2026年3月24日(火曜日)
11時27分~11時51分
於:本館10階記者会見室
冒頭発言
電気事業法の一部を改正する法律案
初めに私から2点申し上げます。1点目です。本日、「電気事業法の一部を改正する法律案」を閣議決定いたしました。国際的なエネルギー情勢が変化する一方、国内では電力需要の増加が見込まれています。こうした中で電力の安定供給を確保するためには、大規模な電力インフラの整備の促進や、メガソーラーを含む太陽電池発電設備の安全性の向上を図ることが重要です。このため、本法案では、電力広域機関による財政投融資を活用した大規模送電線・大規模電源への貸付けや、太陽電池発電設備を第三者機関による安全性確認の対象とするといった措置を講じます。詳細につきましては、後ほど事務方から説明させていただきます。
石油備蓄の放出
2点目になります。石油備蓄について3月11日水曜日の総理の御指示を踏まえ、先週16日月曜日から実施している15日分の民間備蓄の放出に加え、今週26日木曜日から約1か月分の国家備蓄原油の放出を開始いたします。また、産油国共同備蓄についても、今週、我が国の元売事業者が産油国企業と合計約5日分の原油の売買契約を結び、3月中に放出が始まる予定です。さらに、サウジアラビアの紅海側のヤンブー港やUAEのフジャイラ港からの積出し、あるいは米国からの調達量拡大など、ホルムズ海峡を経由しない代替ルートからの調達を拡大する動きも進めております。3月28日土曜日にも、事態発生後、ホルムズ海峡の外から出発したタンカーが、初めて我が国に到着する見込みとなっています。また、先週3月19日木曜からガソリン等の燃料価格を抑制するための補助を開始したところであり、既にガソリンスタンドでは値下げの動きが見られますが、今週から来週にかけて、全国平均の小売価格は170円程度に低下していきます。こうした取組を通じて、引き続き状況を注視しつつ、我が国のエネルギー安定供給の確保に万全を期してまいります。詳細は後ほど事務方から説明をさせます。私からは以上です。
質疑応答
石油備蓄の放出
Q:2点目の冒頭発言の関連で伺わせてください。IEAは石油備蓄の協調放出で日本は7,980万バレルが割り当てられました。冒頭でも御発言あったとおり、民間備蓄の放出と国家備蓄も26日から放出されるということですが、国家備蓄も併せて放出される意義を改めて教えてください。また、IEAは各国にエネルギー節約策を提言しました。日本として石油消費を抑えるための呼び掛けや施策というのを考えられていますでしょうか。教えてください。
A:まず、備蓄については、前に認識を共有しようということで、ちょっと御説明したことがあったかと思いますが、民間備蓄と呼ばれるものは、イメージ的にいうとローリングしています。常に持っているものの半分ぐらいは精製した結果、石油製品になっている形で、半分は原油のまま備蓄しているということです。その両方を併せて民間備蓄と呼んでおりますが、国家備蓄はもう精製せずにタンクの中に原油として持たれている割合がものすごく高いわけですね。なので、備蓄を放出するとなったときにいきなり原油を出してもみんな使えませんので、大体ローリングして、民間が常に半分ぐらいは製品の状態で持っているものから放出を始めて、国家備蓄の体制が整うと契約して、どこにどれぐらい放出するみたいなことが決まると、国家備蓄はそれを追い掛けるというのが定常のパターンであります。なので、国家備蓄を出す意味とおっしゃったけれども、端的に言うと民間備蓄も国家備蓄も同じ石油ですので、国民の生活や経済活動をしっかり回していくために、いずれも同じ価値のあるものですが、そういった事情から、まず民間備蓄を放出し、その後、国家備蓄が続くということになっているものです。更に申し上げれば、約8,000万バレルということですけれども、これはIEAとも連携し、協調放出がありますね。それが4億バレルの割当てのうち日本の割当てが約8,000万バレルで、それに当たるものというのが、まさに今回の民間備蓄と国家備蓄の放出をトータルしたものがちょうど8,000万バレルぐらいに当たるので、そういう意味にもなります。先ほど申し上げたとおり、今週26日から約1か月分の国家備蓄の放出を開始します。IEAの報告書については、もちろん承知しております。各国が取り得る対策の例を提示しているものであり、省エネルギーの取組の進展度合いは国ごとに状況が異なるものと承知しております。なお、現状我が国における石油需給について直ちに影響が生じているとは認識しておりません。今後とも状況を注視しつつ、引き続き、あらゆる可能性を排除せず、我が国のエネルギー安定供給確保に万全を期してまいりたいと思います。その上で一言コメントをすれば、全体として我が国の国内にある原油の量というのは、需要を満たすに足るものではあるんですが、いろんな意味で偏りというか、目詰まりといっていいか、特定のスタンドで見たら高いみたいなことが起きたりしていることもあるので。そういうところについては、既に御説明しているとおり、例えば、買占めとか売惜しみとか、いろんなことを情報があれば提供をお願いしますということを国民の皆様に呼び掛けているところでありまして。寄せられる情報を分析しながら、適宜何か働きかけを私どもでした方がいうようなことがあれば、それは努めてまいりたいと思っております。
Q:冒頭にも大臣がおっしゃられましたように、3月28日土曜日にイラン情勢が悪化してから初めての日本のタンカーが日本に到着ということだったんですけど、現時点でこれ、どこの社名のものなのかという情報を開示できる範囲でお伺いしたいのと、それからこれだけ情勢が、緊張が続く中で、やっと1隻目が到着するということだと思うんですけど、今後ホルムズ海峡を、しっかりと安全を確保して、どのようにペースと量というのをタンカーが日本に到着するのをスムーズにしていきたいのか、その取組というのをどう取り組まれていくのかというのをお伺いできますでしょうか。よろしくお願いいたします。
A:まず一般的に、社名を抜いたお話をいたしますが、それぞれ申し上げたように、サウジアラビアの国を東西に横断して、ペルシャ湾だとホルムズ海峡を通らなきゃいけないんで、反対側の紅海に面しているヤンブー港というところから出している。現時点において、実は代替調達をするということになって調達したものではありません。端的に言うと、2月28日に事が起きたと思いますが、既に2隻、今我々把握しているのは、社名は言っていいかどうかよく分からないので確認いたしますが、2月28日の翌日3月1日に、それぞれサウジアラビア東西に渡って、ペルシャ湾じゃなくて紅海側から出てきてヤンブー港から出たものと、あと同じペルシャ湾ですけどホルムズ海峡を通り過ぎたところのフジャイラですね、UAEの。それぞれ3月1日に出ているんですね。これはもう何か事が起きた後で代替調達を進めた結果出てきたものではなくて、そもそもフジャイラとヤンブーから積み出すということが確定していたものが今、我が国に向かっている。片方は3月28日ですし、片方は4月5日頃に到着。その後も、実は更に違う国から日本に向かっているタンカーもあるということで、それぞれ代替調達の動きはあるということで。申し訳ないです、社名はお知らせできないので、私どもは当然把握しておりますが、2社ほどのタンカーなんですね。事が起きた2月28日の翌日3月1日に、それぞれヤンブー港、フジャイラ港を出てですね、日本に向かっている。片方は3月28日、片方は4月5日の見込みで到着をするということで、当然ながら、それ以外にも我々は代替調達を努力中でありますということを申し上げておきたいと思います。
Q:関連で申し訳ないんですけど、すみません、私の不勉強で。これじゃ、2隻ともホルムズ海峡を通過して日本に向かっているという解釈でよろしいんですか。
A:違います。ペルシャ湾の方からですけど、ペルシャ湾側から出るとホルムズ海峡を通らなきゃいけないけど、わざわざパイプラインで国を東西に横断した反対側から出しているわけです、ヤンブー港から。紅海なので、逆に言えば、新たに通らなきゃいけないところが出てきちゃう。ヤンブー港に出た場合はですね、バブ・エル・マンデブ海峡。ホルムズ海峡に当たるものは紅海の出口のバブ・エル・マンデブ海峡を通ってアデン湾に抜けていくということです。その後、アラビア海に出て、我が国に向かうということになります。それから、フジャイラ港は本当に際どいところで、ホルムズ海峡を通り過ぎた、ペルシャ湾があってホルムズ海峡を通り過ぎたところということで、ホルムズ海峡を通らなくて済む。
Q:大臣、初めてとおっしゃったのは、このイラン戦争始まってから中東からオイルタンカーが日本に来る、タンカーが日本に到着するのが初めて。
A:はい、そういう意味です。
Q:はい、分かりました。ありがとうございます。
A:せっかくの御質問なのでついでに申し上げておくと、それ以外にも、中東でない国から代替調達じゃないですけど、既にもう予定していたんだと思いますが、タンカーが出て我が国を目指しているものがあり、それは4月25日に到着予定です。そういう意味で、今3隻、もう既に。代替調達ではありませんけど、ホルムズ海峡経由ではないものが我が国に向かっているということであります。
Q:国家備蓄の放出についてなんですけれども、地域の方々からすると、自分たちのタンクから出るのかなというのが気になるところかなと思うんですけれども、ここのタンクから出しますという場所、位置が決まっていたら教えていただきたいなというところと、これから26日からどういった基準で、どういったスケジュール感で順次放出していくのかというところが分かっていればお願いいたします。
A:これは決まっておりますが、結構詳細に決まっていて、何か詳細に申し上げるようなものではないと思っていますけど、そんなところです。確認して、御連絡してよければ、また後ほど差し上げますが。一応決めるんです。放出といっても、要するに民間のタンクに移すという話なので、それを受け取った民間のタンクは、大体そこに製油所がついているので、精製して石油製品にしているということで。そうすると、そのタンクの空き具合、今の時期について、たまたまこれも情報共有で言っておくと民間備蓄は101日と言われますが、それは大体年間平均するとそれぐらいということだと理解していまして、冬場の燃油を使う時期になると、やっぱりローリングしながら精製されている部分がどんどん市中に出てくるので、実際は101と言いながら、七、八十日分ぐらいになっていくんです、冬は。というような状況で、タンクが空いているところを選んで、じゃ、ここに卸そうみたいなことを、まさに石油連盟ですかね、相談する場所というのは。石油連盟の中にワーキンググループができて、各社が集まって、国の関係者もオブザーバー的に参加しながら話をして決めていくということであります。
Q:ありがとうございます。もう一点、石油連盟、昨日の会見でも話していたんですけれども、5月以降も備蓄、政府の方で放出をしてほしいというふうに要請したいという考えを示しました。これについては、大臣の方はどういうふうにお考えでしょうか。
A:特に現時点で決まっていることはありません。ただ、当然のことながら、何のために我々は備蓄しているのかといえば、日本国民の生活や経済活動に、いざというときに支障を生じないようにという目的でしているわけで、前にもお話ししたと思いますが、価格が上がったら出すという類のものではありませんけれども、石油供給が不足しそうだと思えば、我々、そこはもう国民生活、経済を支えるために出すという類のものとして持っているわけです。ただ、具体的に現時点で決まっていることはございません。
Q:冒頭でお話のあった産油国共同備蓄の売買契約による放出について伺います。5日分ということですけれども、これはもう備蓄している全部、原材料の全量ということなのかということと、今このタイミングで放出する狙いについて教えてください。
A:まず、全量かということについては、自分がもし違っていたら訂正してくれればいいんですが、全量ではないと思います。ただ、トータルとして5日分ということなので。前にもお話ししたかと思いますが、産油国の共同備蓄というのはトータルで7日分あるはずなので全量ではないということですけど、やっぱりそれについては、私の方からというか、私から相手国ですね、3か国あると思いますが、そこのエネルギー大臣に言って、これを使っていいかということをお伺いし、よしなれば使うということです。
米国の関税措置
Q:話題変わって、米国の関税措置について伺いたいと思うんですけれども、先日の日米首脳会談で、両首脳の間で日米関税合意の着実な実施を確認したということですけれども、米国が調査を行っている通商法301条の適用とか詳細な議論があったわけではないと伺っております。赤澤大臣がラトニック商務長官との会談で、122条関税について15%の引き上げ対象から日本を外すようおっしゃられておられましたけれども、その301条の関係とか122条関連について、米側との協議の状況について教えていただけますでしょうか。
A:まず、関税については、私が前回米国へ足を運んだときですかね、その1回前になるのかな。訪米時にラトニック商務長官に申し入れたことは4点あると皆様に御報告したと思います。だから、3月の5日から8日に訪米したときですね。まず、その4点と切り離して、日米双方が、引き続き、昨年の合意を実施していく旨を改めて確認したということがあります。我々の合意は生きているよねと、そのままいくよということを言って、ちゃんとお互いの持っているあれを守ろうねということは、ラトニック商務長官に申し上げて、向こうもそのとおりだと、日本側もしっかり守ってくれという話、我々からは、米側もちゃんと守ってと。その上で、4点申し上げたことがありまして、1つは、通商法122条に基づく関税について、日本の扱いは、昨年の日米間の合意より不利になることがないようにすること。2点目が、米側が示唆している通商法122条に基づく関税の10を15に上げるということをベッセント長官が、しかも、大分過ぎた数週間前に、もう今週だとか言ってきたと思うんですけど、その引上げは、日本は対象としないこと。それから、米側が今後検討すると発信している通商法301条に基づく措置についても、昨年の日米間の合意より不利になることはないようにする。4点目が、昨年の日米間の合意以上の追加的な措置を日本に対して求めない。この4点を申し入れた状況は何ら変わっておりませんで、当然ながら、ラトニック商務長官は受け止めると。その心は、日米の合意は生きているので、ディールが成立している国については、そのディールでやっていくんだということは、もうそういうものなので。それを前提に今、赤澤が言ったことは、この申入れは承ったという状態になっていて、答えがまだ来ていないというか、そういうことになっているということだと思います。繰り返しになりますけれども、10を15に上げるとベッセント長官はおっしゃっていたけど、特にそれも、どこの国に対しても発動されていなかったと思いますし、そういうことです。
石油備蓄の放出
Q:話が戻って、先ほどのフジャイラとイラン軍の話が出ていましたけれども、フジャイラの方は、イランからの攻撃で、その後、石油関連施設に損壊が出ているというふうに理解しているんですけれども、その後、事態を把握されている範囲で、積出しは可能になっているんですか。
A:まず、私が承知しているのは、3月1日にフジャイラ港から出ていますので、おそらく今おっしゃったことが起きたのはその後で。その後の状況については、正確に把握はしておりません。今、お話しできる情報が、事務方がもしあればですけれども、私自身は承知しておりません。それから追加ですが、先ほど国家備蓄の放出についてお尋ねがありましたよね。申し上げていいことについて言うと、国家備蓄原油の放出を行うのは、11の基地でやります。加えて、5月について言えば、菊間、白島、上五島、北海道共同備蓄、袖ヶ浦、その五つが5月だと承知しています。残りの名前も申し上げますが、白島、上五島は申し上げました。志布志は鹿児島ですね。喜入、沖縄石油、沖縄ターミナル、苫小牧東部、鹿島石油※といったところです。多分、全部で11あるんじゃないかと思いますけれども、以上の基地から放出いたします。
Q:原油価格の関係なんですけれども、基本的には民民の話になると思いますけれども、国営企業を経由している場合、国の方から交渉の余地もあると思うんですけれども、そういった何か働きかけというか、そういうことは政府としてなさっているのでしょうか。
A:ごめんなさい、政府として?
Q:国営の石油企業の場合は基本的には民民で交渉する話なので。
A:それは外国の国営企業ということですか。
Q:そうです。
A:いや、特に、もう民民に任せているということだと思います。我々から直接、外国の石油会社に働きかけということはやってはいないです。正確に言うと、一つ例を挙げると、ADNOCというのがあってアブダビ国営石油。ADNOCのトップはエネルギー大臣を兼ねているので、会ったときにあれしてねと言うと、経産大臣からADNOCのトップにお願いしたということにはなるんですけれども。私の意識としてはすみません、エネルギー大臣同士でやっているつもりの話だったんですが、彼に言われてみれば、確かにそのとおりで。ジャーベルさんというエネルギー大臣がADNOCのトップを兼ねていますので。
Q:じゃ、一応そういう。
A:だから、アブダビ石油のトップに、経産大臣が、私がお願いをしたということは一応そういうことだと。事実としては同じ人物なので、UAEのジャーベル大臣にお話をした、その相手はアブダビ石油のトップだと。
Q:確認ですけれども、先ほどの大臣が話された国家備蓄を放出される11の地域というのは、、、
A:11の地域というか、基地ですね。
Q:基地というのが、3月26日から放出されるものということなんでしょうか。5月というのが、ちょっとあまりよく分かっていなくて。
A:放出のスケジュールについては、一斉にということではないんですね。だから、一部放出が5月、6月まで及ぶものが、順次ということになります。
※実際の発言は「喜入、沖縄石油、沖縄ターミナル、苫小牧東部、といったところです」でしたが、事実関係を踏まえ上記のとおり修正しました。
以上
最終更新日:2026年3月24日