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| ① ソフトウェアエンジニアリングの開発 |
| ソフトウェアの信頼性・開発効率の抜本的向上を図るため、産学が結集してソフトウェアエンジニアリング(※)の知の体系化・創出を行い、その普及・展開を行う拠点として、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)の中にソフトウェア・エンジニアリング・センター(SEC)を設置しています。 ※ソフトウェアの開発・保守に関する理論・方法・ノウハウなどを体系化し、現場で活用できるようにする取組 近年のソフトウェア開発規模の拡大、開発期間の短縮化、開発主体の多様化などの進展や、その結果生じている情報システム・ソフトウェアを原因とするトラブルの影響拡大により、ソフトウェアエンジニアリングに求められる役割はますます重要なものとなっています。こうした中、SECの具体的な活動内容は以下のとおりです。 1)エンタープライズ系分野 企業で開発される情報システム・ソフトウェアの品質等に関する定量データと事例の収集・分析・公表や、ユーザ・ベンダ間において共有すべき開発プロセス、費用の見積り手法の提示などにより、情報システム・ソフトウェアの信頼性・開発効率の向上を図ります。 2)組込み系分野 組込みソフトウェア(※)に特化したコーディング作法(ESCR)、開発プロセスの評価・改善手法(ESPR、ESMR)、開発スキル標準(ETSS)などを開発し、その有効性を検証するための実証実験を実施します。さらに、こうした成果物の活用を促し、組込みソフトウェア開発の高度化を支援します。 ※組込みソフトウェア:機器に組み込まれて機能を実現しているソフトウェア 3)海外研究機関との共同研究等 海外の研究機関(米国のカーネギーメロン大学、ドイツのフラウンホーファ財団など)と共同研究を行います。また、国内における成果の標準化活動を行います。 |
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| ② 高信頼な基盤ソフトウェアの開発 |
| 近年、規模とともに付加価値の拡大が著しく、また、高い安全性が求められる自動車の制御系(エンジン、ブレーキ、ステアリングなど)の基盤ソフトウェアを、有限責任中間法人JASPARへの委託により業界横断的に共同開発します。基盤ソフトウェアの開発のほか、その開発を支援するツールの開発、開発プロセスなどの確立を行います。その際、①で開発したソフトウェアエンジニアリングを適用します。  こうした取組により、以下の効果が期待されます。 ・高い信頼性の基盤ソフトウェアの開発 ・自動車のソフトウェアの非競争領域への各社の重複投資の回避(競争領域への投資の促進) ・基盤ソフトウェアに搭載するアプリケーションの再利用化による開発効率の向上 ・自動車のソフトウェア開発を担うベンダ等の育成 ・業界横断的なソフトウェア開発プロセスの整理(マルチベンダ開発体制の整備) ・海外機関との連携による基盤ソフトウェアなどの国際標準化 |
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| ③ 次世代検索・解析技術の開発 |
| 多種多様で大量な情報があふれる高度情報化社会において、イノベーションによって誰もが豊かな生活を送る仕組みをつくり出していくためには、情報を的確に「検索・解析」する技術が重要な鍵となります。このため、多種多様な情報の中から的確な情報を検索・解析する技術(次世代検索・解析技術)を開発するとともに、それら技術をオープンにして誰もが利用できる社会基盤(コラボレーションプラットフォーム)を構築し、イノベーションの基盤を整備します。あわせて、国際競争力の観点から、開発した技術について共通化・汎用化し、国際標準化提案をしていくとともに、個人情報保護・著作権などの制度面についても環境整備を図ります。  ◇ LINK≫ ・情報大航海プロジェクト |
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| ④ “オープンな標準”の利用促進 |
| ITシステムの調達コストの削減及びITマーケットにおける健全な競争環境の構築を図るため、「情報システムに係る政府調達の基本指針」において、“オープンな標準”に基づく調達及び分割調達が謳われています。ここで“オープンな標準”とは、原則として、1)開かれた参画プロセスの下で合意され、具体的仕様が実装可能なレベルで公開されていること、2)誰もが採用可能であること、3)技術標準が実現された製品が市場に複数あること、のすべてを満たしている技術標準を指します。 これまで、自治体等の公的分野の情報システムにおいて、“オープンな標準”に基づく調達の上で重要な役割を果たすオープンソースソフトウェア(OSS)の導入実証を行い、実用レベルに達しているとの評価を受けています。しかしながら、情報システムの重要な領域でOSSを活用するには、信頼性の向上、サポート体制の強化などが必要とされています。 こうした現状を踏まえ、OSSの信頼性向上・互換性確保に貢献する技術の開発を行います。このほか、“オープンな標準”の利用のための技術的なガイドライン(情報システム調達のための技術参照モデル)の策定・普及、連携ソフトウェアの技術評価、OSSのサポート側・調達側双方に向けた人材育成カリキュラムの作成・普及、“オープンな標準”の導入事例の収集・広報などを行います。 ◇ LINK≫ ・オープンソフトウェア・センター |
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| ⑤ 優れた能力を持つ人材の発掘・育成 |
| ソフトウェア分野の成功例を見ると、独創性を有した優れた個人又は数名のグループにより比較的短期間に生み出されています。一方、我が国の成功例は欧米に比較して圧倒的に少なく、優れた能力を持つ人材が企業や大学などに埋もれている可能性があります。 こうした現状を踏まえ、独創性を有した優れたソフトウェア開発人材を発掘し、ソフトウェアの開発を通した育成を行います。具体的には、優れた実績を持つプロジェクトマネージャーを配置し、指導・助言などを行います。 また、発掘・育成した人材の海外展開をサポートするため、海外におけるベンチャーキャピタリストやビジネスパートナーとのマッチングの場の提供などを行います。さらに、本事業で採択された開発者のデータベースを整備するなどして、コミュニティを形成していきます。 ◇ LINK≫ ・未踏IT人材発掘・育成事業 ※平成20年度の公募は終了しました。 |
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| ⑥ ベンチャー企業の振興 |
| 現在、スタートアップ、アーリーステージ期のIT系ベンチャー企業においては直接金融による資金が十分確保されておらず、SaaSなどの新たなイノベーションは創出されにくい状況にあります。 こうした現状を踏まえ、優れた技術シーズをもとにSaaS関連の新しいビジネスモデルや技術を活用して事業化を目指すIT系ベンチャー企業を発掘し、そのビジネスモデルを実現するための開発などに対し支援を行います。具体的には、優れた実績を持つプロジェクトマネージャーを配置し、開発・ビジネスモデルへのアドバイスなどを行います。なお、開発成果については、⑧で開発するSaaS基盤システムと連携することとしています。 ◇ LINK≫ ・中小企業経営革新ベンチャー支援事業 ※平成20年度の公募は終了しました。 ◇ LINK≫ ・エンジェル税制(ベンチャー企業投資促進税制) |
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| ⑦ 組込みソフトウェア開発技術の高度化の推進 |
| 1)組込みソフトウェアに関する研究開発支援 組込みソフトウェアに関する技術は、我が国が世界に誇るものづくり産業を支える重要な技術であることから、「特定ものづくり基盤技術」に指定し、中小企業の担う組込みソフトウェア技術の研究開発に対して支援を行います。 具体的には、中小企業が目指すべき技術開発の方向性を取りまとめた「特定ものづくり基盤技術高度化指針」に基づき認定を受けた研究開発計画に対し、金融の円滑化措置、特許化に関する特例措置、委託による支援を行います。 ◇ LINK≫ ・ものづくりに取り組む中小企業への支援策 2)組込みシステム検証手法の試験施設整備 組込みソフトウェアに関する技術の中でも検証手法は、システム規模の拡大や機能の多様化に伴い複雑化・多様化してきており、企業ごとに効果的な手法を追求していくことがコスト的にも時間的にも難しい状況です。 こうした現状を踏まえ、独立行政法人産業技術総合研究所(AIST)のシステム検証研究センター(CVS)において、多様な組込みシステム(※)に対応できる先端的・実践的な検証手法の研究を促進するため、研究成果の実証を可能とする試験施設を整備します。ここに企業等が集い、共同研究を行うなどにより、当該施設が組込みシステム検証分野の拠点となることが期待されます。 ※組込みシステム:組込みソフトウェアを含み、機器の機能を実現しているシステム ◇ LINK≫ ・ソフトウェア信頼性技術の研究開発・人材養成の産学官連携活動を強化 (参考)組込みシステム開発技術の高度化を目指す活動 組込みシステムは、全国各地で複数の企業、大学などが集う協議会が立ち上がり、情報交換等が行われています。中でも社団法人組込みシステム技術協会(JASA)は、全国規模の組織として、研究会や大規模な展示会の開催など、業界の技術向上などを図る活動を行っています。 ◇ LINK≫ ・組込みソフトウェアレポート2008 ~地域における先進的取組み事例~ (参考)組込みソフトウェア産業の実態調査 経済産業省では、我が国の組込みソフトウェア産業の実態を把握するため、組込みソフトウェアに関連する企業を対象として「組込みソフトウェア産業実態調査」を実施し、その結果を公表します。また、各種イベントにおいて、組込みソフトウェア産業に関する政策について講演を行います。 ◇ LINK≫ ・ET2008カンファレンス(2008年11月19日)における講演資料 |
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| ⑧ 中小企業のIT利活用を促すためのSaaSの普及 |
| 中小・小規模企業のIT化が進んでいない要因として、コストの負担感が大きいことや専門人材を確保できないことが挙げられています。こうした状況を打開するため、インターネットを活用することでコストを抑え、ITの専門人材を必要としないSaaS(※)の普及が重要とされています。そこで、SaaSの基盤となるシステムを構築し、中小・小規模企業が安価かつ容易に業務効率化を行うことのできるサービスを提供します(平成21年3月末にサービス開始予定)。 ※SaaS:インターネットを活用したソフトウェア提供サービス  具体的には、多数の中小・小規模企業からのアクセスに耐え、適切なセキュリティ、安定稼働を確保できるインフラを構築し、簡単なアクセスを可能にするシングルサインオン機能、異なるサービス間のデータ連携機能、スムーズな公的電子申請への接続、一括課金機能などを有するポータルサイトを開発します。 さらに、その基盤システムに、財務会計、給与計算、税務申告など中小・小規模企業のニーズが高いアプリケーションを搭載し、利用者に対して利便性の高いサービスを提供します(具体的なサービスの種類は、アプリケーションの開発を委託した企業を参照)。 なお、中小・小規模企業に対し日常的に様々な支援を行っている財務会計の専門家、中小企業行政の専門家、ITコーディネータ、地域ITベンダ、IT流通業者などの人的ネットワークを構築し、利用者への普及活動・サポートを充実させます。まず、平成21年1月から、関心のある中小・小規模企業を対象とした研修を全国各地で行います。具体的な日程・場所などについては、決まり次第公表します。 ◇ LINK≫ ・基盤システムの開発に係る委託先の公募結果 ※平成20年度の公募は終了しました。 ◇ LINK≫ ・アプリケーションの開発に係る委託先の公募結果 ※平成20年度の公募は終了しました。 (参考)SaaS向けSLAガイドラインの策定・公表 新しいサービス提供形態であるSaaSにおいて、サービス利用者が安心して利用するために、利用者と提供者間で認識すべきサービスレベル項目や確認事項などについて定めた「SaaS 向けSLA ガイドライン」を策定・公表しています。これによりSaaSの普及拡大を期待しています。 |
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