2026年3月13日(金曜日)
12時25分~12時47分
於:本館10階記者会見室
冒頭発言
産業技術力強化法の一部を改正する法律案の閣議決定
初めに私から1点申し上げます。本日、「産業技術力強化法の一部を改正する法律案」を閣議決定いたしました。近年、研究開発の成果が急速に社会実装される「科学とビジネスの近接化」の時代に入り、イノベーション政策の国際競争が激化していることを踏まえ、我が国としても、戦略的に重要な技術を特定し、その研究開発を重点的に支援することが必要です。このため、本法案では、重点産業技術を指定し、その技術に関し、事業者の研究開発計画及び研究開発機関が有する拠点の認定制度を創設します。そして、認定計画に基づく研究開発に対して税制の特例措置を講じるなど、各種の施策を講じます。詳細につきましては、後ほど事務方から説明させていただきます。私からは以上です。
質疑応答
イラン情勢の影響による石油備蓄放出
Q:私からイラン情勢について1点伺います。高市総理は、11日、約8,000万バレルの石油備蓄協調放出とガソリン補助の再開を表明されました。また、IEA加盟国は同日4億バレルの備蓄協調放出で合意をしています。供給不安の解消へ抑制効果は限定的との見方もありますが、改めて取組の意義や目的を伺わせてください。あわせて備蓄放出について今後の予定、見通しもお願いします。
A:原油タンカーがホルムズ海峡を事実上通れない状況が続く中、今月下旬以降、我が国への原油輸入は大幅に減少する見込みでございます。このため、総理の御指示を受けて、万が一にも石油製品の供給に支障が生じないよう、G7各国やIEAとも連携しながら、我が国が先行して、今月16日の月曜日以降、備蓄放出を行います。まずは、民間備蓄15日分を放出するとともに、当面1か月分の国家備蓄を3月下旬頃から放出いたします。また、11日の水曜日にIEAから発表がありました石油備蓄の協調放出に関しては、今後の放出量の割当てや放出のタイミングについて調整を行ってまいります。また、今週に入り、原油価格が1バレル120ドルに高騰する局面も生じたことから、総理の御指示を受けて、国民生活と経済活動を守り抜くために、緊急的な激変緩和措置を早急に実施することといたしました。燃料油価格激変緩和基金を活用し、今月の19日木曜日から、ガソリンについて、小売価格を全国平均で170円程度に抑制するための補助を行うとともに、軽油、重油、灯油にはガソリンと同額の補助、航空機燃料にはガソリンの4割に相当する額を補助してまいります。引き続き、我が国のエネルギー安定供給確保に万全を期していくとともに、中東情勢が経済に与える影響を注視しつつ、国民生活や経済活動への影響を最小限に抑えるため、必要な対応を機動的に講じてまいります。あわせて、燃料油や石油製品等の供給について影響が生じてしまった場合に備えて、国民の皆様から情報提供いただく連絡先を早急に設置したいと思っています。詳細は改めてお知らせしたいと思います。
Q:石油備蓄放出の関連で大きく3点伺います。1点目は、民間備蓄からの放出もありますが、民間備蓄で確保する義務量を引き下げるのはいつ頃になりますでしょうか。それから、2点目は全国10か所ある国家備蓄のタンクのうち、どこの地域のタンクから放出を予定しておりますでしょうか。3点目は国家備蓄の売渡しは随意契約とのことですが、企業を選ぶ際の基準はどのようなものになりますでしょうか、それから随意契約の際に海外勢から依頼があった場合もその契約を結べるということでしょうか。以上3点お願いいたします。
A:総理の御指示を受けて、今月16日月曜日にも放出を行うことを決定しました。まずは、民間備蓄15日分を放出するとともに、当面1か月分の国家備蓄を放出するというのは先ほど申し上げたとおりです。具体的には、今月16日月曜日にも民間備蓄水準を現行の70日から55日に引き下げるための告示を発出し、機能性に優れる民間備蓄の活用による初動対応を可能といたします。また、国家備蓄の放出については、事業者との契約が整い次第、備蓄を放出する基地等について公表することといたします。その際、国家備蓄の放出には、緊急の必要があることから、随意契約を行うことを想定しております。契約価格については、法令で、取引の実例価格等を考慮して適正に定めなければならないとされていることなどを踏まえ、備蓄放出決定時の1か月前の産油国が公表している公式販売価格で譲渡する予定でございます。また、今般の放出は石油備蓄法第31条に基づき、石油の安定的な供給を確保するために行うことであり、なおかつ随意契約でありますので、売却先は国内の石油精製事業者を想定しております。
米国通商法第301条による調査
Q:米国の関税措置について伺います。USTRが通商法301条による調査を開始しました。製造業の過剰な生産能力などについて調査する見込みで日本も対象となっており、結果次第では追加関税が課せられる可能性があります。大臣は先日の訪米で301条の措置については日米間の合意以上に追加的な措置を日本に対して求めないようラトニック商務長官に伝えましたが、今回USTRの調査対象となったことへの受け止めと今後の対応を伺います。
A:御指摘の発表については承知しております。現時点で米国の今後の対応を予断することはできませんが、グリア通商代表は、「米国とのこれまでの通商合意は有効であり、今後とも維持される。私たちはそれらを遵守する。」と発言したと承知しております。また、私自身、先日ラトニック商務長官との会談で、日米双方が、引き続き、昨年の日米間の合意を実施していく旨を改めて確認するとともに、通商法301条に基づく措置についても、昨年の日米間の合意より不利になることはないようにすることなどを改めて申し入れたところであります。その上で、昨年の日米間の合意は日米の相互利益の促進、経済安全保障の確保、経済成長の促進につながるものであり、我が国として合意を着実に実施していく考えでありますし、同時に米国に対しても合意を着実に実施するよう求めてまいります。なお、両国はお互い特別なパートナーと認めて合意が成り立ち、それに基づいて前に進もうとしているわけでありますので、その点は御理解をいただきたいと思います。
原油調達の多角化
Q:原油の関係で、総理は先日、国会で化石燃料の調達の多角化に取り組んでいるという旨をおっしゃっておりましたけれども、例えば最大の産油国である米国に日本への輸出拡大を要請するというようなことはあるのでしょうか。また、調達先の多様化に向けた民間へのサポートも含めて、何かこういう取組をしているということがあれば教えてください。
A:代替調達先については、民間事業者の皆様があらゆる選択肢を排除せずに検討を進めておられるものと承知しています。具体的には、御指摘のありました供給余力に優れる米国をはじめサウジアラビア、UAEについても、パイプラインを用いたホルムズ海峡の代替ルートによる調達も検討していると認識しております。さらに、過去、調達実績があり、増産余力のある中央アジアや南米についても検討を進めているということでございます。政府としても民間事業者の皆様と一体となって、代替調達先の確保に全力を尽くしてまいります。
イラン情勢の影響による石油備蓄放出
Q:先ほど、国家備蓄については放出決定1か月前の産油国の公式販売価格で売り渡すとおっしゃいましたけれども、こちらについてお伺いさせてください。イラン戦争で原油価格が高騰する中、結果として石油の元売り各社が非常に大きな利益を得てしまう可能性はないのでしょうか、そうした状況を想定して制度設計や何らかの工夫をされる御予定であれば教えてください。もう一つが、石油製品は連産品で国内需要だけでは消化しきれない場合もあると思うのですけれども、その場合は海外へ輸出されるケースも従来あります。今回放出される原油からつくられた石油製品の一部が輸出に回ることで政策効果が薄れる可能性についてどのようにお考えか教えてください。以上です。
A:1番目におっしゃったのをもう一度、すみません。
Q:1か月前の産油国の公式販売価格、OSPで売り渡すと大臣おっしゃいましたけれども、現状足元でイラン戦争前に比べて原油価格は高騰していますので、結果として割安な販売価格で譲渡して、石油の元売り各社が大きな利益を得てしまうような可能性はないのかという点と、そういった状況を想定して制度設計で何らかの工夫をされる御予定であれば教えてください。
A:まず、当然ながら、中東情勢が変わる前の状態の価格をベースに、我々としては譲渡する予定でありますので、元売り各社に対しても、それをベースとした価格で販売してもらうということの想定は当然しています。基本的には、一番大きいのは、供給の安定のためにやっていて、必ずしも価格を念頭に置いて、それが上がったから発動する。それを下げるためにということではないというのが法の趣旨ではありますけれども。しかしながら、今おっしゃったような点も含めて、我々が供給した価格を基本的にはベースとして、何かしら今回の中東情勢の変化があったから安い価格で入れられたけれども、高い価格で売って利益が生じましたということは、我々としては想定していないということは申し上げておきたいと思います。その辺は、元売り各社とよく連絡を取り合いながら、国民の皆様方から見ても納得のできる備蓄の放出になるように、しっかりそこは理解を得ながらやっていきたいと思います。それから、2番目が、もう一度すみません。
Q:石油製品は連産品なので、国内需要だけでは消化しきれない場合があると思うのですけれども。
A:そこについては、我々としては繰り返しになりますが、法の趣旨が供給の安定ということなので、過不足のないものを放出していくというつもりではありますけれども、しかしながら、過去には例もあったということでおっしゃっておりますが、それについては実際精製をした結果できた石油製品、もし需要が十分ないというようなことであれば、外国に出ていくことについても、制度としては否定されるものではない、禁止がされているようなものではないということは申し上げておきたいと思います。
米国通商法第301条による調査
Q:先ほど質問がありました、米国通商代表が11日に発表しました過剰生産に関する通商法301条調査とは別件で、12日に、日本を含む60か国、地域に対して、強制労働への対応不備についても通商法301条に基づく調査を発動しました。新たな調査について改めて経済産業省の対応をお聞かせいただければ幸いです。
A:私の承知しているところでは、過剰生産と強制労働の2つについて少なくとも調査するという発表があったと承知しています。それで、受け止めということですけれども、先ほど申し上げたことと特に変わりはありませんで。特に改めて申し上げておくと、301条に基づいて調査がかかったというと、制度の趣旨からいって何か不公正なことをやっているとか、そういう感じの調査という感じになりますが、一応マスコミの皆様にもチェックしておいてほしいのは、対象となっている国、例えば今おっしゃった60か国ということでいうと、中にはEUも入ってまいります。オーストラリア、カナダとか、それと並んで日本は入っているわけで、そういう国々も全部一緒になって、過剰生産だ、強制労働だということは、米国から調査がかかるということなので。少なくとも、事実関係としては何か日本だけが狙い撃ちにされてというようなものとはちょっと、その対象国の数とかどこかということも含めて、日本を狙い撃ちというような感じには受け止めてはいません。 その上で申し上げれば、先ほどの繰り返しになりますけれども、グリア代表は「米国とのこれまでの通商法は有効であり、今後も維持される。私たちはそれを遵守する。」と発言しておられますし、私自身もラトニック長官に対して、日米双方が、引き続き、昨年の日米間の合意を実施していく旨を改めて確認しましたし、通商法301条に基づく措置、調査が出て、調査の結果に基づいて何かしらされる余地があるわけですけれども、昨年の日米間の合意より不利になることがないようにすることを改めて申し入れたところです。
イラン情勢の影響による石油備蓄放出
Q:備蓄放出の件で私は大きく2点伺えればと思います。1点目は価格についてなんですけれども、これは大臣、昨日の予算委員会の中で、国家備蓄については1か月前の公式価格と言っておられますが、これはWTIの価格というような認識でよいのかというところが1点と、あと、民間備蓄の価格はどうなるかというところが、まず1点価格で伺いたいと思います。2点目がスケジュール感についてなんですけれども、民間備蓄の放出は「16日にも」という表現だったと思うんですが、16日に行われるという認識でよいのかというところと、これは16日に行われるとした場合には、全国一斉にそれが、放出が行われるという理解なのか、あるいは順次という理解なのか、併せて話を頂ければと思います。
A:まず、私自身が理解しているところでは、価格については備蓄放出決定時の1か月前の産油国が公表している公式販売価格で譲渡するということの趣旨は、先ほど申し上げたように、中東情勢の変化がある前の状態の価格ということが公正だろうという判断をしているということになります。その上で、民間がどうやって価格を決めるかとか、その辺りについては、ちょっと今事務方が調べると思うので、それに応じてお答えをしたいと思います。それから、もう一つおっしゃっていたのは、ごめんなさい。
Q:民間備蓄の放出で16日にもという表現だったんですけれども、16日という。
A:その点は、今、民間の備蓄って実は静的に溜めてあるものではないんです。国家備蓄と性格が違って、民間の備蓄というのは常に原油が半分、精製した製品が半分ぐらい。イメージですよ。そこがローリングしながら、備蓄と言いながら、実際その中のものをどんどん精製しながらいっていて、年末に向けては、実は油を使う時期なので、その備蓄量がちょっと、事実上101日と言っているものが大分落ちていっていたりとか、いろんなことがあって、その時々の状況に応じて。タンクごとに、民間の事業者さんごとに状況が違うので、その辺、足並みがそろうのかどうかも、ちょっと私自身は必ずしもほぼその時期に始まれば、多少足並みがそろわなくてもおかしいものではないというか、そういうものだと、ちょっと国家備蓄と違うんですね。我々は原油をある意味タンクに溜めておくだけど、民間の方たちはまさに、どんどん精製しながら、それで一定量維持しているという感じの備蓄の仕方になってくるので。利用者さんごとの状況に応じてですね、タイミングも少し違いが出てくると思いますし、もしかすると価格とかもちょっと違っておかしくないのかもしれない。それぞれ仕入れたときの価格に応じて、どういう場所で精製しているかによってもちょっと違ってくる可能性はありますし、その辺はちょっと民間備蓄の方は千差万別ということはあり得ると思う。あと、WTIとは、国が放出する価格について、それとは違うものである、同じではないということだと思います。今申し上げたことで間違いないと思います。民間の備蓄はそれぞれが、本当にそこはローリングしながら、まさに精製して売り出すという一連の流れの中で持っている備蓄ということになるので、それぞれがそれぞれの事情に応じて、タイミングも若干ずれることはありますし、価格についても若干違いがある。国の側は、先ほど申し上げたように、WTIではないけれども、備蓄放出決定時の1か月前の産油国が公表している公式販売価格で譲渡するという予定です。
Q:その公式販売価格が何なのかというのは。
A:それはもちろん、実際にいくらというのが決まれば、それについてはお話できるだろうと思います。ただ、現時点で私自身がその価格を知っているわけではないので、改めてお話させていただければと思います。
日米戦略的投資イニシアティブ
Q:日米首脳会談の日程が煮詰まりつつあるということなので、対米投融資について追加で伺いたいんですけれども、第2弾案件の決定の進捗具合を教えてください。ディスプレイ工場なんかが実際に案件に入っているのか、その辺はいかがでしょうか。
A:戦略的投資イニシアティブについてはいろいろ報道がなされていることは承知しておりますが、具体的にいつどのような案件が組成されるかに関しては予断をもってコメントすることは差し控えたいと思います。実際に本当にプロジェクトをやっていくに当たっては、採算性とか、ああいうものは本当にキャッシュフローを見ながら判断していくぐらいのきちっとしたプロセスですので、それがこの関係者が納得できるものがいつできるかとか、そういうことも含めて、なかなか「えいや」でできるものではありませんので、予断をもってコメントすることは差し控えたいと思います。
以上
最終更新日:2026年3月13日