皆さん、スポーツはされますか？それとも観る専門でしょうか？ メダルラッシュで盛り上がったパリオリパラはご覧になりましたでしょうか。選手が活躍する姿をみて運動を始めた方、再開したという方もいらっしゃるのではないでしょうか。 今回はスポーツの秋ということでスポーツ関連産業についてその動向をみてみます。
コロナの影響を大きく受けたプロスポーツ興行
第３次産業活動指数には観戦型スポーツ（プロスポーツ興行）と、自らプレーするためのスポーツ施設（スポーツ施設提供業）があります。どちらも2020年に新型コロナウイルスの影響を受けるも、その後回復しています。しかし、その落ち込み度合いや推移には差があるようです。無観客や入場数の制限による興行を余儀なくされたプロスポーツ興行は落ち込みが大きく、コロナ前の水準まで復帰するのに約３年かかっています。一方、スポーツ施設提供業は落ち込みが小さく、コロナ前の水準への復帰も早かったことが読み取れます。
野球とサッカーが人気
まずプロスポーツ興行指数の内訳をみてみます。バレーボール・バスケットボール指数が近年上昇傾向にあるようです。また、それぞれの観客数の推移をみるとプロ野球とサッカーが圧倒的な観客数を誇っており、全体の約９割を占めています。背景としては、各スポーツの収容人数の違いや開催期間の差が大きな要因として考えられます。
フィットネスクラブが増加傾向
次にスポーツ施設提供業指数の内訳をみてみます。ゴルフについて、観るスポーツではプロゴルフが、2020年に観客数がゼロとなっていましたが、するスポーツ（ゴルフ場、ゴルフ練習場）においては全く関係なく横ばいに推移しています。ボウリングは昨今下降傾向にありましたが回復しつつあります。フィットネスクラブについては2020年に大きく落ち込んだものの、その後上昇していることが読み取れます。大型施設からパーソナルトレーニングやオンライン、空き時間に利用可能な低価格帯のもの等様々なタイプが登場してきており、事業所数も増えているようです。
一番人気はウォーキングや軽い体操
「スポーツの実施状況等に関する世論調査」（スポーツ庁）によりますと、運動・スポーツを週１日以上行った理由として最も多いのは「健康のため」となり、次に「体力増進・維持のため」「運動不足を感じるから」「筋力増進・維持のため」等が続いています。また、令和３年社会生活基本調査（総務省）によりますと、スポーツの種類・男女別の行動者率 は男女ともに「ウォーキング・軽い体操」が最も高くなっています。「する」スポーツについて、第３次産業活動指数の対象となる企業活動ではとらえていない器具が不要かつ安価で敷居が低いスポーツとしてウォーキング等もよく好まれていると言えるでしょう。 また、「する」スポーツ、「観る」スポーツの裏方として「支える」スポーツもあります。審判や監督・コーチあるいは保護者や家族、大会・イベントの運営やサポートを行うボランティア等の支えがスポーツには必要不可欠です。 秋になり運動しやすい気候になってきました。最近体を動かしていないという方は手軽にできるウォーキングから始めてみてはいかがですか。
（本解説に関する注意事項）
本解説は、公に入手可能で、経済産業省経済解析室が信頼できると判断した情報を用いて作成しています。ただし、使用した情報を全て、個別に検証しているものではないため、これらの情報が全て、完全かつ正確であることを保証するものではありません。
また、本解説は、統計等の利活用促進を目的に、経済解析室の分析、見解を示したものであり、経済産業省を代表した見解ではありません。