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赤澤経済産業大臣の閣議後記者会見の概要

2025年11月21日(金曜日)
17時15分~17時29分
於:本館10階記者会見室

冒頭発言

情報処理促進法に基づく金融支援の対象となる次世代半導体製造事業者の選定

初めに私から2点申し上げます。
1点目ですが、本日、情報処理促進法に基づく金融支援の対象となる次世代半導体製造事業者として、ラピダス株式会社を選定いたしました。選定に当たっては、同社から提出された実施計画について、産業構造審議会次世代半導体等小委員会を開催して審査を行い、その答申を踏まえた上で判断を行っております。経済産業省としては、今後、本計画に基づき、まずは、令和7年度当初予算に計上した1,000億円を情報処理推進機構、IPAを通じて同社に出資する考えでございます。本プロジェクトは、政府が進める危機管理投資の要となるものであり、国益のために必ず成功させなければならない国家的プロジェクトであります。引き続き、プロジェクト成功に向けて全力で取り組んでまいります。詳細は事務方から説明をさせます。

石川県出張

次に、2点目でございます。
明後日、11月23日の日曜日、石川県に出張をいたします。能登半島地震から約2年が経過し、中小企業のなりわい再建が進みつつありますが、被害が大きかった輪島市と七尾市の復興現場を視察するほか、石川県の馳知事をはじめ自治体関係者、被災事業者の皆様と意見交換を行います。防災は私のライフワークでございます。国家の生命線に関わる課題と考えて心血を注いで取り組んでまいりました。引き続き、現場に寄り添った支援策を講じていけるよう、実態をよく確認してくる所存でございます。

質疑応答

柏崎刈羽原子力発電所の再稼働

Q: まず、東京電力の柏崎刈羽原発の再稼働問題についてお聞きします。先ほど新潟県の花角知事が会見をして、国からの再稼働の理解要請に対して、県民理解の取組の徹底など7つの項目で国の対応の確約を得た上で、県として再稼働を了承するというふうに表明をされました。再稼働に向けて大きく前進した形かと思いますけれども、今の受け止めをお聞かせください。また、7つの項目に関する新潟県とのやり取りを含め、国としての今後の対応をお聞かせください。

A:先ほど行われた会見、16時に開始されてぴったり17時に終わったという報告を受けておりますが、花角新潟県知事が、原子力の必要性や安全性、緊急時の対応に関する情報発信、安全性向上への不断の取組、原子力関係閣僚会議で国が示した方針を踏まえた取組、多くの県民が懸念を抱いている課題の取組など、今、御指摘のあった7つの項目を挙げられて、国の対応を確認した上で、柏崎刈羽原子力発電所6号機、7号機の再稼働に関する理解要請について了解する旨を表明されたものと承知しております。花角知事の御判断に感謝を申し上げたいと思います。また、その判断を行ったことや判断に沿って知事の職務を続けることについては、今後、県議会の信任を得られるか、または不信任とされるのか、判断を仰ぎたいとも発言されたと承知しております。私としては、全30市町村の首長との意見交換、そして、新潟県全域で計5回にわたる公聴会、新潟県民に対する意識調査など、花角知事のこれまでの取組に心から敬意を表するものでございます。政府としては、国に対する花角知事の御発言をしっかりと受け止めた上で、8月の原子力関係閣僚会議においてお示しをした、原子力防災の充実・強化、東京電力のガバナンス強化、地域の実情や要望を踏まえた地域振興策についても、引き続き、取組の具体化を進めるとともに、原子力の必要性や安全性などについて、丁寧で分かりやすい情報発信などに努めてまいります。加えて、東京電力においては、引き続き地域や社会の皆様に丁寧に説明を行うとともに、原子力規制庁の指導の下で、安全最優先で高い緊張感を持って対応してもらいたいと考えております。

Q:7つの項目について、新潟県から何か連絡というか、打診みたいなものはあったのでしょうか。

A:知事の会見も終わったばかりでございまして、特にその点について、知事の会見の後に新潟県と何か情報のやり取り、あるいは意見交換をしたというようなことはございません。

総合経済対策

Q:もう一点、本日、総合経済対策が閣議決定をされました。電気・ガス代の補助の拡充ですとか、あとAI・半導体、重要鉱物など、危機管理投資への重点投資の方針が盛り込まれましたが、実行に向けた意気込みをお聞かせください。

A:本日の臨時閣議において、総合経済対策が閣議決定されました。経済産業省としても、まずは高市内閣の最優先課題である物価高対策に全力で取り組んでまいります。具体的には、まず、与野党合意を受けたガソリン・軽油への補助金の拡充を11月13日の木曜日から開始しており、順次暫定税率廃止と同水準の引下げを実現してまいります。さらに、寒さの厳しい冬の間、国民の暮らしの安心を確実かつ迅速に届けていくための電気・ガス料金支援を実施いたします。これに加えて、物価上昇を上回る賃上げを実現するため、官公需も含めた価格転嫁・取引適正化の徹底に加え、成長投資を含む生産性向上・省力化投資の支援や事業承継・M&Aなどによる経営基盤の強化等の取組を通じ、労働供給制約社会において「稼ぐ力」を持つ「強い中堅・中小企業」を目指して経営を行っている企業を全力で応援してまいります。その上で、高市内閣の成長戦略の肝である「危機管理投資」の重要な戦略分野であります、AI・半導体、量子、バイオ、航空宇宙、エネルギー・GXなどを中心に、大胆な設備投資や研究開発の促進などを通じて、官民の積極的な投資を引き出してまいります。こうした官民の投資により、日本経済の供給力を強化し、日本企業の稼ぐ力を高め、物価上昇を上回る賃上げに繋げ、「強い経済」を実現してまいります。

柏崎刈羽原子力発電所の再稼働

Q:柏崎刈羽原子力発電所に関する質問を2点させていただきます。先ほどの幹事社質問にもありましたが、花角知事は7つの事項の確約を得た上で、新潟県として柏崎刈羽原発の再稼働を了解すると話していらっしゃいました。その7つの事項の1つに電源三法交付金の見直しの検討を早期に進めるといった内容があります。対策地域は広がったにもかかわらず、交付金の地域は以前のままという不合理な状況が生じているという発言が花角知事の御発言にもあったのですけれども、電源三法交付金の見直しの検討を早期に進めることを新潟県が確約条件の1つとしたことについて、大臣の受け止めと国として今後どのように対応していかれるか、お考えをお聞かせください。

A:ひとつ私から確認をしたいのは、私の手元に、知事が会見のときに配られたという文書だと、以下に対する国の対応を確認した上でという言葉を使っていますが、会見では花角知事は口語で確約という言葉を使われたのでしょうか。

Q:確約というお話を……

A:確約という言葉を使われましたか。

Q:確約という話もされていらっしゃいました。

A:そうですか。分かりました。その上でお答えをいたします。本日の会見で、花角知事から、UPZが拡大したが、電源立地地域に対して交付金制度があるが以前のままで不合理な状況が続いていると、こうした現状を是正するため、電源三法交付金の見直しの検討を早期に進めることといった発言があったことは承知しております。電源立地交付金は、発電用施設の設置、運転の円滑化を目的に電気の生産地にも消費地が享受する恩恵の一部を還元するため、電源立地地域の自治体に対して交付しているものであり、立地地域の振興や発展のために重要なものであると考えております。本年2月に閣議決定した第7次エネルギー基本計画において、必要な財源確保に向けた方策の検討、具体化を含め地域の持続的な発展に向けた取組を進めていくこととしており、今後議論を深めてまいりたいと考えております。

Q:2点目なのですけれども、東京電力管内の来年夏の電力予備率についてお伺いします。政府は10月末に来年度の電力需給の見通しを公表されました。東京電力管内の予備率は0.9%となるなど、厳しい見通しを明らかにされていたと思います。今の状況は、花角知事が確約をもらった上で容認するという発言した内容の段階であって、まだ必ずしも再稼働が決まったわけではありませんが、もし、今後6号機が再稼働することになった場合、東京電力管内の夏の予備率はどのように改善されるとお考えでしょうか。

A:今、自らおっしゃったように、必ずしも再稼働が決定したわけではないので、通常、仮定の御質問にはお答えしないということで対応しておりますが、その上で申し上げれば、柏崎刈羽原発6号機は136万キロワットの供給力がございます。定格出力で稼働したと仮定すれば、2%程度、東京エリアの需給を改善する効果があるというのが事実関係でございます。

Q:柏崎刈羽原子力発電所の関係で教えていただきたいのですけれども、今回、知事が7つの事項について国に要望しているのですけれども、大臣として、今、伝聞として聞いているだけなのですけれども、今後直接、早期にお会いして話を聞くみたいな予定といいますか、意向はあるのでしょうか。

A:現時点において何も決まったものはございません。ただ、私自身の個人的な気持ちとしてですね、お会いをして、十分に今日の会見について報告を受けている範囲で知事の思いというものは大変重たいものとして私にもう伝わってきておりますが、さらにお目にかかってお言葉をもらえば、その思いをさらに重く受け止めることができると思いますし、いろいろな意味で、立地自治体の首長ということでありますので、現時点において何ら決まったものはございませんが、私自身としては、大変お忙しい知事が時間を割いていただけるのであれば、そういう機会をつくることには大変大きな意義があるということは感じます。ただ、現時点で何か決まったことがあるわけではありません。

経済安全保障における国際連携

Q:話題は変わるのですけれども、経済安全保障における国際連携についてお伺いします。政府はジャカルタで経済安全保障に関するラウンドテーブルですとか、オーストラリアで産業協力シンポジウムを開催するなど、ASEANや豪州などとの経済安全保障協力を進めております。日本企業と各国政府との面会の場を提供して、宇宙や防衛、AIなどの分野で意見交換をされておりますが、こういった分野で協力を進める狙い、ASEANや豪州と経済安全保障協力を進める意義について伺えればと思います。また、今後、東南アジアやオーストラリア以外にどういった国々とこういった協力を広げたいか、お伺いしたいと思います。よろしくお願いします。

A:AIや宇宙・防衛などの戦略分野で相手国のニーズに応じ、我が国の強みを生かした産業協力を進めることは、相手国の経済安全保障の強化に加えて技術や製品の提供を通じて我が国の産業基盤強化にもつながるという狙い、意義があり、様々な国・地域との官民を含めた意見交換等を通じて積極的に協力を進めているところでございます。引き続き、G7諸国や他のASEAN諸国などのインド太平洋地域のパートナーと、こうした協力を進め、互いの経済安全保障の強化につなげてまいりたいと考えております。

以上

最終更新日:2025年11月21日