャレンジする企業の姿を垣間見て、頼もしく思うとともに、こうした努力を後押ししたいとも思いました。非常に興味深かったのはスポーツ用品のミズノさん、義手とか義足の技術を使ってパラアスリートの皆様のためにいろいろやっている技術を使って、スニーカーの下に炭素繊維の特殊なバネみたいなのが取り付けてあって、それで歩くと筋肉を使う量が2割3割減って、楽に遠くまで行けますみたいな面白いものがあって、実際にそれを装着してみたりしたのですけれども、非常にワクワクするような経験をさせていただきました。自動車業界との懇談においては、GX・DX等の大きな変革の中で、競争力をいかに高めるか、米国関税の影響、サプライチェーン、賃上げ、設備投資など様々な課題の対応等についてお話を伺いました。経済産業省として、我が国基幹産業としての自動車産業は、こうした課題を力強く乗り越え、賃上げや国内投資を引き続きリードしていただく基幹産業であり続けていただくということができるように、全力で後押ししてまいりたいと思います。具体的には、関税影響への機動的な対策、レアアースや半導体の安定供給対策、車体課税の見直しによる国内市場活性化といった課題について、自動車業界の皆様と共に力を合わせて、しっかりと取り組んで成果を出していきたい、世界を変えていきたいと思っております。

公正取引委員会によるトヨタ自動車東日本に対する勧告

Q:ありがとうございます。もう1点ございまして、先週金曜日にトヨタ自動車東日本に公正取引委員会の勧告が出されました。自動車業界などで金型の無償保管をめぐる勧告が続いていますが、価格転嫁ですとか取引適正化を推進される立場として、今後の取組の方針だったりを教えていただけますでしょうか。

A:ご指摘のとおり、先月31日金曜日、トヨタ自動車東日本が金型の無償保管を取引先にさせる等の下請法に違反する行為について、公正取引委員会から勧告を受けました。同日付けで製造産業局から同社に対して、取引適正化に関する法令遵守体制の強化について要請を行ったところです。また、親会社であるトヨタ自動車に対しては、今後、グループにおいて下請法に抵触する行為が再発することのないよう、速やかに改善措置を講じることを求めました。自動車業界に対しては、金型取引も含め、取引適正化について累次にわたり要請してきたにもかかわらず、下請法の違反行為が続いている。こうした事態は、業界全体として取引先の事業者や消費者からの信頼を損なうものであり、極めて遺憾であります。トヨタグループには既に要請したとおり、速やかに再発防止のための改善措置を講じてもらいたいと考えています。また、自動車業界全体としても、下請法に基づく勧告が続いていることを真摯に受け止め、今後も取引適正化に取り組んでもらいたいと考えております。経済産業省としては、引き続き、自動車産業を含め広く産業界に対し価格転嫁や取引適正化に関する要請を行うとともに、来年1月1日から施行される取適法、中小受託取引適正化法、通称取適法の円滑な施行や厳正な執行を通じて、問題のある取引慣行の改善に取り組んでまいりたいと考えております。

ネクスペリア社の製品輸出制限問題

Q:先ほどの質問に関連しまして、中国系の半導体企業ネクスペリアの問題です。輸出制限をしておりまして、日本の自動車メーカーも生産面で影響を受けているという状況ですけれども、中国当局は先日、輸出を条件付きで再開するとの意向を示したと伝わっております。こうした現状について大臣の受け止めをお伺いしたいのと、昨日、モビリティショー、自動車業界側から、このネクスペリア問題についてやり取りがありましたでしょうか。あれば内容を教えていただければと思います。

A:ネクスペリア社の中国法人に関する中国商務部による輸出制限は、自動車産業をはじめグローバルなサプライチェーンに大きな影響を及ぼしております。このため、10月30日、私からカウンターパートであります王文涛中国商務部長に対し、強い懸念を表明し、適切な対応を取るように要請したところであります。米中両首脳の会談実施後の11月1日土曜日に、中国政府が条件に合致する輸出に対して免除を与える旨を発表したものと承知しております。今後、実際に日本の産業界への供給が滞りなく再開されるかどうかを注視していきたいと考えています。昨日の自動車業界との懇談では、広くレアアースや半導体等のサプライチェーンの問題についての対応が重要である旨について意見交換を行いました。

高レベル放射性廃棄物の最終処分

Q:高レベル放射性廃棄物の最終処分について伺います。選定調査が行われている北海道の寿都町で、先日、町長選挙がありました。選挙後ですね、取材に応じた片岡春雄町長から、最終処分の理解を全国的に広めるために、経産大臣が知事会などで説明すべきだとの発言がありましたが、この発言に対する大臣の受け止めや対応の考えを教えてください。

A:片岡寿都町長の発言については詳細を承知しているわけではございませんが、最終処分地の選定は、原子力を使う上で、将来世代に先送りできない国家的課題であり、プロセスを前に進める上で全国の自治体の理解を得ることは極めて重要だと考えております。全国の自治体に対し、これまで経済産業省として行ってきた取組をご説明しておきますと、2017年の地層処分に関する科学的特性マップの公表に合わせて、経済産業大臣名で今後の対話活動についての理解要請文を全国の知事及び市町村長に対し発出するとともに、経産副大臣から全国都道府県知事会議の場で理解要請を行ったというのが1つであります。また、基礎自治体に対しても、2023年には、基礎自治体首長の個別訪問を開始して、経産省のエネルギー・地域政策統括調整官や担当課長が、これまで250自治体以上を訪問しております。こうした自治体へのアプローチに加えて、最終処分の必要性について広く国民の皆様の御理解をいただくべく、全国各地で一般の方々に向けて、2017年からこれまでに、経済産業省職員やNUMO、原子力発電環境整備機構が200回以上の説明会を開催しております。引き続き、都道府県知事をはじめ、広く国民理解が必要なのは片岡町長の御指摘のとおりでありますので、そのあり方については、今後とも真摯に検討してまいりたいと考えています。

太陽光発電事業者に対する規制

Q:北海道釧路や千葉県鴨川市のメガソーラーなど、全国各地でメガソーラー建設による環境破壊などが指摘されていますが、太陽光発電の事業者に対する法規制や制度設計の方針について、大臣、教えてください。

A:再生可能エネルギーについては、地域の理解や環境への配慮を前提に導入を進めていく方針でございます。こうした方針の下、具体的には、太陽光発電事業の実施に関係する法令を所管する省庁と連携し、環境省とともに、「太陽光発電事業の更なる地域共生・規律強化に向けた関係省庁連絡会議」を設置し、現在、必要な対応について検討を進めているところでございます。関係省庁と連携を図りながら、関係法令に基づき、より一層の規律の強化、太陽光発電事業の地域共生の確保に取り組んでまいりたいと考えています。

日本成長戦略本部

Q:本日あった日本成長戦略本部に関して伺わせてください。赤澤経産相は、AI・半導体とか資源、エネルギー安全保障、GXなどの担当閣僚に任命されたかと思います。高市総理から、投資内容やその時期、目標額などを定めた官民ロードマップを策定してほしいというご発言あったかと思いますが、経産省として既にAI・半導体は10兆円の公的支援に50兆円の官民投資を、AI・半導体産業基盤フレームであったり、GX分野では10年で150兆円規模の官民投資及びGX戦略だったり、もうすでに官民ロードマップに代わるのもあるかと思うんですが、こういった既存のロードマップと別に新たに策定されるのか、もしくは既存のものをアップデートされていくのか。もし検討されるのであれば、どういった形でいつ頃までに検討されるのか、現時点で決まっていることあれば教えてください。

A:本日、総理より、日本成長戦略本部において、各戦略分野について、複数年度にわたる予算措置のコミットなど当初の予見可能性向上につながる措置、それから、研究開発から海外展開に至る各フェーズに応じた防衛調達や規制改革などの支援や既存制度の見直しなどを内容とする官民投資ロードマップの策定指示を受けたところでございます。御指摘のAI・半導体やGXといった分野については、御指摘のような、既にフレームができ上がっております。財源調達も含めてですね。具体的な投資目標額等を定めるなど、既に計画を作成し、政策の加速に向けて着手しており、ある意味では、経済産業省が先行していたということかと思います。まずは、既存の計画を着実に進めることが重要であると思います。その上で、本日の総理指示を踏まえ、追加的な論点がないかも含めて検討を深め、具体的なロードマップを作成してまいりたいと考えております。

以上

最終更新日:2025年11月5日