2025年12月16日(火曜日)
10時00分~10時17分
於:本館10階記者会見室
冒頭発言
リヤド国際博覧会に対する公式参加
冒頭、私から2点申し上げます。
本日の閣議で、2030年リヤド国際博覧会に対する公式参加が閣議了解されました。同博覧会は、サウジアラビア王国リヤド市において、「あすを見通す力」をテーマに開催されます。国際社会における我が国への理解を一層深め、大阪・関西万博の成果を継承していけるよう、関係各省と協力をして準備を進めてまいります。
青森県東方沖を震源とする地震
それから2点目でありますが、12月8日に発生した青森県東方沖を震源とする地震についてであります。この地震により、負傷者47名などの被害が生じていると承知しております。被害に遭われた全ての皆様にお見舞いを申し上げるとともに、今日、資料をちょっとお配りしているかと思いますが、電力・ガス等のインフラについては供給上の問題はないと認識しております。また、北海道本州間の北本連系線のうち、全部で3回線ありますが2回線の設備に不具合が生じていたところ、そのうち1回線は14日に復旧、残る1回線の状況を確認し、復旧計画を検討中であります。前回お配りしたものと比べて一つ違っているのは、中小企業・小規模事業者のなりわい再建支援の中で、各地の商工会議所・商工会における被害情報は以下のとおり、青森県431件となっております。前回12日に発表した時点で262件と申し上げておりました。431件に増えています。また、特別相談窓口に寄せられた相談件数が12日の時点で10件となっていましたが、56件になっています。そして、北海道三陸沖後発地震注意情報、これは特別な注意の呼び掛け期間が本日で終了いたします。本日0時に終了したということになります。ただ、大規模地震発生の可能性が当然なくなったわけではない、日頃からの地震への備えを引き続き実施ということで、避難場所・避難経路の確認等を呼び掛けているところでございます。ただ、エネルギー、インフラの状況ですけど、先程申し上げたとおりで、発災後に2回線で設備に不具合が発生としていましたが、12月14日、日曜日に1回線復旧済みということで、もう1回線は詳細な状況を確認中であり、復旧計画を検討中であります。この後発地震注意情報の呼び掛け期間が終了したことをもって、このような形での御報告は今回が最後といたしますが、被災した中小企業・小規模事業者のなりわい再建の支援については、12月9日より相談窓口の設置及び資金繰り支援等を実施しているということであります。繰り返しになりますけど、特別な注意の呼び掛け期間は終了しましたが、「天災は忘れる間もなくやってくる」と。これ私が10年以上前からですけど、寺田寅彦さんが「天災は忘れた頃にやってくる」とおっしゃっていたのをちょっと変えて、「天災は忘れる間もなくやってくる」ということで呼び掛けを続けています。引き続き、避難場所、避難経路の確認等、日頃からの地震の備えに万全を期すようにお願いを申し上げたいと思います。防災コミュニティのある意味プロである我々にとっても、一般に他に仕事があって防災を仕事とされていない方たちにとっても、やっぱり平時にきちっと備えていたこと以外なかなか有事に役に立つものはなく、かつ、大体平時に備えていたことは有事になってみると足りなかったということが常態化しているというか、大体そういうものでありますので、是非平時から備えに努めていただきたいと思います。私からは以上です。
質疑応答
自民党によるメガソーラー支援廃止を求める提言
Q:話題替わりまして、幹事社から1問、メガソーラーの規制についてお尋ねをします。昨日、自民党がメガソーラー規制に関する合同部会を開催し、政府への提言案を取りまとめました。その中で、いわゆるFIT、FIPの制度についてのメガソーラー支援に関して、廃止を含めた検討という文言が盛り込まれたようです。経産省は、これまで再生可能エネルギーの導入を強く後押ししてきた立場でいらっしゃると思いますけれども、大臣の受け止めと今後の施策の方向性についてお考えをお聞かせください。
A:ありがとうございます。昨日開催された自民党の合同会議、これ関連部会が多くて全部で5部会の合同会議なんですが、メガソーラーの地域共生・規律強化に関する政府への提言案について議論がなされたものと承知しております。再エネの導入は御指摘のように、経産省、力を入れて進めてきてはおりますが、いつも申し上げているとおり、地域との共生が大前提であるということでありまして、政府としても不適切なメガソーラーに対して厳格に対応するという方針は共有しております。党からの意見はしっかりと受け止め、関係省庁との連携を図りつつ、年内には施策の取りまとめを目指したいと考えております。特に御指摘のFIT、FIP制度における太陽光発電の支援の在り方については、技術の進展状況、あるいは支援の必要性、更に言えば価格とかも含めて、関係審議会において議論を開始しておりますが、その検討を加速してまいりたいと考えております。
Q:今もありました太陽光発電の支援と規制の方向性についてお尋ねしたいんですけれども、まさに2040年のところでは太陽光発電、現在の2倍以上に当たる23%から29%まで増やすという目標もありますけれども、まさにその方向性といいますと、規制と支援というのは非常に難しい、両立していくところが一つ課題なのかなと思うんですけれども、そこについてどんなふうな塩梅で進めていきたいというふうに今、お考えでいらっしゃるのでしょうか。
A:再生可能エネルギーについては、繰り返しになりますが、地域との共生を図りながら導入拡大を進めていくという方針に変わりはありません。この方針の下、現在、関係省庁と連携して関係する規制の総点検を行い、法的に規制する施策について検討を進めております。国と自治体の連携の強化、太陽光発電事業に対する支援の在り方を含め、検討を加速し、年内には施策の取りまとめを行いたいと考えています。その上で、今後の太陽光発電の導入に当たっては、地域共生がしやすい屋根設置の太陽光発電のポテンシャルを積極的に活用すること、ペロブスカイトなどの次世代太陽光発電の開発・導入を支援していくという方向で考えております。こうした対策を通じて、電源構成で占める太陽光発電の割合を、先程おっしゃった2040年度に23%から29%程度とするという見通しに向けて、引き続き取り組んでまいりたいと考えています。
Q:もう一点、今おっしゃっていたような支援の見直しといいますか、廃止に向けた検討というのは新しく、おっしゃる切り替えは2027年度以降というところでお考えなんでしょうか。
A:FIT、FIP制度における太陽光発電の支援の在り方については、技術の進展状況や支援の必要性を含め、関係審議会ですね、これは再エネ特措法に基づく調達価格等算定委員会というものですが、そこにおいて議論を開始していきます※。その際、一般論として、太陽光発電事業の着手からFIT、FIP制度における認定までに、基本的には1年程度を要する中で、既に事業に着手している事業者の予見可能性への配慮などの観点も重要だと思いますので、特に慎重な検討を要するものと承知しております。いずれにせよ、そういった申し上げたような論点も踏まえ、念頭に置きながら検討を加速してまいりたいと考えております。
※ 実際の発言は「開始しております」でしたが、事実関係を踏まえ上記のとおり修正しました。
国産AIの開発に関する提言
Q:話題が変わって恐縮なんですけれども、国産AIの開発についてお伺いします。弊社の今日の朝刊で、国産AIの開発について提言を掲載いたしました。内容としましては、開発に当たって自律性の確保が必要ということ、日本社会に根づいた倫理観や価値観を反映させることが必要だなどというものです。提言についての御所感と、国産AIの必要性やAIと今後どのような向き合い方が求められるか御意見をお伺いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
A:今後、あらゆる分野にAIが導入され得る状況になってきましたね。産業競争力や経済安全保障の確保等の観点から、国内の事業者が競争力のある国産AIを開発することは大変重要であると思っています。その際、記事で御指摘の日本社会に根づいた倫理観、価値観、これを反映していく、そういう観点に留意することは非常に重要だと思っています。政府としても、AI基本計画の策定に向けて、先月行ったパブリックコメントにおいて、「日本の文化・習慣等も踏まえた信頼できる基盤モデルを開発」する方針を示しております。特に、経済産業省としては、AIの普及に向けて現場データが重要となる中で、日本が強みを持つ製造業や、高齢化、災害等の社会課題対応における貴重なデータを自ら活用し、国際競争力を持つ国産AIを開発・提供していく取組を促進していきます。これについては、もう10年以上前から私は言ってきたことなんですけど、ビッグデータ×AIの時代なので、日本の勝ち筋はどこにあるかといったら、高齢者と災害だということを私、10年以上前から申し上げているところです。要はビッグデータ×AIなので、AIが全てのデータを自分で世界中から探してくるわけではないので、どのビッグデータをAIに活用させるというか食べさせるというか、それはもう圧倒的に我が国は高齢者、そして災害、これが世界的水準で見ると多いわけです。そうすると、AIを活用して何をやるかといえば、極めてテーラーメイドで出来のいい介護のケアプランをつくる、それを例えば世界中に売るとか、どんな考え方でもですね。災害について言っても、AIを活用した災害対応の技術というかノウハウというか、そういうものを積み上げる、これはもう勝ち筋に決まっているので、そこで勝負をしろということはずっと申し上げているところです。逆に言えば、そういうものを使って、ビッグデータ×AIの時代に高齢者、災害といった勝ち筋で世界最高のものをつくり上げて、例えば、これから高齢化問題に悩むことになる日本の10倍の人口がある中国にそれを提供すれば、国富を間違いなく生みますし、世界平和にもつながっていくと思います。災害対応でも、例えばジャワの津波で30万人以上亡くなったとか、そういうようなところはあるわけですけど、日本のそういったAIを活用した災害対応の技術というのも、そういう災害に見舞われるいろんな国に提供していくというようなことは本気で考えていくべきことであると思っていまして、そういう流れから見ても、日本の強みをフルに生かす。それ以外にも、当然プロがいろいろ考えれば、命に関わるものづくりは圧倒的に世界の中で信用されている我が国ですよね。自動車の部品もそうですし、航空機の部品もそうなります。そういう勝ち筋をきちっと選び抜いて、そこでAIで勝負をかけるということは基本的な戦略になってくるというのは十数年以上前から申し上げていることなので改めて繰り返すのもなんですけど、私自身はそのように考えています。国産AIとおっしゃったことについては非常に重要な視点であると思います。
自民党によるメガソーラー支援廃止を求める提言
Q:先程の太陽光発電に関する質問を関連でさせていただきます。現在、調達価格等算定委員会で、大規模な太陽光発電については、既に2026年度までFIP、FIT制度の支援の対象であることが決まっているというふうに聞いておりまして、2027年度以降の支援の在り方について検討していくというふうに理解しているんですけれども、そういう理解でよろしいでしょうか。
A:その審議会の議論というのは、私が何か指示したり、内容について私が作るものではないので、その議論の方向がどうなるのかについて申し上げることは差し控えますが、少なくとも経産省としては、先程申し上げたように太陽光発電事業の、一般論としてですけど、着手からFIT、FIP制度における認定までに基本的には1年程度を要する中で、既に事業に着手している事業者の予見可能性への配慮等の観点は非常に重要であると思いますので、直ちにやめろとか、そういう議論が例えば出てきたとして、それは特に慎重な検討を要するのではないですかと受け止めるということはあるかと思います。いずれにしても、先程申し上げた2040年、23%から29%程度だったですかね、書かれている目標に向けて、いろんな地域の理解とか大前提はしっかり満たしながら促進をしていきたいと思っております。
最終更新日:2025年12月16日