ここでは、製造業企業を大・中・小企業に分類し、「従業者1人当たり付加価値額」の現状をみることとする。
平成12年の企業数は31万2341企業で、企業数は緩やかな減少傾向にある。企業数を規模別にみると(注)、中・小企業で減少が続いているものの大企業では増加となっている。また、従業者数は918万3833人で、すべての規模で減少している(@図)。
出荷額、付加価値額はそれぞれ300兆4776億円、110兆2426億円とともに増加となっているが、小企業は減少したものの、大・中企業では増加となっている。また、「従業者1人当たり付加価値額」は、従業者数の減少により、大・中・小の規模とも増加、また、他の項目に比べて大幅な増加となっている(@図)。
企業数
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従業者数
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出荷額
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付加価値額
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従業者1人当たり付加価値額
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(注:企業規模の格付けについて)
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ここで、平成12年の「従業者1人当たり付加価値額」の企業規模別の分布をみると、いずれの規模も左よりの形となっているものの、大企業は1000万〜1200万円の階層を頂点とした形状、中企業は400万〜600万円の階層を頂点とした形状、小企業は200万〜400万円の階層を頂点とした形状となっており、規模が大きくなるにつれ分布の中心は右寄りになり、また、裾広がりの形状となっている(A図)。
また、平成12年の「従業者1人当たり付加価値額」の前年比分布をみると、規模が大きくなるほど前年比プラスの事業所が多い(B図)。
B図 平成12年 企業規模別 従業者1人当たり付加価値額の前年比分布
「従業者1人当たり付加価値額」の分布は、平成10年、11年、12年とほぼ同様の形状となっているものの、前年比の分布をみると、右側にシフトしており改善の傾向がみられる(C、D図)。
D図 従業者1人当たり付加価値額の前年比分布
「従業者1人当たり付加価値額」の分布を、各階層別に産業別の構成比をみると、800万円未満では「食料・飲料」の割合が高く、800〜2000万円では「輸送」、「電気」、「一般」の機械産業の割合が高い。また従業者1人当たり付加価値額の高い階層ほど「化学・石油」の占める割合が高い(E図)。
「従業者1人当たり付加価値額」は、500〜600万円を頂点とした分布で、平成10年、11年、12年とほぼ同様の形状となっており、前年比の分布をみると右側にシフトしており、大企業と同様に改善の傾向がみられる(F、G図)。
G図 従業者1人当たり付加価値額の前年比分布
「従業者1人当たり付加価値額」の分布を、各階層別に産業別の構成比をみると、800万円未満では「食料・飲料」、「繊維・衣服」の割合が高く、800万円以上では「輸送」、「電気」、「一般」の機械産業、「出版」、「金属」、「プラ」がほぼ同じ割合となってる。また「化学・石油」は大企業と同様に、従業者1人当たり付加価値額の高い階層ほど、おおむね構成比が拡大している(H図)。
「従業者1人当たり付加価値額」は、平成10年、11年、12年とほぼ同様の形状となっている。前年比の分布をみると右側にシフトしており小企業においても改善の傾向がみられる(I、J図)。
J従業者1人当たり付加価値額の前年比分布
「従業者1人当たり付加価値額」の分布を、各階層別に産業別の構成比をみると、400万円未満では「食料・飲料」、「繊維・衣服」の割合が高く、400万円以上では「一般」、「金属」の割合が高い。また「窯業」は従業者1人当たり付加価値額が高くなるにつれ割合が拡大、「食料・飲料」も同様なものとなっている(K図)。