2026年4月21日(火曜日)
9時38分~9時53分
於:国会本館2階閣議室前
冒頭発言
「アジア・エネルギー・資源供給力強靱化パートナーシップ」に基づく政府系金融機関からの支援
初めに私から3点申し上げます。1点目、先週、高市総理が「アジア・エネルギー・資源供給力強靱化パートナーシップ」、通称「パワー・アジア」をAZEC+オンライン首脳会合において発表し、参加国から歓迎というか、大歓迎の意が示されました。この枠組みに基づいて、アジアにおける原油・石油製品等の調達やサプライチェーン維持のために、JBICやNEXI等による金融協力を開始しております。今後、経済産業省としてもホームページにおいて、こうした各機関の対応の内容及び問合せ窓口を掲載するとともに、具体的な案件組成を個別に後押ししてまいります。引き続き、日本の重要物資の安定的な調達に向けて、アジアのサプライチェーンの強靱化に努めてまいります。
東京都小笠原村南鳥島における高レベル放射性廃棄物の地層処分に関する文献調査の申入れ
2点目です。東京都小笠原村南鳥島での文献調査実施の申入れに関して、昨日、20日月曜日、渋谷小笠原村長から回答文書を受領いたしました。今回、地元発意を待つことなく、国の責任で文献調査の実施を申入れさせていただいた中、小笠原村の皆様に真摯に向き合っていただいたことに改めて感謝を申し上げる次第です。その上で、村内の様々な声を踏まえた渋谷村長からの回答については、国として重く受け止めております。本日午後、私自身、渋谷村長とお会いし、お話をお伺いした上で、国としての判断をお伝えさせていただく予定でございます。
令和8年度中小企業者に関する国等の契約の基本方針の閣議決定
3点目です。本日、官公需法、正式には「官公需についての中小企業者の受注の確保に関する法律」に基づき、「令和8年度中小企業者に関する国等の契約の基本方針」が閣議決定されました。この基本方針では、価格転嫁・取引適正化を一層徹底させるため、最新の実勢価格を予定価格に反映すること、価格交渉の際に一方的に価格を決定しないこと、契約後の状況に応じて契約変更を適切に実施すること、といった内容を盛り込んでいます。これらの措置が、国の地方支分部局や独立行政法人、地方自治体を含め、全ての機関で実施されるよう、取組を進めてまいります。詳細は事務方にお尋ねください。
質疑応答
中東情勢が中小企業の賃上げに与える影響
Q:今、中東情勢の悪化を受けて、原油高だったり石油製品の調達不安というのが広がっていると思うんですけれども、中小企業の賃上げに対する影響をどう見られているのかというのが1点と、また、中小企業庁を含め、経産省としてどのような対策を今後考えられているのかというのが、もしあれば教えてください。
A:足下の中東情勢や原油価格高騰の中においても、中小企業の賃上げの流れを継続し、「物価上昇を上回る継続的な賃上げ」を実現していくことが大変重要であると思っています。このため、経済産業省としては、中小企業の「稼ぐ力」の強化に向けて、先ほど冒頭で申し上げました官公需の話もありますが、それも含めて、価格転嫁・取引適正化の徹底、それから省力化・生産性向上支援、その中に最近では、AIトランスフォーメーションが含まれてきていると思いますけど、そういうことも含めた省力化・生産性向上支援、そして、事業承継・M&Aによる事業再編に引き続き取り組んでまいりたいと思っております。加えて、足下の中東情勢を踏まえて、これも繰り返し発信させていただいていますけど、全国で約1,000か所の特別相談窓口の設置、日本政策金融公庫のセーフティネット貸付における金利引下げ、官民金融機関に対するきめ細かな資金繰り支援の徹底の配慮要請、約1,800ある業界団体及び各省庁・地方自治体に対する適切な価格転嫁の配慮要請を行っております。中小企業の成長と賃上げに向けて、あらゆる施策も総動員して応援してまいりたいと思っています。
日本の素形材産業の強化の必要性
Q:鋳造・鍛造について伺いたいなと思うんですけれども、14日にですね、経済産業省の方で素形材産業室を事務局に、日鉄さんやトヨタ、ダイハツ工業の幹部又は川口鋳物工業協同組合の方々を招いて勉強会を開かれました。現状の脱炭素政策で大手鉄鋼メーカーが高炉を電炉化することによって、2年後に鉄スクラップ350万トン足りなくなるといった試算も出されております。こういった素形材に関しましては、我が国自動車や造船、防衛産業、宇宙、航空、国土強靱化など製造業基盤での供給不足も懸念されてますけれども、大臣はこの日本の素形材の強化の必要性についてどうお考えになられますでしょうか。
A:鋳造・鍛造などの素形材産業は、自動車や航空はじめ様々な製造業の成長を下支えする上で極めて重要であると認識しております。高炉から大型革新電炉への転換に伴い、350万トン程度の高品位鉄スクラップの追加需要が発生するものと承知しております。そうした声も踏まえてですね、当該勉強会を通じて素形材業界との対話を重ね、素形材産業が必要とする鉄スクラップなどの原材料確保も含め、競争力の維持・確保に向けた施策を検討してまいりたいと考えています。
Q:トヨタであったりとか大企業の方々、若しくは現場の鋳物屋さんの方々、中小の方々、こういった規模を問わず関係業種が集まるということ自体結構珍しいかなと思うんですけれども、こういった勉強会が素形材産業室のいわゆる主催で開かれた意義についても、ちょっと一言伺えればなと思います。
A:事業をやっていく上では、大事なことというのは予見可能性というんですかね、非常に大事だと思っておりまして。そういう意味で、350万トンの新たな需要が出てきたときに、これまで、そこの需要を当てに仕事をしている人たちがですね、今後とも、自分たちは仕事をどうやって続けていったらいいのか、みたいなことを当然考えられると思うんですね。そういうことに対して、規模を問わず、こういう勉強会を通じていろんな情報発信をし、理解をしていただく、そういったことというのは、やっぱり業界の発展にとっては非常に大事なことだなと思います。担い手不足や取引環境の変化とか、脱炭素対応、原材料の安定供給の懸念など多くの課題がある、そういう事業分野でありますけれども、もう鋳物業界がですね、抱える鉄スクラップの安定確保への懸念とかいったようなものを率直に出していただいて。素形材産業の持続的な発展に向けてどうしていったらいいでしょうかみたいな意見交換をし、その中で、素形材産業の持続的な発展に向けて、何らか方向性が出てくるとか、それに関係する情報共有するとか、先ほど冒頭申し上げたとおり、その事業分野についての予見可能性を、そこにいる規模を問わず、企業の皆様に共有してもらう。そういう意味で私自身は含みがある勉強会かなと思っています。
高市政権発足、経済産業大臣就任から半年
Q:本日で、高市政権、また赤澤大臣就任から半年がたちました。この間、関税交渉であるとか、中東情勢の悪化に伴うエネルギー確保など取り組んでこられたと思いますけれども、改めてこの半年間の受け止めと、今後への意気込みといいますか、課題も含めてお答えをお願いします。
A:昨年の10月21日だったと思うんですけど、経済産業大臣を拝命いたしました。私自身はもう全く予想外の事態でありましたけれども。引き受けた以上は高市内閣の成長戦略の肝である「危機管理・成長投資」の促進、私が手がけてきた5,500億ドルの日米戦略的投資イニシアティブの具体化に向けた米側との協議、ガソリン補助金等の物価高対策やエネルギー安全保障の確保などに全力で取り組んでまいりました。年明け早々ということで皆さんにお伝えしたかと思いますけど、レアアースを含む重要鉱物の確保と農林水産物の輸出を今年頑張ってということは、総理から直接下された、御下命いただいた二つでありますし、加えて、中東情勢が起きた後は、その関係の重要物資安定確保担当大臣ですかね、そういったことに全力でやってきたところであります。特に日米政府の戦略的投資イニシアティブの具体化にあたっては、3月19日の日米首脳会談も含めて、経産大臣として3回、DCに足を運んでいますね。これまで日米双方の利益に適う6件の案件を発表することができたということです。相互利益の促進、経済安全保障の確保、両国の経済発展に大いに資するものだと思っています。また、3月に拝命した中東情勢関係の大臣ということでいうと、原油や石油関連製品について、この際またもう一度発信させていただきますが、「日本全体として必要となる量」は確保できていると。一部で生じている供給の偏りや流通の目詰まりに対して一つ一つ確実に解消すべく取り組んでいるところです。こういった諸課題について全身全霊で取り組んできたということであります。今後は、足下の中東対応はきちっとやります。加えて、高市政権が主導する「危機管理投資・成長投資」を力強く推進し、「強い経済」を目指していくと。その実現に当たっては、私自身が思うのは、トランプ関税も中東情勢も、きちっと乗り越えることは我が国として当然でありますけど、それを乗り越えるだけでは、技術革新もイノベーションも持続的な経済成長も起きないわけで、あらゆる産業分野で起きるAIトランスフォーメーションというのが肝だと思っています。日本が特に強みを持つ現場にAIをいち早く社会実装して、フィジカルAIといったもののデータ基盤ですね、それをできるだけ汎用基盤に近づけていくような努力をし、AIはこれ実装した後で更に進化をしますので、そこの進化競争で国際的に負けないようにフィジカルAIの分野ではやっていきたいと思っています。また、そういった取組も含めて、日本社会全体あるいは日本経済全体の生産性が上がり、実質賃金がプラスとなる環境を実現し、国民の皆様が「昨日より今日、今日より明日」豊かさを実感できる社会を目指していきたいと思っています。最後になりますが、我が国は、改めて申し上げるまでもなく災害大国でありまして、昨日も岩手県三陸沖を震源とする地震災害に見舞われたところです。津波も起きたということで、今も「北海道・三陸沖後発地震注意情報」が発表中ということですね。日頃から地震への備えの再確認、揺れを感じたら直ちに避難できるような備えを取っていただくとともに、落ち着いて日常生活や経済活動を継続していただくよう国民の皆様にはお願いしたいと思います。私にとっては、防災はライフワークでありますので、徹底した事前防災の取組や迅速な発災対応、福島をはじめとする被災地の復興に今後とも心血を注いでまいりたいと思っています。
循環経済に関する関係閣僚会議、中東情勢の影響による政府代替調達の見通し
Q:短く2点伺います。1点目が、今朝の関係閣僚会議の中で、循環経済計画に盛り込むようなプラスチックのリサイクルであったりというようなところで、官民と一緒にやっていきましょうというような話があったと思うんですけれども、これ、そもそもの背景だったりとか、これを計画に盛り込む意義について教えていただきたいのと、2点目が、イラン情勢でなかなかアメリカとの協議が不透明な中で、政府代替調達というのも掲げていると思うんですが、中東情勢の更なる悪化によって現在の5月過半という計画について見通しの変更がないか等伺えればと思います。お願いします。
A:まず、本日開催された循環経済に関する関係閣僚会議において「循環経済行動計画」を取りまとめ、その中核として、鉄・アルミ・銅・永久磁石といったベースメタル・重要物資について、2030年に向けた再生材の供給目標を決定した「メタルリサイクル推進戦略」※を作成いたしました。これは、GXの実現や経済安全保障の強化にもつながる重要な取組であると認識し、力を入れて進めているところであります。詳細については、この後、事務方のブリーフィングで説明する予定ですので、そちらで御確認を頂きたいと思います。
イラン情勢ですけど、我が国としては、停戦協議を含む関連の動向について、引き続き、重大な関心を持って注視しています。総理、外務大臣が発信されているとおりで、事態の鎮静化ですね、それもホルムズ海峡の安定航行を含む事態の鎮静化、これが一番重要なことであって、できるだけ早期にそれを実現するということに尽きます。最も重要なことはその点でありまして、米国とイランの間の協議が再開されて、話合いを通じて最終的な合意に至ることを強く期待しております。
※実際の発言は「メタルリサイクル戦略」でしたが、事実関係を踏まえ上記のとおり修正しました。
最終更新日:2026年4月21日