2026年3月31日(火曜日)
10時37分~10時54分
於:本館10階記者会見室
冒頭発言
中東情勢に関する関係閣僚会議
初めに私から2点申し上げます。1点目です。先ほど「中東情勢に関する関係閣僚会議」が開催されました。高市総理からは、昨日、中東情勢に伴う重要物資安定確保担当大臣が発令されたということであります。改めて、私の下で関係省庁を構成員とするタスクフォースを設置し、石油製品、関連製品を始め、重要物資の供給状況を総点検するよう指示を頂きました。引き続き、国民生活に支障や影響が出ないよう、海外を含めたサプライチェーン全体についての対応方針の検討を進めてまいります。全体としての原油あるいは石油製品の供給量は足りているものの、一部に供給の偏り、あるいは流通の目詰まりが生じているという認識の下で、経済産業省に情報提供窓口を設けて、関係省庁と連携しつつ、経産省が所管する工業用燃料に限らず、医療、交通、農業を始め、分野横断で他の流通経路からも融通支援を行っているところであります。医療分野では、輸血パックなどの医薬品、透析回路や注射器などの医療機器、医療用手袋やエプロンなどの医療物資などの供給確保のために、厚生労働省と経済産業省が連携して取り組んでまいります。人命に関わるものを最優先に、サプライチェーンに関する情報を集約し、代替製品を世界全体から調達するとともに、石油製品の融通支援など医療関連物資の安定供給を図る体制を本日立ち上げます。厚生労働大臣や農林水産大臣、国土交通大臣など関係閣僚と連携して、総理の御指示に従い、医療関連物資や食品包装、トラック関係事業者向けの燃料油など、国民生活に不可欠な物資の安定供給やサプライチェーン対策に万全を期してまいります。最後に改めて強調いたしますが、国民の皆様には是非、全体としての供給量は足りているという認識の下で、普段どおりの生活を心掛けていただければありがたいと思います。私どもで供給の偏りや流通の目詰まりについて、国民の皆様の命、そして、生活を守るべく、対応に万全を期してまいります。
中東情勢に影響を受ける医薬品・医療機器・医療物資等の確保対策本部
2点目ですが、中東情勢の影響により、原油や石油製品の供給への不安の声が寄せられています。繰り返しになりますが、全体として供給量は足りているものの、一部に供給の偏りや流通の目詰まりが生じているという認識の下で、輸血パックなどの医薬品、透析回路や注射器などの医療機器、医療用手袋やエプロンなどの医療物資の安定的な確保について、国民の皆様の命、そして、生活を守る観点から、しっかりと全力で取り組んでまいります。例えば、透析回路や手術中に使用する廃液容器など、アジア各国で生産し、日本に輸入している製品、端的に言えば、アジア各国がサプライチェーンの中に組み込まれているようなものですね、それは、長期的な供給に影響が生じているとの情報が寄せられています。これらの製品についても、直ちに供給が滞るわけではありませんが、代替製品を世界全体から調達するなどの対応を急ぎます。こうした情報を分析し、課題の対策は迅速に意思決定するという観点から、本日、上野厚生労働大臣と私が共同で本部長となる「中東情勢に影響を受ける医薬品・医療機器・医療物資等の確保対策本部」を設置し、第1回を開催します。改めて全体として、原油及び石油製品の供給量は足りているという認識の下で、国民の皆様の命、そして、生活を守るべく、厚生労働省と連携しつつ全力で対応してまいります。詳細については、会議後に事務方にお尋ねいただきたいと思います。
質疑応答
石油消費の抑制策
Q:石油の消費の抑制策について伺います。大臣は全体として足りているというふうに何度も発言されていますが、事実としてホルムズ海峡の事実上の封鎖というのは続いていて、中東からの供給というのは滞っている状況かと思います。昨日、G7の財務・エネルギー・中央銀行総裁会議も開催しましたが、アジアで供給制約への懸念が一段と高まっている中で、日本として石油消費の抑制策について、担当大臣としてどのように考えているか教えてください。
A:ここはですね、一つ共有しておきたいのは、これだけ備えても、それを超えてしまう想定外の有事とかですね、非常事態というのは起きますので。だからいいということを申し上げる気は全くないんでありますが、ただ我が国と同じように、ホルムズ海峡依存度が90%を超えていながら、備蓄については一月分とか二月分という国が現にあってですね。やっぱりそこはもう本当に今、非常事態宣言を出したり、そういうことになっています。私自身が防災をライフワークとする議員でありですね、行政マンのときもそうでありましたが、特に防災関係で有事の備えというんですか、有事のときにリーダーが心得ておくべきことというのは、いつも三つあると思っていて。一つは人命最優先、二つ目は自ら決断せよということ、三つ目は早く大きく構えろということです。もう40年、防災をライフワークとしてやってきていますけど、有事のリーダーの心得というのはその三つに集約できると思っています。我が国の備蓄について言えばですね、90日分あればいいとIEAがある意味宣言してですね、各国はそれを少し上回るぐらいのものを持っているときに、各国と比べても我が国は倍以上の備蓄をしているということです。早く大きく構えるどころか、事が起きる前に相当大きく構えているということはやっぱりあるのだと。それでも足りないんじゃないかとか不安な気持ちはよく分かるので、一つ一つ受け止めて対応いたしますけれども。諸外国と比べてですね、我が国の備えというものが実際どういうものであったかについてはですね、皆様とは是非問題意識というか共有をして、いろんなお話ができればいいなということは率直に言って思うところであります。足元ではですね、民間事業者の皆様と連携した、米国や中東の代替ルート、中央アジアや中南米といった国々からの代替調達や備蓄石油の放出を通じて、「日本全体として必要となる量」を確保する取組を進めております。「日本全体として必要となる量」をですね、きちっと確保されているという状態を少しでも長くですね、現在、他の国と比べるとはるかに長く、それが達成できるという状態を確保しておりますけども、更にそれをですね、少しでも長くできるように取り組んでいるというところであります。現状、我が国の石油需給に影響が生じているという認識は持っておりません。他方、足元では一部で供給の偏りや目詰まりが生じていると承知しています。経済産業省として情報提供窓口を設けており、石油元売事業者等による安定的な供給が行えるように、需要家の皆様から提供いただいた情報も踏まえ、関係省庁と連携してきめ細やかに対応していくということであります。その上で、今後の国際的な需給や価格動向も踏まえつつ、国民経済に大きな影響がない形で、需要サイドの対策を含め、あらゆる政策オプションを検討していきたいと考えています。
戦略的投資イニシアティブを活用した中小企業の成長促進に向けた車座会談
Q:本日、日米政府で戦略的投資イニシアティブを活用した中小企業の戦略の促進に向けた会談が行われていて、実際にプロジェクトの参画に関心を示す世界の中小企業が参加されていると聞いています。この会談を実施することについての意義や会談を実施することでどんな成果が期待されているのかという点について、大臣のお考えを教えてください。また、日本時間の20日、日米首脳会談で第2弾の戦略的投資イニシアティブの案件が発表されましたが、第3弾の発表に向けた現在の進捗状況についても、もしございましたら教えてください。
A:本日10時から、「戦略的投資イニシアティブを活用した中小企業の成長促進に向けた車座会談」を、私が心から信頼をしています越智俊之政務官が主催して開催しております。中小企業や商工会などの中小企業支援実施機関とともにですね、越智政務官が、中小企業が本イニシアティブに参画することによるメリットや参画促進に向けた課題などについて、丁寧に2時間、時間を取って意見交換を行っています。実は今、ここに足を運ぶ直前に、私も大変気になっており一言応援してきたかったので、その場に足を運んでですね、皆様と名刺交換した上で、私の思うところを発信してきたところであります。この車座会談を通じて、実際に本イニシアティブのプロジェクトに製品や部品を納入する中小企業が増え、その売上げ増加やビジネスの拡大、更には、中小企業の技術向上や市場獲得につながることに強く期待しています。なお、お尋ねのあった、第三陣プロジェクトについては、具体的にいつ、どのような分野の案件が組成されるかに関して、予断を持ってコメントすることは差し控えさせていただきます。引き続き、特別なパートナーである日米両国の相互利益の促進、経済安全保障の確保、経済成長の促進につながる安定の組成に向けて取り組んでまいりたいと思っています。私自身、この時期に、中小企業の成長あるいは振興に心血を注いで命懸けでやっている越智政務官と一緒に仕事ができたことは大変ありがたいことだと思っておりますし、彼のリーダーシップで、この5,500億ドルの日米投資イニシアティブ、我が国からの米国への投資が日本の中小企業の発展、あるいは市場開拓などに大きく道を開いてくれることを心から願うものでございます。
米国による相互関税発動から1年
Q:4月には米国のトランプ政権が相互関税を発動して1年となります。こちらの受け止めと、あと日本企業や日本経済の影響をどう分析されているかお願いいたします。違憲判決で廃止後の措置について、日米合意には劣後しないとなされておりますが、こちらの交渉状況についてもお伺いできましたら、よろしくお願いします。
A:昨年4月8日、当時の石破総理から御指示を受けて、私が米国との関税協議を担当することとなりました。国益をかけたぎりぎりのやり取りを繰り返したわけでありますが、昨年7月、私の8回目の訪米の際に米国と合意に至りました。9月には、実際に我が国への関税を引き下げる大統領令が発表されました。10回目の訪米だったと思います。日本に対しては、当初米国の打ち出したところによれば、毎年5兆円を超える関税が課されるところでありましたが、2兆円を超える額を削減することに成功し、我が国経済への影響を緩和し、予見可能性を確保することができたと思っています。自動車産業、我が国の基幹産業について言えば、本当に大きな会社、幾つもの経営が傾きかねないような負担になりかねないところでしたし、我が国経済全体の経常利益に及ぼす打撃も、実は25%のまま5兆円を超えると、リーマンショックやコロナに匹敵するようなものになるところでありましたが、何とかそうならないよう抑えられたことで今につながる賃上げのモメンタムも維持できているということだと思います。そういう意味では、一定の意義を有する成果を上げられたなと思っています。昨年の日米間の合意はもう一つ、関税の負担を下げられた、何とか賃上げのモメンタムを維持し、基幹産業である自動車産業の継続的な発展につなげられたということを除いても、もう一点大変大きな意義を持っていると思います。それは、日米がお互い「特別なパートナー」と認め合って、両国の相互利益の促進のために取り組む、それが日米の共通理解になったということであります。「戦略的投資イニシアティブ」の第二陣プロジェクトも発表に至りましたが、このような日米間の合意の着実な実施を通じて、日米の相互利益の促進、経済安全保障の確保に向けた協力の拡大、経済成長の促進を実現したいと思っています。その上で、本年に入り、米国は新たな関税措置を講じております。御指摘の最高裁判決を受けてのものかと思いますが、この点については、私とラトニック商務長官との間で、3月6日金曜日に行った対談で、米国による新たな関税措置に対して、日米双方が引き続き昨年の日米間の合意を実施していく旨を確認いたしました。12回目の訪米だったと思います。また、3月19日の日米首脳会談でも、日米首脳間で昨年の関税に係る日米間の合意の着実な実施が改めて確認されました。さらに、米国の今後の対応は予断できませんが、グリア通商代表は、「米国とのこれまでの通商合意は有効である、今後も維持される、私たちはそれらを遵守する。」と発言されたと承知しております。我が国としては、「戦略的投資イニシアティブ」を含む、昨年の日米間の合意を着実に実施していく考えであり、また、米国に対しても、合意を着実に実施するよう、引き続き求め、我が国が不利益を被ることがないように取り組んでまいります。
中部電力浜岡原子力発電所
Q:話題が変わって恐縮ですが、中部電力の浜岡原子力発電所に対する地震動の不適切事案に関してですけれども、先ほど中部電力が原子力規制委員会に報告をしたようですけれども、中部電力から経産省への報告はあったのでしょうか。また、大臣として現時点で中部電力に求めたいこと等ありましたらお伺いしたいんですが、いかがでしょうか。
A:中部電力からは、本日、電気事業法に基づく報告徴収命令に対して回答がございました。同社からの回答は、現在、第三者委員会の調査が継続中であるため、限定的な報告であり、今後、第三者委員会の調査結果を踏まえ改めて報告するというものでございました。本件は、原子力の利用の大前提である安全性に対する国民の信頼を大きく損なうものであり、あってはならないものであります。経済産業省として、また、経済産業大臣として極めて重く受け止めております。報告徴収命令に対する回答の内容を精査した上で厳正に対処してまいりたいと思っています。
Q:先程の質問と同じなのですけれども、中部電力の関係で、今後、中部電力の幹部との面会など御予定がありましたらお伺いできないでしょうか。
A:現時点で私が承知している限り面会は入っておりません。逆に、こういう報告徴収とかのプロセスが進んでいる中だと、担当者と会うのも何か、むしろきちっと厳正に報告をしてもらうことが先かなと、その内容を見て処分していくということになりですね。もちろん、幹部と意思疎通を図ることの意義も認めないではないですけれども、必ずしもそういう、今タイミングかなという思いもありますし、現時点において特にスケジュールが入っているものではありません。
最終更新日:2026年3月31日