2026年5月12日(火曜日)
9時40分~9時51分
於:本館10階記者会見室
冒頭発言
なし
質疑応答
ロシアへの経済訪問団
Q:私から1点お願いします。先週、ロシアに対して、経産省が主導して経済訪問団を派遣するとの一部報道があり、週末の経産省のXでこの計画を否定しました。その上で、5月末にも日本政府職員が出張するとの方向で調整しているという投稿がありました。改めて、日本政府職員が、何の目的で、どのような立場の方が訪問して、ロシア側のどういった方と面会し、そして、どんな日本企業が同行する予定なのか、あるいは、このタイミングでの訪問の意義というものもあると思いますので、そういった部分を含めて教えていただければと思います。よろしくお願いします。
A:報道にあるような、ウクライナ侵略の終結後の経済分野の協力とか、エネルギー協力を目的として、政府がロシアに経済訪問団を派遣するという計画はありません。我が国は、G7で協調しながら、引き続き、対露制裁を実施する考えであり、ロシアとの間で、新たな協力を進める状況にありません。一方で、いまだロシアにいる日本企業の資産を守る取組は必要であり、これまでも、ウクライナ侵略後、日本政府として政府間での申入れを実施するとともに、意思疎通を継続して実施してきたところです。その一環として、5月末にも、日本政府職員がロシアに出張し、企業とも連携しつつ、ロシア側との意思疎通を図る方向で調整中ということであります。相手国との調整状況の詳細については、外交上の観点から差し控えますが、いずれにしても、日本政府としては、既にロシアに進出している日本企業の資産をしっかり守るべく取り組んでまいりたいと考えております。
イラン産原油、ロシア産原油
Q:2点お伺いしたいんですが、日本はイラン産の原油を輸入する計画がありますか。ある場合とない場合、それぞれ理由をお伺いしたいんですけれども。あと、もう一点がロシア産の原油の輸入の拡大というのは、今後予定はありますでしょうか。
A:まず、足下の原油の代替調達については、4月は前年比約2割を超える代替調達を実現しました。5月は前年比約6割の日量約140万バレルの代替調達が確定契約ベースで実現しており、6月もこれを上回るべく最大限取り組んでおります。その上で、ロシア産原油についてはですね、我が国はG7を始めとする国際社会と緊密に連携し、ウクライナ支援及び対露制裁を継続していくという方針に変わりはございません。また、イラン産原油については、イラン核問題をめぐる交渉の状況や、これに関連する制裁をめぐる状況を注視する必要がある状況です。引き続き、中東情勢の推移を注視しながら、代替調達の確保に全力を尽くしてまいります。
エアコン2027年問題
Q:来年4月から始まるエアコンの新たな省エネ基準について伺います。基準の大幅な引上げに伴い、製品の製造コストの上昇や販売価格の高騰が懸念され、いわゆるエアコン2027年問題などと報じられています。これから暑くなる時期でエアコン購入の検討をされる方も多いと思いますが、経産省としてこの新基準について、どういう狙いがあり、消費者にとってはどんなメリットがあるのか改めて御見解を伺わせてください。
A:家庭用エアコンについて、省エネ法のトップランナー制度に基づき、2027年度から新たな省エネ基準が適用される予定です。家庭の電力消費の約3割を占めるエアコンについて、省エネ性能を向上させることで、エネルギー消費量を抑え、エネルギー安全保障や脱炭素への貢献や、御家庭の光熱費の負担軽減が期待されるところです。具体的には、2027年度基準を満たす機器は、現行基準と比べ、エアコンの平均使用年数である14年間の合計で、6畳用エアコンで約4万円、14畳向けエアコンで約18万円の光熱費削減効果が見込まれるところであります。購入に当たっては、本体価格だけでなく、省エネ性能の向上による光熱費削減効果や環境への影響などを総合的に判断して、選択いただけるよう、国民の皆様に情報提供し、促していきたいと考えております。
ソニーとTSMCの提携
Q:ソニーとTSMCの次世代イメージセンサ開発に関する提携についてお伺いします。両社が8日に行った発表では、次世代イメージセンサの開発、製造に関する戦略的提携に向けて基本合意書を締結し、フィジカルAI分野についての新たな機会の探索、対応を進めていく方針としています。フィジカルAIは経産省もAI半導体戦略の重点分野に位置付けておられますが、今回の提携について経産省としての受け止めをお伺いします。また、両社は合弁会社の設立を検討しており、将来的な投資については政府からの支援を前提に検討するとしています。経産省は先月、ソニーが熊本で建設中の工場へ最大600億円の助成を決定したところではありますが、これと別に政府として更なる支援をしていく考え、意欲があるかお考えをお伺いします。
A:イメージセンサは、視覚情報をデジタル情報に変換する、いわば、人間の目の機能を担う半導体であります。今後、自動運転ですね、あるいはロボットとかもそうですし、いわゆるフィジカルAIに必要不可欠なキーデバイスになります。今回発表されたソニーとTSMCの提携により、ソニーが有するイメージセンサ設計の知見と、TSMCの強みであるプロセス技術、卓越した製造能力の活用が期待されます。また、フィジカルAI分野における新たな応用分野の探索や将来のイノベーション基盤の構築も進められる方針と承知しており、今回の提携を日本政府として歓迎しているということであります。なお、現段階では、4月に認定した供給確保計画とは別に経済産業省が支援を決定した事実はございませんが、今後、事業者から正式な申請があれば検討してまいりたいと考えております。
ベッセント財務長官の来日
Q:アメリカのベッセント財務長官が来日されております。赤澤大臣は非常に親しい間柄と存じておりますが、今回お会いになる予定はございますでしょうか。お会いになる場合、どのようなテーマでお話をされる御予定でしょうか。
A:ベッセント長官は、御案内と思いますけど、関税の日米の交渉あるいは合意に至るプロセスでは、その言い方をアメリカがしていたかどうかはあれですけど、チーフネゴシエーターですかね、あるいはネゴシエーター・イン・チーフと。筆頭交渉官ということで私のカウンターパートということだったと思います。その流れもあって、大阪・関西万博のナショナルデー、アメリカのですね、その日に米国が送り込んでくる代表団の団長も務めておられて、私自身が大阪に足を運んで接遇をしたというようなこともあります。お目にかかった回数でいうと10回を多分超えていると思うので、相当よく知っている間柄ということであります。大変な頭脳の持ち主であり、しかも、尊敬できる部分は、「自分は、経済に詳しいというよりは、経済史に詳しいのだ。」と。結構日本の、かつてのジャパン・アズ・ナンバーワンと言われた頃の、実はまさにこの役所ですね、MITIの世界で。産業政策で、わりと悪名高いといわれた経産省が産業政策全盛でやっていた頃のことにも大変詳しいですね。やっぱり歴史とかよく知っている人って魅力的じゃないですか。そういう意味で、本当に魅力的な人物であると思います。本日、訪日中のベッセント米国財務長官とお目にかかる予定であります。現時点で議論の内容について予断することは差し控えます。昨年行った関税協議のカウンターパートの一人であり、チーフでありましたので、ベッセント長官と日米経済関係の強化に資する充実した議論を行いたいと考えております。
以上
最終更新日:2026年5月12日