第3次産業活動指数の概要

統計の目的

第3次産業活動指数は、第3次産業に属する業種の生産活動を総合的に捉えることを目的としている。

統計の概要

第3次産業活動指数は、個別業種のサービスの生産活動を表す指数系列を、基準年の産業連関表による付加価値額をウェイトにして加重平均により算出。第3次産業の各活動を統一的尺度でみることができ、サービス部門の活動動向をみることができる。

統計の作成方法

対象範囲

2020年基準(以下、指数の基準年表記は西暦で掲載)の第3次産業活動指数の対象範囲は、「日本標準産業分類」(令和5年7月告示。以下、JSICという)の以下の13大分類に属する業種としている。

<第3次産業活動指数の対象範囲>
  1. 「F 電気・ガス・熱供給・水道業」
  2. 「G 情報通信業」
  3. 「H 運輸業、郵便業」
  4. 「I 卸売業、小売業」
  5. 「J 金融業、保険業」
  6. 「K 不動産業、物品賃貸業」
  7. 「L 学術研究、専門・技術サービス業」
  8. 「M 宿泊業、飲食サービス業」
  9. 「N 生活関連サービス業、娯楽業」
  10. 「O 教育、学習支援業」(ただし、教育は対象業種から除外)
  11. 「P 医療、福祉」
  12. 「Q 複合サービス事業」
  13. 「R サービス業(他に分類されないもの)」

ただし、景気判断を最優先とする経済指標としての位置付けを明確にするため、一般に第3次産業に属するとされるJSICの大分類「S 公務(他に分類されるものを除く)」及び他の大分類に属する業種のうち、公務の活動に準ずる扱いをするのが適当と思われる業種(教育など)は除外している。

分類

上記のとおりJSICの13大分類に属する業種を対象としているが、2020年基準の第3次産業活動指数における業種分類は、JSICを一部組み替えた大分類10業種としている。

なお、JSIC準拠の大分類13業種の指数も参考系列として公表している。

算式

算式は個別業種指数を基準年のウェイトで加重平均するラスパイレス算式である。

ウェイト

新型コロナウイルス感染症拡大の影響により2020年の活動が大きく低下した産業がみられたことなどを踏まえ、2019-2020年平均(2年平均)としている。
 そのため、2020年基準のウエイトの算定には、総務省が公表する産業連関表(2020年基準指数では「令和2年(2020年)産業連関表」(基本表))の付加価値額を用いているが、「2019-2020年平均」のウエイトを算定するために必要な2019年の付加価値額は、2020年と2019年の延長産業連関表(経済産業省)の変化率などを利用して推計し、全体を10,000.0とする1万分比で表示している。

季節調整

米国商務省センサス局が開発したX-12-ARIMAにより季節調整を行っている。X-12-ARIMAでは、季節要因に加え、曜日・祝祭日要因、うるう年要因、月の長さ要因についても調整が可能で、季節調整済指数は以下のように算出される。 併せてX-12-ARIMAにより異常値処理も行っている。
季節調整済指数=原指数÷季節指数(曜日、祝祭日、うるう年、月の長さ要因を含む)

第3次産業総合の季節調整済指数の作成方法

第3次産業総合の季節調整済指数は、2005年基準までは末端系列の原指数を加重平均により総合した第3次産業総合の原指数に対し季節調整を施す方法(直接調整法)により算出していたが、2010年基準では大分類11業種の季節調整済指数を加重平均して第3次産業総合を作成する方法(間接調整法)に変更した。2020年基準でもこの間接調整法を踏襲し第3次産業総合を作成している(2020年基準では大分類10業種の季節調整済指数を加重平均)。

なお、直接調整法により算出した第3次産業総合の季節調整済指数も参考系列として公表している。

接続指数

接続指数は、過去の基準指数を便宜的に現在の2020年基準指数に接続したものであり、2020年基準の範囲外となる2017年12月以前の指数値を、簡易な計算によって2020年基準に直して長期の時系列データが利用できるようにしたものである。

計算方法は、過去の基準指数にリンク係数を乗じている。採用データの変更などによって連続性が認められない系列については、接続指数を作成していない。

なお、原指数、季節調整済指数のいずれを接続する場合においても、リンク係数の算出には季節調整済の指数値を用いている。

データの補正

当月分公表時に、前月、前々月、3か月前の過去3か月分の指数値を遡及計算している(2021年4月分(2021年6月公表)から実施。これ以前は前月、前々月の過去2か月分の指数値を遡及計算していた)。

このほか、原則毎年2月分公表時に、前年1月分以降のデータを一括して修正(年間補正)しており、この年間補正処理をもって前年1月分~12月分の指数値が確定されることとなる。

統計の沿革

【統計開始年】
昭和53年(1978年)
【統計の沿革】

昭和49年に指数の開発・作成に着手し、昭和51年8月に1970(昭和45)年基準指数を試算指数として公表した。

昭和53年10月には使用統計や推計方法等について所用の改善を加え、1975(昭和50)年基準の第3次産業活動指数を本格的に作成・公表した。

その後は統計審議会の答申に従い、5年ごとに基準年の変更を行っている。1990(平成2)年基準までは四半期ごとの公表だったが、平成11年3月分から月次公表となっている。

統計の利活用事例

第3次産業活動指数は、「月例経済報告」、「景気動向指数」(いずれも内閣府)等で利用されている。

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最終更新日:2025年4月23日