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赤澤経済産業大臣の閣議後記者会見の概要

2025年12月2日(火曜日)
9時31分~9時44分
於:本館10階記者会見室

冒頭発言

なし

質疑応答

自動車税・軽自動車税の環境性能割

Q:1問お尋ねをいたします。ちょっと時節柄、税制改正のお尋ねがまた続いて恐縮なんですけれども、自動車の取得時に課税される環境性能割について、一部の報道で、2年間の時限措置として停止をするというような報道が出ております。米国関税で自動車業界には一部マイナスの影響も出る中で、国内の自動車需要を喚起する狙いがあると思われますが、大臣、経済産業大臣のお立場から御所感を教えてください。

A:御指摘の報道については承知しております。車体課税の見直しについては、令和7年度与党税制改正大綱において、「取得時における負担軽減等課税のあり方を見直すとともに、自動車の重量及び環境性能に応じた保有時の公平・中立・簡素な税負担のあり方等」について検討し、令和8年度税制改正において結論を得ることとされています。これを踏まえ、経済産業省としては、今般の税制改正要望において、国内市場の活性化のための環境性能割の廃止と取得時の負担の軽減、カーボンニュートラルに資する保有時の課税のあり方の見直しなどの抜本見直しを要望しております。その実現に向けてしっかりと取り組んでまいりたいと思っております。

中国電力の鳥取県に対する財源協力方針

Q:私から島根原子力発電所に関して伺います。中国電力は先月28日、周辺自治体の鳥取県に対し、立地自治体の島根県による核燃料税等に相当する財源を拠出する方針を表明しました。地元選出ということもあり、大臣の受け止めをお伺いします。また、こうした電力会社による新たな周辺自治体への財源拠出の動き、これが他の立地地域に与える影響をどう見ていられるかということも併せて伺います。

A:11月28日の金曜日ですね、中国電力が鳥取県、米子市、境港市に対し、島根原子力発電所に係る原子力防災対策等に関する財源協力について回答を行ったことは承知しております。鳥取県、米子市及び境港市の皆様においては、原子力防災対策について、御負担をおかけする中で真摯に御対応を賜っており、今回の中国電力の対応は、事業者として地域が抱える課題を踏まえた判断であると認識しております。エネルギー基本計画においても、原子力事業者が、原子力基本法に基づく責務として、立地地域の様々な課題解決に資する誠実な対応や主体的に貢献していくことの重要性について記載されているところであります。その上で、具体的な地域への協力のあり方については、地域により実情は様々であり、各事業者の経営責任において判断していくものと考えておりますが、国としては、事業者の皆様に対して、引き続き地域の課題解決への協力責務を果たすよう指導してまいりたいと思っております。

柏崎刈羽原子力発電所の再稼働

Q:原発関連、柏崎刈羽原発の再稼働について伺います。新潟県議会が本日開会します。花角知事は再稼働の容認を表明されましたが、これまでの経緯も踏まえて、大臣が県議会の方でどのような議論が進むことを期待されるか、その点をお願いいたします。

A:新潟県議会での議論については、地方自治に関するものでありますので、国の立場でコメントすることは差し控えたいと思います。いずれにせよ、政府としては、国に対する花角知事の御発言をしっかりと受け止めた上で、8月の原子力関係閣僚会議においてお示しした、原子力防災の充実・強化、東京電力のガバナンス強化、地域の実情や要望を踏まえた地域振興策、について、引き続き取組の具体化を進めるとともに、原子力の必要性や安全性等について、丁寧で分かりやすい情報発信などに努めてまいります。

米国e-メタンプロジェクトへの参画

Q:大阪ガスと東邦ガスなど3社がアメリカでe-メタンの量産を目指すプロジェクトに参画するということが先程発表されました。製造されたものは日本に輸出することを目指していて、これは関税措置に伴う日米合意の中にあるアメリカ産のエネルギーの年間70億ドルの輸入に含まれると思いますけれども、本件についての大臣の御所感と、本件が日本にとってどのようなメリットや、あるいは意義があるのか教えていただければと思います。よろしくお願いします。

A:御指摘のe-メタンプロジェクトについては、大阪ガスや東邦ガス、伊藤忠商事がフランスのトタルエナジーズなどと組んで出資・参画することになったと承知しております。まさに今、発表しているところですかね。詳細は、本日12月2日火曜日、10時に開催されるメタネーション推進官民協議会で報告されるものと伺っております。政府としては第7次エネルギー基本計画で、2030年度にガス供給量の1%相当の合成メタン等を導入する目標を定めており、その達成に向けて事業者が様々な可能性を追求しつつ、着実に進めていくことを期待しております。その上で、個別企業の案件と日米間の合意の関係性について逐一コメントすることは差し控えますが、一般論として、本件は日米間のエネルギー協力の深化に貢献するものと認識しております。なお、日米間の合意について申し上げれば、米側との間で合意の誠実かつ速やかな実施に努めることにより、日米の相互利益の促進、経済安全保障の確保に向けた協力の拡大や我が国の経済成長の促進につなげてまいりたいと考えております。

ミャンマー情勢

Q:サプライチェーンについてお伺いしたいのですが、強固なサプライチェーン構築を目指す上で、日本にとって東南アジアというのは非常に重要な地域だと考えられます。その一つの国でミャンマーなのですが、年末年始に選挙を控えている中、近年、軍の影響力増す中で、経済面で非常に中国への依存度が増しているかと思います。中でもレアアースに関しては、ミャンマーから中国への輸出は増加を続けています。このような状況に対して、経済安全保障の観点から、また、あるいはサプライチェーンを柔軟、強靭なものを確保する観点から受け止めをお願いいたします。また、このような状況を受けて、中国の影響力拡大を念頭に、日本は再度ミャンマーへの支援援助など、あるいは企業の進出後押しなどを再開、また力を入れていくべきだとお考えでしょうか。よろしくお願いいたします。

A:ミャンマー情勢について、2021年2月のクーデターから4年半以上も経つ今もなお、状況改善の兆しが見られない中、日本政府としての立場はミャンマー国軍に対して、暴力の即時停止、アウン・サン・スーチー氏を含む被拘束者の解放、民主的な政治体制の早期回復について、具体的な行動を取るように強く求めているというものでございます。経産省としても、政府方針にのっとり適切に対応を進めてまいりたいと考えております。御指摘のとおり、客観的な事実として、ミャンマーはレアアースの産出についていうと、中国、米国に次ぐ世界第3位のレアアースの産出国ということで、そういう意味では、今話題になっておりますレアアースについては、大変大きなプレーヤーの一つであるということですね。そういう意味で、非常に重要性のある国であると我々認識をしておりますが、承知できていることは、来年1月までの間に総選挙が実施されるということが発表されたということでありまして、今後の情勢の変化について、注視してまいりたいということは申し上げておきたいと思います。

賃上げ促進税制

Q:賃上げ促進税制についてお伺いします。賃上げ促進税制について、優遇措置の条件を引き上げる案が政府内で検討されているとの一部報道があります。赤澤大臣は、先週の会見で、賃上げ促進税制の見直しについて、現状と同等か、より強力な形に作り替える必要があるとのお考えをお話しされていたと思います。この件に関する事実関係と受け止めをお伺いできればと思います。

A:日本経済は、長引くデフレなどを背景に、企業が足元の利益確保のために賃金や国内投資などを抑制するコストカット型経済となり、結果として内部留保も積み上がってまいりました。一方で、国内投資と賃金には潮目の変化が起きており、企業収益を人的投資などの成長投資に振り向けていくことが重要であります。そういう意味で、物価上昇を上回る賃上げということを目指すという意味では、前政権も高市政権も全く変わりなく連続性を持ってやってきていることであります。御指摘のあった賃上げ促進税制は、名目賃金の伸び率が鈍化傾向を示す中、物価高に負けない賃上げの実現に向けて是非とも必要であり、日本の成長投資を強力に後押し、「強い経済」を実現する上で重要だと考えています。ただ、質問されたことについての関連で申し上げれば、私自身は、これだけ人口減少の下で、人手不足な状況の中で、やっぱり中小企業・小規模事業者の皆様には、積極的な設備投資・人的投資をやっていただいて成長を目指していただきたい。そして、中小企業政策も、量よりは質を高めていくという方向に移行していく、軸足を移していくということは必要だと思っていますので、そういった点を踏まえながら、必要性や政策効果といった観点からよりよい制度、ある意味では、筋肉質な中小企業・小規模事業者の皆様を応援するというか、筋肉質になることを目指す中小企業、あるいは小規模事業者の皆様を挙げて応援をしていくというような方向で議論を深めてまいりたいと思っております。

日本製鉄北日本製鉄所の火災

Q:昨日の未明に、北海道室蘭市の日本製鉄北日本製鉄所で火災がありました。けが人は出ていないとのことですが、瓦礫が広範囲に飛散するなど生産には一定の支障が出そうな状況です。経産省として把握していることがあれば教えてください。また、今後取り得る対応方針についても、あればお願いいたします。

A:まず、警察によれば、この火災でけが人などの情報は入っていないと承知していますので、人的被害が出ていないことはよかったですね。その上で、12月1日午前0時47分頃に、室蘭市仲町にある日本製鉄北日本製鉄所で爆発があり、その後、火災が発生したということであります。経産省としては、当然事態を注視するということですが、自治体と連携をし、周囲の住民への安全の確保に万全を期すとともに、被害状況やサプライチェーンの影響について把握をしてまいりたいと考えております。

以上

最終更新日:2025年12月2日