2026年3月10日(火曜日)
17時00分~17時14分
於:本館10階記者会見室
冒頭発言
東日本大震災及び東京電力福島第一原子力発電所事故から15年
初めに私から1点申し上げます。明日で、東日本大震災及び東京電力福島第一原子力発電所事故から15年を迎えます。最愛の御家族や御親族、御友人を失われた皆様の悲しみと苦しみに思いを致しますと、本当に、今なお胸が締め付けられる思いであり、哀悼の念に堪えません。私自身、津波で亡くなられた奥様の体にすがって泣き叫んでおられる御主人という映像を今でも思い出します。この災害で、最愛の御家族や御親族、御友人を失われるというのは、さよならを言ういとまも与えられないということで、最も残酷なお別れの一つだと思っています。私自身が防災をライフワークにして、絶対に犠牲者を減らしたいというような思いに強くなったということもあります。本当に特別な思いで、3・11をまた迎えるということになります。経済産業省として、東京電力福島第一原子力発電所の安全かつ着実な廃炉と福島復興、これは省の最優先課題、最重要課題として取り組んできております。御地元の皆様や関係者の御尽力により、この15年で福島の復興は着実に前進している一方、廃炉や避難指示解除に向けた取組、産業復興など、引き続き、長きにわたる戦いが続きます。経済産業省として、最後まで責任を持って取り組むとともに風化させることなく、次世代にこれまでの経験や取組を継承してまいります。諸般の事情が許せば、明日は福島県主催の東日本大震災追悼復興祈念式に出席いたします。今後とも一日も早い復興の実現に向け、被災者の皆様に寄り添いながら、全力で取り組んでまいります。
質疑応答
イラン情勢の影響による石油備蓄放出
Q:石油備蓄放出関連で2点伺います。1点目は、9日、昨日夜のG7財務大臣会合では、IEAの事務局長から石油備蓄の放出に取り組むべきとG7に指示がありました。片山財務大臣は担当閣僚での議論についても言及されていましたが、エネルギー担当大臣会合の開催見通しについて教えてください。また、経産省として今後IEAやG7とどう連携して放出に向けた準備を進めるか、放出する場合、単独ではなく協調放出が有力でしょうか。教えてください。2点目はホルムズ海峡の事実上の封鎖から10日経ちました。中東からの輸送には20日ほど掛かるため、あと10日ほどで供給が止まる可能性があります。いつ頃までに放出を決める必要があるとお考えでしょうか。
A:幾つかまとめて聞かれたので、こちらもまとめてお答えをするので、答えが漏れていたら、それはちょっと指摘をしてください。まず、中東から我が国へ向かう原油タンカーについて、ホルムズ海峡の通行を見合わせ、ペルシャ湾内で待機する事態が生じてから約10日が経過しています。一般に、中東から我が国への原油の輸送には20日程度を要することから、あと10日程度で我が国に到達する原油タンカーは大きく減少する可能性があります。石油備蓄の活用のタイミングについては、予断をもったコメントすることは差し控えますが、中東情勢も注視しつつ、あらゆる可能性を排除せずに、エネルギー安定供給の確保に万全を期してまいります。それから、昨日のG7財務大臣会合において、「備蓄放出など、世界的なエネルギー供給支援を含む、必要な措置を講じる用意がある」旨の共同声明が発出されたと承知しております。国際エネルギー市場の安定化に向け、IEAやG7など国際社会との連携が重要であります。昨日は、そのG7財務大臣会合に出席していたビロルIEA事務局長ですけども、その会合が終わった後で、23時半過ぎから私と差しで会談を持ちました。私、ビロルIEA事務局長とのオンライン会談を行ったところです。今夜には、G7エネルギー大臣会合にもオンライン参加をする予定ですので、引き続き、緊密に連携してまいります。今後の具体的な対応については、引き続き議論中でありますが、IEA加盟国による備蓄の協調放出、これは、国際市場の安定化に向けて有効な手段であると考えております。なお、片山大臣とは、会合が終わられたときに私からお電話を差し上げて、昨晩のG7財務大臣会合の直後に連絡を取り合ったということで、会合の中身はよくお互い共有をしているところです。引き続き、しっかりと連携していくことを確認しました。中東情勢の推移を注視しつつ、我が国のエネルギー安定供給確保に向けて万全を期してまいりたいと考えております。
Q:ありがとうございます。後段に関して追加で伺わせてください。
先ほど、エネルギー大臣会合が今晩開かれるということで説明いただいたかと思うんですけれども、大臣が出席されて、ビロル氏も出席されるということでよろしかったでしょうか。確認させてください。あと具体的にどういったことを議論される予定か伺わせてください。
A:今夜のG7エネルギー大臣会合では、イランをめぐる中東情勢及び備蓄放出も含む市場安定化に向けた対応について議論をするものと承知しております。今後の対応については、引き続き議論中でありますが、国際原油市場の逼迫の懸念が高まっている現下の情勢に鑑みればですね、IEAの下での協調放出について我が国は指示をする立場です。引き続き、IEAやG7と緊密に連携して対応してまいります。なお、G7エネルギー大臣会合を今晩開催予定ですが、ビロル事務局長も参加する予定であると承知しております。
防災庁の意義や期待
Q:大臣の冒頭発言でもありましたけれども、東日本大震災から15年ということで、政府の方が、今国会に防災庁の設置法案を提出予定されております。石破政権下で防災庁の設置準備担当大臣だったお立場として、改めて防災庁の設置の意義であるとか、期待されることをお伺いできればと思います。
A:何度か記者の皆様にも話したことあるかと思いますが、私自身は、昭和59年に旧運輸省に入省、航空局にいたしました。翌年2年生の私が経験したのは御巣鷹山の事故です。それ以来、とにかく多くの犠牲者が出る事件、事故、災害を誰よりも憎む、こういう行政マンであり政治家であると思っています。防災は私のライフワークです。国家の生命線に関わる課題とも思い、また、東日本大震災の犠牲者、その御家族にさらに決意を新たにしたようなところがあって、心血を注いで取り組んできています。やっぱり職業人人生のかなりの部分を30万人の方が亡くなるという、いまだに想定の南海トラフの地震で犠牲者をどれだけ減らせるか。何人単位で減らすと。限りなくゼロに近づけたいという思いで取り組んできています。私自身、前職で担当大臣として防災庁設置準備担当という役目を頂き、道筋をつけるべく全力で取り組んでまいりました。その設置法案が、3月6日金曜日に閣議決定され国会に提出されたことは一つの節目であり、私にとっては大変感慨深いものであります。現在は牧野大臣が担当しておられることもあり、防災庁の意義の詳細を述べることはお譲りしたいと思いますが、国会での議論を経て、防災庁設置が実現し、徹底した事前防災、そして、発災時から復旧・復興までの一貫した災害対応の「司令塔」機能、これを果たす、そういう防災庁がしっかりと設置され、機能することを心から期待しております。
ガソリン、電気・ガス料金への補助
Q:昨日の衆院予算委で、高市早苗総理がガソリン、電気、ガスの補助について答弁をされていると思います。高市首相は許容範囲を超えるようなレベルにならないような対策、現在使える基金も含めて対応を考えているということ、そういう答弁をしておりますが、現状の検討状況についてお伺いできますでしょうか。
A:今般のイラン情勢を受けて、原油価格が足下で高騰する中、今週に入り、皆さんも御案内の1バレル120ドルに迫る局面もありました。その上で、原油価格は中東情勢のみならず、世界経済やエネルギーの需給動向など、様々な要因を踏まえ、市場で決まるものと承知しており、原油価格・ガソリン価格の今後の動向について、予断を持ったコメントはなかなかできるところではないと思っています。一方で、電気・ガス料金については、2から4か月前の燃料輸入価格を参照して価格が決定されることが一般であるため、直ちに上昇するということではないという認識も持っております。その上で、エネルギーの安定供給確保や原油価格高騰については、昨日御指摘のとおり総理からも、「既に原油調達先の拡大や国内のガソリン価格などの価格安定に向けた対応を検討するなど、内閣として動いている」との答弁がありました。既存の基金の活用についても言及されたと承知しています。経済産業省としても、引き続き、中東情勢が経済に与える影響を注視しつつ、国民生活や経済活動への影響を最小限に抑えるため、必要な対応を機動的に講じてまいりたいと考えております。
ロシア産原油
Q:エネルギー政策の観点で1点お伺いさせていただきます。エネルギー供給確保の観点から、ロシア産の原油の輸入というのは、政府として何か御検討されていたり、進捗はございますでしょうか。
A:エネルギーについて言えば、これはエネルギー制約なしに経済活動をやってもらう、あるいは国民生活を送っていただくということが非常に重要だと思っております。そういう意味で、いろんな検討をしておりますが、どこからエネルギーの供給を受けるかということについては地政学的な問題もありますし、これまでのいろんな各国との関係の積み上げもございます。そういった中で、ロシア産の原油について使うというか、利用を拡大するという御趣旨かと思いますけど、我々、それについては特に現時点で何かコメントできることがあるわけではありません。
G7エネルギー大臣会合
Q:今夜あるG7エネルギー大臣会合は、日本側としてはどういったお話をされる予定なのか、要望される予定なのか、お考えがあれば伺います。あと備蓄の放出がもし必要な場合に、どのくらいの規模が必要なのかということについて、現時点でのお考えがあれば伺えますでしょうか。
A:まず、どういう発言をするかについて言えば、我が国は、原油がホルムズ海峡、輸入の中の93%を通っている。LNGは6%通っているという現実があります。LNGの方が、多少多角化が進んでいるというところはありますけども、こちらは備蓄が難しいので、備蓄が少ないという意味で。とにかくいずれにしても、今後、事態の推移次第では、我が国の経済は大きな影響を受ける可能性があるということであります。国内でも懸念が非常に高まっていることもありますし、私どもとしても、事態を注視しているということについて、きちっとその場で申し上げた上で。先ほど申し上げたように、エネルギー大臣会合において、IEAの協調放出みたいなものも議論になると思いますので、我が国としては、それを支持する立場であるということは申し上げたいと思っています。
最終更新日:2026年3月11日