2026年3月27日(金曜日)
12時12分~12時36分
於:本館10階記者会見室
冒頭発言
中東情勢に関する広報担当官
会見に入る前に、私から中東情勢に関する広報担当官を御紹介いたします。経済産業省としては、国民の皆様への説明を大変重視しております。加えて、特に災害や国際情勢の急変などの有事の際の対応、これを極めて重視しているところであります。既にお見知りおきの方もいらっしゃるかもしれませんが、経済産業省としては、緊迫した中東情勢が続く中、日々刻々と移り変わる国内及び国外の状況及びそれを踏まえた対策の進捗をしっかりと国民の皆様に適宜適切にお伝えさせていただくべく、広報担当官を任命したという次第でございます。このような際における広報を定期的に的確な情報やデータをお伝えすることが何よりも重要だと考えています。そのため、毎日定時、基本的には14時から広報担当から事務ブリーフを行うこととしています。担当の細川資源エネルギー庁危機管理担当統括調整官でありますが、ウクライナ事案の発生時に国家備蓄の放出を行った際の担当課長でもあります。特に今回の事態において、国民の皆様の大きな関心を持つ石油備蓄制度について分かりやすく丁寧にお伝えしていくという観点から最適任であろうということで任命させていただきました。つきましては、石油備蓄制度など、燃料油、石油関連製品の安定供給をはじめ各種施策の状況や日々の御疑問などあるような際には、遠慮なく彼に御質問いただきたいと思います。経済産業省としては、今後とも広報の徹底を進めることにより、国民の皆様の安心に少しでもつなげていきたいと考えておりますので、引き続き、御理解のほどよろしくお願いいたします。端的には、皆さんには是非使ってやってくださいということであります。よろしくお願いいたします。
中東情勢を踏まえた中小企業支援
初めに私から3点申し上げます。1点目ですが、中東情勢や原油価格高騰により影響を受ける中小企業・小規模事業者の皆様に向けて、23日月曜日から特別相談窓口を全国の政府系金融機関、商工団体に約1,000か所設置し、各種相談に対応しております。また、資金繰り支援として、原油価格上昇をはじめとした原材料価格・エネルギーコスト高騰の影響を受ける中小企業の皆様に対して、日本公庫のセーフティネット貸付の金利引下げを実施しております。4月1日水曜日から「中東情勢による取引・生産の減少や停止」の影響についても、金利引下げの対象とする予定です。さらに、本日の夕方、「事業者支援の促進及び金融の円滑化に関する意見交換会」を開催し、関係大臣の連名で、官民金融機関に対して、事業者に寄り添ったきめ細かな資金繰り支援の徹底についての要請文を発出いたします。加えて、本日付で、関係業界団体や各省庁・地方自治体に対し、原材料価格やエネルギーコストの上昇を考慮した上で取引対価を決定するなど、適切な価格転嫁に配慮するよう、要請文を発出いたします。引き続き、中東情勢が中小企業に与える影響を注視し、適切な対応に向けて万全を期してまいります。詳細については事務方にお尋ねください。
デジタル化・AI導入補助金の申請受付開始
2点目になりますが、週明け30日月曜日に、令和7年度補正予算において措置したデジタル化・AI導入補助金の第1回公募における申請受付を開始いたします。この補助金は、中小企業のAIトランスフォーメーション、AXにつながるツールや消費税率の変更に柔軟に対応できるスマートレジシステムの導入といった取組を支援するものです。稼ぐ力を獲得するために投資を行う中小企業に積極的に活用していただきたいと考えております。詳細については事務方にお尋ねください。
戦略的投資イニシアティブを活用した中小企業の成長促進に向けた車座会談
3点目ですが、3月31日火曜日に「戦略的投資イニシアティブを活用した中小企業の成長促進に向けた車座会談」を開催いたします。これは、越智経済産業大臣政務官の御発案によるものでありまして、中小企業や商工会などの中小企業支援実施機関と意見交換を行うものであります。日米政府による「戦略的投資イニシアティブ」については、2月に第一陣として3つ、3月には第二陣として、私と高市総理の訪米時にさらに3つのプロジェクトを発表したのは御案内のとおりです。日本企業にとっては、これらのプロジェクトに関連する企業に機器を供給すること等による売上げ増加やビジネスの拡大が見込まれるところです。大企業のみならず、例えば、サプライチェーンで部品の供給を行う中小企業の利益にもつなげていくことが重要だと考えています。したがって、ここに越智政務官が中心となって、「戦略的投資イニシアティブ」がより多くの中小企業のさらなる参画につながるよう努めてまいります。本当に重視しておりまして、経済安全保障がこれだけ大事になった時代の流れの中で、そこに部品とか製品を納入する中小企業が米国にしっかり部品を入れることで、さらに技術を磨く、あるいは市場を獲得する、そういう方向を強く追求していきたいという我々の思いの表れということです。御紹介させていただきました。
質疑応答
石油備蓄の放出、代替調達先の確保
Q:中東情勢の対応について伺います。25日に高市総理、赤澤大臣とも会談したIEAのビロル事務局長ですが、加盟国による追加の石油備蓄協調放出について準備があるとの考えを示しました。大臣は昨日、かねて追加放出を希望していた石連の木藤会長らとも会談したと承知しています。国家備蓄の放出自体、昨日始まったばかりではありますが、追加放出の必要性と必要と考えるならば規模感ですとか時期について、大臣の現時点での御見解を伺わせてください。また、原油の代替調達先の確保についても現状や今後の見通しを教えてください。
A:一昨日、25日の水曜日になりますが、高市総理に続き、私もIEAビロル事務局長と会談いたしました。私からは、今後、事態が長期化する場合に備え、必要に応じて追加の協調放出ができるよう準備をお願いしたい旨申し入れたところであります。ビロル事務局長からは、先陣を切って備蓄放出を決定した日本のリーダーシップを評価するとともに、アジアそして世界のエネルギー市場の安定のため、必要があれば追加の協調放出をする用意があり、引き続き、日本と協力していくとの力強い御発言がありました。我が国においては、先週16日の月曜日に実施した民間備蓄の水準引下げに加え、昨日26日木曜日、国家備蓄及び産油国共同備蓄の放出を開始したところです。まずは、足元における備蓄石油の円滑な放出に努めたいと思っています。今後については、市場動向や代替調達等の状況を注視しつつ、IEAとも連携しながら適宜適切に対応してまいりたいと考えております。その上で、代替供給の確保が非常に重要です。代替調達先については、米国をはじめ、ホルムズ海峡を経由しない中東の代替ルート、あるいは、中央アジア、南米などの既に過去に輸入した実績がある、そういう国も含めて民間事業者の皆様があらゆる選択肢を排除せずに検討を進めておられるものと承知しております。引き続き、民間事業者や国際社会とも連携しながら、あらゆる可能性を排除せず、我が国における安定供給の確保に万全を期してまいりたいと考えております。
燃料油・石油製品関係業界代表者との会談
Q:今ほどの質問にもあったのですが、大臣は昨日石油業界とか化学業界の方々との意見交換を行われました。改めてになりますが、会談の意味と大臣から業界の方に行った要請、また、関連業界側から大臣の方にあった要望なりを、それを受けた対応などを教えてください。お願いいたします。
A:中東情勢を踏まえ、昨日、燃料油・石油製品関係の4業界の代表者の皆様と会談をいたしました。私からは、代替調達の確保を全力で後押しする。国内流通の偏り・目詰まり解消に向けて、系列にとらわれない柔軟な供給対応や、医療・物流等の優先度の高い用途への供給維持に取り組む、そして最後に、石油関連製品も含め世界の供給状況・国内在庫を踏まえた対応を進めることをお伝えしたところです。業界の皆様からは、適正価格での販売や流通の目詰まり解消を進める旨の表明がまずありました。また、代替供給や再開に向けた政府の支援を要請するということがありました。そして、中小・小規模のサービスステーションの厳しい経営状況への理解というものも要請がございました。また、石油製品の川中・川下を含めた丁寧な対応や予見可能性の確保のために、政府との情報共有を進めるなど、政府との連携を求める旨の御指摘・御要望もいただきました。最後に私から、官民一体で対応することの重要性を改めて共有できたことに、感謝を申し上げたところです。
石油備蓄の放出
Q:質問への回答の中で、昨日、国家備蓄と産油国共同備蓄の放出を開始したというふうにおっしゃっていたかと思うのですけれども、先日、週内に売買契約を締結されて、月内に放出するというふうにおっしゃっていたかと思うのですけれども、こちらは締結して放出を開始されたということでよろしいでしょうか、確認させてください。
A:まず、産油国共同備蓄については、産油国企業と我が国の元売り事業者との間で売買契約の締結に向けた協議や基地からの払い出しが現に進められているものと認識しています。本日時点で、合計約6日分の放出が予定されており、最も早いところでは、まさに繰り返しになりますが、昨日から放出が開始されたと承知しています。26日木曜からです。これ以上の詳細については民間事業者間の契約であるので、お答えは差し控えます。産油国共同備蓄を活用しながら、我が国のエネルギー安定供給の確保に向けて万全を期してまいりたいと思います。
石油製品の節約
Q:中東情勢の件についてお伺いします。ホルムズ海峡の封鎖の長期化が懸念される中、世界的には石油調整の節約を呼びかける政府も増えています。日本でも財源や石油の備蓄に限りがある中、補助より節約の呼びかけをという声も上がってますが、国民や企業への節約の呼びかけについて経済産業省として現時点で検討されている状況を教えてください。
A:まず、緊急的な激変緩和措置を行いました。その趣旨は、ガソリン価格が200円を超える水準に急騰するおそれがあった。現に200円を超えたところも全国にはあるのですけれども、国民生活と経済活動を守るために、緊急的にガソリン価格を引き下げるために講じたものであります。価格抑制が需要に与える影響については、一般的に生活必需品であるガソリンは需要の価格弾力性は小さいと言われておりまして、今後の需給状況を注視しつつ見極めていく必要もあると思っています。御指摘のようにIEAの報告書は、各国が取り得る対策の例を提示しており、省エネルギーの取組の進展度合いも国ごとに状況が異なると。私自身の認識としては、世界の中でも日本の省エネの取組はかなり進んでいるほうだと思っています。化石燃料の多くを輸入に依存する我が国にとって、徹底した省エネルギーは重要であり、これまでの規制・支援一体の取組に加えて、エネルギー消費が増加する毎年冬と夏には、政府として省エネルギーを継続的に働きかけてきたところです。現時点では、我が国における石油需給全般について影響が生じているとは認識しておりませんが、エネルギー調達の多角化を含むあらゆる対応の選択肢を排除せずに、エネルギー安定供給の確保に万全を期してまいりたいと考えております。
国産原油の増産の可能性、石油備蓄放出及び燃料油補助金以外の対策
Q:2点伺いたい点がございます。1つ目です。民間のエネルギー開発企業に聞いたところ、国内における原油採掘に限界があるので、増産は考えていないとの声が出ています。中東からの原油輸入が難しくなっている状況で、政府として国内で原油を増産することは考えていますでしょうか。続いて2つ目なのですが、フィリピンではエネルギーの安定化を目的とした非常事態宣言が今週出されました。政府として備蓄放出や補助金以外に検討している対策はありますでしょうか、あれば具体的にどのような対策を検討しているのか教えてください。
A:まず、国産原油の話からですね。国産原油については、国内の原油需要の約1%を賄う貴重な供給源であります。生産能力を既に最大限活用し、国内に対する原油の供給を行っておりまして、技術的観点から増産余力は存在しない状況であることを確認しています。そういう意味では、あらゆる選択肢を排除せず、エネルギーの安定供給に我々万全を期そうとしておりますが、その可能性も探ってみたけれども、技術的観点から増産余力は存在しない状況であるということが確認されたというのが現状です。現時点では、我が国における石油需給全般について、影響が生じているとは認識していないというのも、繰り返しになりますが、そういう認識でありまして、備蓄石油の放出や代替調達先の確保など、原油の安定供給確保に向けて、あらゆる手を尽くしているところです。その上で、中長期的な供給源の確保の観点から、探鉱及び開発支援を通じて国内資源開発を促進しつつ、短期的にも、あらゆる可能性を排除せずに、我が国のエネルギー安定供給確保に万全を期していくという考え方に変わりはございません。
それから、フィリピンでの非常事態宣言ですが、やっぱりなかなか厳しい状況に置かれているんだろうと思うのは、私も正確に数字を覚えていませんが、我が国とほぼ似たホルムズ海峡依存度だったと思います。世界中の国でホルムズ海峡に原油依存度が90%を超えているというのはあんまり多くないと思うんですけど、フィリピンは我が国と同様に90%を超える依存度である上に、備蓄の量は、私の記憶が間違いでないと、1か月はあったと思うけれどもというぐらいの感じだったように思うので、そういう状況でした。そこでこうなれば、やっぱりおのずと、8か月分の備蓄を蓄えて準備を重ねてきた我が国とちょっと違う状況に陥るということはあり得るなというのが正直なところです。フィリピンにおいて非常事態宣言が発出され、燃料供給状況の監視や消費者支援といった対策が掲げられている御指摘のことはよく承知しております。石油の需給を取り巻く環境は各国によって異なっており、現状においては、我が国において、直ちに影響が生じるとの報告は得ていません。今申し上げたような理由によるものだと思います。備蓄の量が圧倒的に違うということがある。一方で、万が一にもガソリンなど石油製品の供給不足が生じないよう、足元の対策として、石油の備蓄放出や原油の代替調達等の対策を着実に進めてまいります。今後とも、状況を注視しつつ、引き続き、あらゆる可能性を排除せず、我が国のエネルギー安定供給の確保に万全を期していくということに変わりはございません。
海外からの協力要請、代替調達先の確保
Q:今のフィリピンの話に付随してなんですが、フィリピン、それからあと、ベトナムなどの東南アジアの各国が原油確保のために日本に協力要請をしているという事態が続いているんですけれども、日本国内でも、国内の備蓄放出が続く中で、予断を許さない中で、そういった海外からの要請について、どのように日本は応じるべきなのかというところを大臣のお考えをお聞かせください。それから、もう一点、先ほど、代替供給先の確保について、あらゆる選択肢を排除しないというふうに大臣おっしゃったんですけど、報道等でINPEXが中央アジアの原油を日本優先に検討するという報道も出ていますが、この事実関係の確認をよろしくお願いいたします。
A:こういう状況でありますから、フィリピンについては、先ほど申し上げたような状況もございますので、非常に厳しい状況にアジアが置かれているということについては間違いのないところで、IEAのビロル事務局長との会議でも、やっぱりヨーロッパと比べて、今、アジア厳しいですね。給油所には長い車の列ができ、石油製品の輸出を取りやめる国も出てきて、ちょっと状況が違います。そういう意味で、我が国がやっぱり考えていかなきゃいけないのは、一つはアジアを代表する立場にあると。G7とかそういうところに行ってもIEAでも、とにかくアジアつらいのだと、日本だけのことを言っているんじゃないということはしっかりお伝えしていくポジションを取っております。そんな中でありますので、大変厳しい状況にいろんな国が置かれているということについて言えば、我々ももう認識を非常に強く持っているところではあります。一方で、石油市場はグローバルな市場で取引されるものであって、特にアジア市場の需給バランスの維持というのは、我が国におけるエネルギー安定供給、あるいは我が国の産業のサプライチェーンの維持・強化にとっても非常に重要なものであるということがあります。備蓄石油の売却先について申し上げれば、これは法令上、国内の安定供給を目的としたり、いろんなことがあるので、原則として国内の石油精製事業者を想定していることは間違いありません。ただ、そういう意味から言うと、例えば産油国の共同備蓄なんかはちょっと色合いが違うかもしれん。そういったことも全て含めて、状況をよく注視しながら、今後、適時適切にその都度判断を行っていきたいと考えております。現時点で何か決まったことがあるわけではありません。
INPEXについては、今朝報道が出ていたかと思います。報道自体は、私は承知しておりますが、現時点で特にそれについて申し上げることはございません。ただ、おっしゃったように、中央アジアでまさに話題になっている国だと思いますけれども、カザフスタンとアゼルバイジャンについては過去に輸入実績があったと思います。そういう実績があったところはもう重点的に当たっていますので、そういう中でINPEXを含む事業者の皆様が全力で調達先を確保しようという努力をされる中で、いろんな取組が行われているものと承知しております。
G7財務大臣・エネルギー大臣・中央銀行総裁の合同会議
Q:通告してなくて恐縮なんですが、フランスのレスキュール経済・財務相が今月30日にG7の財務相、中央銀行総裁、エネルギー相によるオンラインの会合を開くことを表明されました。この事実関係と、赤澤大臣として今の進展に期待する点はどのようなことかお願いします。前回は協調放出についても話が出ましたが、そういったことも含めてお願いします。
A:30日月曜日に、G7財務大臣・エネルギー大臣・中央銀行総裁の合同会合が開催予定であります。経済産業省からは私が出席する予定です。中東情勢の緊張が続き、世界、特にアジアにおいて、石油をはじめエネルギー需給や経済活動にも影響が生じる中、最新の状況を共有するとともに、G7として、どのように連帯して対応していくかを議論するものと承知しております。我が国は、先ほどから申し上げているとおり、G7唯一のアジアからの参加国でありますので、私から、これまでもアジアの代表として世界に向けて、アジア各国における状況を伝え、IEAの下での備蓄の協調放出などの対応を実現してきたところであります。今回の会議でも、今、一番影響を受けているアジアの最新の状況を共有し、事態が長期化した場合にも備えるべき点を訴えかけ、G7全体でも適切な対応の検討を主導していきたいと思っています。
以上
最終更新日:2026年3月27日