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自動車の保有台数とリンクする駐車場業。では、自動車関連サービス全体としては、どんな感じになっているのか確認してみます

家の近所や街中を歩いていると、必ずと言っていいほど、コインパーキングやパーキング・メーターなどの「駐車場」をよく見かけます。最近駐車場が多いと思いませんか。

「駐車場」とひとえに言っても、実際にはいくつかの種類に分けられます。ここでは詳細な説明は省略しますが、車庫法に基づくいわゆる家や月極の駐車場など、駐車場法に基づく都市計画駐車場(都市計画法も関係)、届出駐車場(いわゆるコインパーキングを含む)、附置義務駐車場施設(商業施設にある駐車場のイメージ)、路上駐車場、道路法に基づく駐車場、道路交通法に基づくパーキング・メーターやパーキング・チケットなどがあります。

駐車場業については、第3次産業活動指数でその活況度合いを見ることができます。

平成27年の指数は102.6(前年比0.5%)で、大幅に増加している訳ではないものの、平成23年以降着実に指数水準自体は上がっていることが見られます。四半期の結果で見ても、最新の平成27年第4四半期の季節調整済指数は102.8(前期比0.1%)で平成22年以降最高の水準となり、18四半期マイナスがない状態で推移し、長期的に見て指数水準は右肩上がりです。



この駐車場業の指数の平成24年以降の上昇の背景はなんでしょうか?

どうも、平成24年の税制改正で、自動車重量税の免税、減税が実施されたことにより、自動車の購入・保有が加速し、自動車の保有台数が大幅な上昇を見せたことが背景のようです(駐車場業の指数は、自動車保有台数をベースに作成されています)。


では、この自動車の保有台数の増加とともに、自動車関係は全体的に好調な推移となっているのでしょうか?

第3次産業活動指数では、自動車に関連するサービス7業種から作成した「自動車関連産業」指数を作成しています。

この「自動車関連産業」を見てみると、駐車場業と異なり、平成24年をピークにその後低下を続け、平成27年は指数96.6(前年比▲1.2%)となりました。

更に「自動車関連産業」の内訳業種を見てみると、平成27年では自動車整備業と燃料小売業が低下寄与となっており、それ以外の業種もほぼ横ばいでした。

平成24年に自動車の購入・保有が加速し、に前年比20.4%と大幅な上昇を見せた自動車小売業も平成27年は同0.3%の上昇にとどまり、自動車関連産業をけん引できるほどの力はない様子です。



自動車のストックとしての保有台数が伸びても、その自動車の販売・運行・供用といったフローの関連サービスは調子が良くありません。

ちなみに、乗用車の平均使用年数は、平成27年3月時点で12年を超えているそうで、乗用車の「高齢化」が進んでいるそうです(平均車齢の上昇)。自動車の利用期間がそれだけ長いとなると、平成24年の自動車保有台数の急増から10年近くは経たないと、自動車販売が増加基調にはならないのかもしれません。


※自動車検査登録情報協会

・平均使用年数:

https://www.airia.or.jp/publish/statistics/ao1lkc00000000z4-att/03_32.pdf

・平均車齢:

https://www.airia.or.jp/publish/statistics/ao1lkc00000000z4-att/03_3.pdf


保有台数とリンクする駐車場業の上昇に対して「自動車関連産業」は低下という、予想とは反対の結果でした。


最終更新日:2016年6月3日
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