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赤澤経済産業大臣の閣議後記者会見の概要

2025年11月7日(金曜日)
18時21分~18時37分
於:本館10階記者会見室

冒頭発言

ガソリン・軽油の当分の間税率の廃止に向けた補助金の段階的拡充

初めに私から1点申し上げます。いわゆる暫定税率について、今週11月5日に与野党6党で、国民が直面する物価高に迅速に対応すべく、ガソリンは本年12月31日、軽油は来年4月1日に廃止をすると合意されました。本合意に従って、急な価格変動による流通の混乱を抑制するため、当省としては、ガソリンについては、来週11月13日から2週間ごとに5円ずつ補助金を引き上げ、11月13日に現行の10円から15円、11月27日に15円から20円、12月11日に20円から暫定税率と同水準の25.1円といたします。軽油については、同じく11月13日から2週間ごとに補助金を引き上げ、11月13日に現行の10円から15円、11月27日に15円から暫定税率と同水準の17.1円にいたします。その実施に当たっては、消費者による買い控え・反動増や、繁忙期である冬季での燃料の配送の逼迫といった流通の混乱を極力抑える観点から、本日、元売やガソリンスタンド事業者に対して、配送体制の確保や在庫の平準化等への協力要請を行うとともに、今後、政府広報をはじめ様々な媒体を通じて、消費者に対して十分な周知・広報を行ってまいります。併せて、暫定税率の廃止によって影響を受けやすい中小・小規模ガソリンスタンドに対する資金繰り等の支援についても、総合経済対策の中で検討するよう事務方に指示したところです。詳細については事務方にお尋ねください。私からは以上でございます。

質疑応答

レアアースの供給確保

Q:レアアースについてお伺いいたします。高市総理は、昨日、南鳥島周辺海域でのレアアース開発に関して米国と具体的な協力の進め方を検討するという考えを示しました。レアアースに関しては、日米首脳会談で供給確保に関する文書に署名をし、日本成長戦略本部で打ち出された17の戦略分野でも重要鉱物として含まれています。レアアースを巡る日米協力の意義と、あと、今後の取組の方向性について、大臣のお考えをお聞かせください。

A:高市内閣における成長戦略の肝は「危機管理投資」です。レアアースを含む重要鉱物も、危機管理投資の戦略分野に含まれており、経済安全保障等の様々なリスクや社会課題に対し、官民が手を携え先手を打って行う戦略的な投資を促進してまいります。レアアースの多くは、現状、特定国からの輸入に依存しており、経済安全保障の観点から、供給源の多角化や、供給途絶に備えるための国家備蓄の強化等を通じた安定供給の確保を進めてまいります。先般、日米首脳は、重要鉱物・レアアースに関する枠組みに署名いたしました。この枠組みは、鉱山・製錬プロジェクトへの支援等により、両国の重要鉱物サプライチェーンの強靱化を図るものです。米国と連携して、新たな供給源の形成など、具体的な取組を進めてまいります。また、南鳥島周辺海域でのレアアース開発については、内閣府の事業において、来年1月に水深約6,000メートルから引き揚げるための実証試験が予定されており、今後、日米間の具体的な協力の進め方を検討していくものと承知しております。このように、米国との連携も含め、供給源の多角化等によりレアアースの安定供給確保を着実に進めてまいりたいと思います。

再生可能エネルギー発電促進賦課金

Q:再エネ賦課金について質問します。5日の衆院本会議で高市総理が国民民主党の玉木代表の質問に対して、再エネ賦課金の在り方について、今後の技術の進展やその必要性について検証すると答弁されました。このやり取りについての受け止めと、経産省として、今後どのように検証に対応していくのか伺わせてください。また、この再エネ賦課金の検証結果によっては、再エネの普及拡大が遅れたり、電力系統の整備にも影響を及ぼしたりすることになるのでしょうか。見解を伺わせてください。

A:再エネ賦課金については、再エネ特措法に基づき、電気の利用者に御負担をいただいております。これまでも、買取価格の引き下げや入札の活用等により、国民負担の抑制に努めてまいりました。経済産業省としては、再生可能エネルギーに関する技術の進展であるとか、再エネ賦課金による支援の必要性について、関係審議会において検証してまいりたいと考えています。例えば、太陽光発電について、従来型の太陽光発電のコスト低減の状況なども踏まえつつ、その支援の在り方を検討し、次世代型太陽電池のペロブスカイトや、屋根設置等の地域共生が図られた導入への支援に重点化することを検討してまいりたいと思います。また、今後の系統整備についても、関係審議会における検証の結果を踏まえ、適切に対応してまいりたいと思います。

トヨタ自動車によるEV向け電池工場の建設計画延期

Q:トヨタ自動車によるEV向け電池工場の建設計画延期について伺わせてください。本日、トヨタが福岡県内で進めるEV向け電池工場の建設を再延期することが分かりました。まず、これに関して大臣の受け止めを教えてください。また、今年5月には日産が北九州で計画していた電池工場の計画を断念することが決まり、経産省が目指す2030年に150ギガワット時の生産基盤確保に逆風が吹いているように思いますが、今後、経産省として蓄電池の生産基盤確保にどう取り組んでいくか、お考えを教えてください。

A:本日、トヨタが工場の延期を決めたわけですね。私、まだ実はそのニュース、承知しておらなかったものですから、今お話で伺いました。内容については、まだ報道の内容も承知していない状況なので、なかなかコメントが難しいところでありますが、これは各社のいろいろな経営判断のもとでなされていることでありますので、特定の社が延期をされたと、ちょっと今のお話だと2社ぐらいそれが出てきているみたいですけれども、そのことがどういう意味を持つのかということについては、しっかり情報収集をした上で判断していきたいと思っています。いずれにしても、何か今、電力需要がこれから激増しようという状況の中で、原発か再エネかというものでもなくてベストのミックスを目指すという方針でやってまいりますので、今おっしゃった二つの件についてもしっかり情報収集した上で適切に対応してまいりたいと考えております。

柏崎刈羽原子力発電所の再稼働問題に関する県民意識調査

Q:東京電力が再稼働を目指す柏崎刈羽原発について伺います。新潟県は昨日、再稼働に関する県民の意識調査の結果を公表いたしまして、再稼働の条件が整っているかといった趣旨の質問について否定的な回答が60パーセントになり、半分以上を占めるという結果になりました。まず、これについての大臣のご所感と、今後、経産省としてどのようにアプローチしていくのかお考えを伺えればと思います。よろしくお願いします。

A:まず、どのような対策でも再稼働すべきでないとの回答がかなり多かったという話でよろしいですか。ちょっと調査全体についてという感じですかね。

Q:昨日の調査結果、意識調査の結果を見ますと再稼働の条件が整っているかという問に対して、住民の、県民の6割が否定的な意見だということで。

A:分かりました。お答えいたします。新潟県民の皆様の中には、原子力発電に対する御認識であるとか、東京電力柏崎刈羽原子力発電所の再稼動に対する認識などについて、様々な御意見、あるいは御懸念を持たれておられる方々が一定数いるということについて、これは当然ながら真摯に受け止めなければならないと思います。その上で、国や東京電力による安全・信頼の確保に向けた取組や安全対策・防災対策についての理解促進等に向けた取組を、今後とも、しっかり進めていくことが重要であると考えております。

Q:経産省としては、例えば、安全対策であったりというのは、どういったようなスケジュール感で実施していくべきだとお考えでしょうか。

A:これも、そうなると、その調査全体にちょっと話が及ぶのですけれども、昨日※111月6日、新潟県が実施していた「柏崎刈羽原子力発電所の再稼働に関する県民意識調査」の結果が公表されたと承知しております。この調査は、再稼働に関する県民の皆様の多様な御意見を把握するための手段の一つとして実施され、柏崎刈羽原子力発電所の再稼働への関心について性別・年齢別の傾向や、安全対策に関する認知状況について地域別の傾向分析などが示されていると認識しています。調査結果からは、東京電力が柏崎刈羽原子力発電所を再稼働することに対して、発電所から30キロ圏内にある9市町村のうち2市村では容認する意見が大きく上回りましたが、残る7市町では容認する意見と反対が拮抗し、その7市町のうち4市は反対が上回るということで、新潟県民の皆様の中でも、様々な意見の違いがあるということが傾向として明らかに出ています。例えば、その中でも、柏崎刈羽原子力発電所の安全対策や原子力災害※2に備えた防災対策の認知度が高くなればなるほど、「再稼働の条件は現状で整っている」と思うと、考えられる割合が高くなる傾向も見られます。そういった分析も示されています。このような分析結果を踏まえると、国や東京電力において、様々なご意見をお持ちである地域の皆様の声に真摯に向き合いながら、これは当然のことですが、安全・信頼の確保に向けた取組や安全対策・防災対策等についての理解促進に向けた取組を、さらに力を入れて進めていくことも重要かなと受け止めています。今後、こうした調査の結果も含めて、県内での様々な御意見を総合した上で、花角知事が御判断されることになるものと承知しておりまして、政府としてはこうした状況も踏まえつつ、引き続き、丁寧な対応を真摯に行っていきたいと考えております。

※1 実際の発言は「昨年」でしたが、事実関係を踏まえて修正しました。
※2 実際の発言は「原子力防災」でしたが、事実関係を踏まえて修正しました。

ガソリンスタンドへの支援

Q:冒頭のガソリンスタンドの支援について、ちょっとお伺いしたいのですけれども、報道で、サービスステーションネットワーク維持・強化支援事業費補助金を拡充して、24年度の補正予算を積み増すといった報道も一部出ているのですけれども、もし具体的な詳細、もし分かればお伺いしたいのと、あと中小規模のガソリンスタンドの支援を行うということで、その狙いについて、少し具体的にお伺いできればと思います。よろしくお願いします。

A:せっかくのご質問でありますが、補正予算の具体的な中身については、まだお話をできる段階ではありませんので、それについては、発言を差し控えたいと思います。その上で、中小企業あるいは小規模事業者のスタンドの皆様の支援ということの考え方という話でしたけど、これは一言で言えば極めて重要ということで、これはご案内のとおりというか、むしろ都市部に住んでおられる皆様には分かりづらいかもしれませんが、我が地元の鳥取県なんかだとですね、スタンドがないとそこで暮らせません、端的に言うと。というところがちょっとやっぱりあって、常時どこでガソリン入れるかというのは、みんな意識して車を、特に鳥取県の場合なんかは1人1台保有しているぐらいのイメージ。だから、お父さんが仕事に行く、お母さんが買い物に行く、お子さん2人が学校に行くにも、とにかく軽自動車みたいな。軽自動車の保有台数が1人当たり一番多いというか、毎回1位2位あたりを佐賀県とかと戦う鳥取県でありまして、みんなとにかくスタンドがどこにあるか、どこで給油するかというのが常に頭にあるという状態です。公共交通機関がありませんので。そういう意味では、本当に地方においては、我が町に村にスタンドがあるかとか、そういうことは極めて重要な話ですので、生活に直結をしている、地方の生活を支えるという意味でも中小のスタンド、小規模のスタンド、しっかり支えていくということは大事なことだと思っています。ただ、繰り返しになりますが、補正予算がどういうものかについては、まだ具体的にお話をできる状況ではございませんので、それはまた改めて、時期が来たらお話をさせていただきたいと思います。

以上

最終更新日:2025年11月10日