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赤澤経済産業大臣の閣議後記者会見の概要

2025年12月12日(金曜日)
8時34分~8時43分
於:国会本館2階閣議室前

冒頭発言

最先端半導体に関するオープンな研究開発拠点の設立

初めに、私から1点だけ申し上げます。ラピダスの立地を契機に、半導体産業の集積が進む北海道千歳市に、産業技術総合研究所が最先端半導体のオープンな研究開発拠点を整備いたします。本拠点は、ラピダスなど半導体企業に加えて、製造装置や素材企業、大学など幅広い関係者に活用いただくことを想定しています。その際に、海外の企業、研究機関等とも連携をすることで、最先端半導体の研究開発を促進することを目指します。今後、国会で補正予算が成立すれば、次世代EUV露光装置など、必要な製造装置の導入を開始し、2029年度からの稼働を目指してまいります。詳細は事務方よりお答えをさせていただきます。私からは以上でございます。

質疑応答

大胆な設備投資促進税制

Q:来年度税制改正の関係でお伺いいたします。政府・与党が設備投資を促す減税制度を新設し、条件を満たせば投資額の7%を法人税から差し引けるようにする方向で最終調整をしていると報じられています。この受け止めと設備投資を促進する税制の意義、重要性についてお考えをお聞かせください。

A:報道については承知しております。経済産業省としては、高市総理からの御指示も踏まえ、戦略分野を中心とする成長投資の促進のため、大胆な設備投資促進税制の創設に向けて、関係省庁と調整を進めているところでございます。先月21日、金曜日に閣議決定された総合経済対策においても、2030年度135兆円、2040年度200兆円という官民の国内投資目標の実現のためにも、この税制の創設を進めていくこととされています。現在、与党税制調査会において、御議論をいただいているところであり、政府としては、その内容を踏まえて対応していくということでございます。

TSMC第2工場

Q:TSMCの第2工場についてお伺いします。TSMCが熊本県菊陽町で10月に着工した第2工場について、当初の計画を変更し、回路線幅4ナノメートルの製造に向けて検討を始めたと報道がありました。実際、建設現場では重機が激減しており、地元では「工事が中断されたのではないか」と不安の声も上がっています。計画の認定者である経産省として、計画内容や工事の進捗状況について、TSMCからどのように伺っているのか、まずお聞きします。

A:報道は承知しております。ただ、個別企業の経営活動に関する事柄であることから、建設工事の状況の逐一にコメントすることは差し控えたいと思います。その上で、TSMCからは、現時点では、生産開始時期、量、生産する半導体の世代、ノードなどの認定計画の内容に変更はなく、中断や中止が検討されている事実もないと伺っているところでございます。経済産業省としては、引き続き、我が国の半導体産業の復活に向けてしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。

泊原子力発電所の再稼働

Q:北海道電力泊3号機の再稼働について伺います。10日の北海道議会で知事が再稼働への同意を表明しました。これで政府が理解要請をした全5自治体全てが同意を表明したことになります。知事の同意と同意がそろったことに対する受け止めをお願いします。あわせて、知事は今後、国や事業者に対して道内の産業集積ですとか、必要なインフラ整備及び万全な安全対策を求める考えも同時に表明されました。経済産業省として、どう御対応されていくか、お考えを伺います。

A:12月10日の北海道議会において、鈴木北海道知事が泊発電所3号機の再稼働に関する理解要請について、同意する旨を表明されたものと承知しております。鈴木知事の御判断に感謝を申し上げたいと思います。泊発電所3号機の再稼働は、エネルギー安全保障の確保や脱炭素の同時実現に寄与する観点から重要であると考えています。政府としては、引き続き、立地自治体等関係者とのコミュニケーションを取りながら、地域の実情を踏まえ、丁寧に取り組んでまいりたいと考えております。その上で、北海道における産業集積のインフラ整備に関する知事の御要望についてですが、北海道でGXやDXに関する先進的な取組が進められていることを踏まえ、そうした地域の特色を活かした企業投資を経済産業省としても促進してまいりたいと思っております。また、安全対策については、北海道電力において、引き続き、地域や社会の皆様に丁寧に説明を行うとともに、原子力規制庁の指導の下、安全最優先で高い緊張感を持って対応してもらいたいということであります。経済産業省としても、安全性向上に不断に取り組むよう、北海道電力をしっかり指導してまいりたいと考えております。

最先端半導体に関するオープンな研究開発拠点の設立

Q:冒頭にありましたラピダスの産総研の拠点のことで伺いたいと思います。改めてになりますが、大臣にとって、この拠点の意義であるとか、期待といったところがあれば教えてください。

A:これは、高市総理が打ち出された、高市内閣として「強い経済」をつくる、そのために、危機管理投資、成長投資をやっていくと。やはり、これからの時代、半導体のニーズ、これは世界的に高まるわけですね、生成AIの普及とかに伴って。こういう世界的に見て、内外に課題を解決するような投資をやることで経済成長を目指すというのは、高市総理の基本的な考え方でありますから。ラピダスが世界最先端の半導体を製造するということを目指してやっている努力というのは、その高市総理が目指す流れのど真ん中にいるような取組だと考えています。当然17分野の成長分野の中でも筆頭格というか、その中で序列があるか、ちょっと総理から聞いたことはありませんが、AI・半導体、こういう分野でまちがいなく、本当に重要な取組であり、国家的プロジェクトであり、経済産業省としても必ず成功させたいと思っているということでございます。

メガバンク3行によるラピダスに対する融資

Q:ラピダスに関連して、昨日3つのメガバンクが合わせて2兆円の資金を提供するというような報道がありました。率直に、これに関する受け止めと、一方で、まだまだ必要な資金の金額に至ってないというような指摘もある中で、今後の経産省としての方針というか、受け止めを含めて教えてください。

A:メガバンク3行からラピダスに対し、融資の実施について検討を進める意向を示す法的拘束力のない意向表明書が発出されているということは承知しております。ただ、内容の詳細について、コメントは差し控えたいと思います。ラピダスの資金調達計画では、2兆円以上の民間融資の確保を目指すとされておりまして、政府としても情報処理促進法に基づく金融支援等を通じて、そうしたラピダスの取組を支援してまいりたいと考えております。

以上

最終更新日:2025年12月12日