経済産業省
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東アジア経済統合に向けて

日ASEAN

1、概要

ASEANは「世界の成長センター」として世界経済を牽引しており、今後とも大きく発展していくことが見込まれます。我が国にとってASEANは重要な貿易相手であり、ASEANにとっても、我が国は、中国や米国と並ぶ最大の貿易相手国です。また、投資分野においても、我が国にとってASEANはアジアの中で最大の投資先となっています。

2013年は、日本とASEANの交流開始から40周年であり、安倍総理は、2013118日のインドネシア・ユドヨノ大統領との会談に際して、今後の我が国の対ASEAN外交5原則を説明しました。

1)自由、民主主義、基本的人権等の普遍的価値の定着及び拡大に共に努力をしていくこと。
2)「力」でなく「法」が支配する自由で開かれた海洋は「公共財」であり、これを共に全力で守り、米国のアジア重視を歓迎すること。
3)様々な経済連携のネットワークを通じ、モノ、カネ、ヒト、サービスなど貿易及び投資の流れを一層進め、日本経済の再生につなげ、共に繁栄すること。
4)アジアの多様な文化・伝統を共に守り、育てていくこと。
5)未来を担う若い世代の交流を更に活発に行い、相互理解を促進すること。

東アジアが様々な課題に直面する中、統合を進め、成長するASEANは、地域の安定と繁栄にとって、ますます重要性を増しており、今後、安倍総理の発表した5原則も踏まえ、戦略的関係を構築していくことが求められています。

2013年12月14日には、東京・赤坂の迎賓館において、安倍総理とボルキア・ブルネイ国王との共同議長の下、日・ASEAN特別首脳会議が開催されました(タイは副首相が代理出席)。

日・ASEAN特別首脳会議の成果として、日本とASEANの未来の方向性を示す文書として、「平和と安定のパートナー」、「繁栄のパートナー」、「より良い暮らしのためのパートナー」、「心と心のパートナー」という4つの柱からなる「日・ASEAN友好協力に関するビジョン・ステートメント」が採択されました。

また経済産業省は、日・ASEAN特別首脳会議のサイドイベントとして、2013年12月15日に「日 ASEAN40周年記念経済フォーラム」及び「アセアン・フェア2013」を開催しました。

参考:開かれた、海の恵み ―日本外交の新たな5原則―(2013118日)
http://www.kantei.go.jp/jp/96_abe/statement/2013/20130118speech.html

ASEAN友好協力40周年
http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/asean/j_asean/ja40/index.html

日・ASEAN特別首脳会議(概要)(20131214日)
http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/page3_000594.html

ASEAN40周年記念経済フォーラム、アセアン・フェア201320131215日)
http://www.meti.go.jp/policy/trade_policy/east_asia/activity/nasean.html#part04

  • 日本とASEANとの貿易額の推移
  • 日本の対外直接投資残高

2、日ASEAN経済大臣会合

日本とASEANとの間の経済連携や協力などについては、主に日ASEAN経済大臣会合(AEM-METI)で議論されます。我が国は、経済連携、連結性強化、成長の質の向上の3本の柱に基づき、ASEANと積極的に協力関係を築いています。
日本とASEANとの間の経済連携や協力の具体的な内容は、高級経済事務レベル会合(SEOM)での議論を経た後、AEM-METIにて方向性が決定されます。その内容はさらに同年の日ASEAN首脳会議に報告されます。
また、AEM-METIの下部組織であるAMEICC(AEM-METI Economic and Industrial Cooperation Committee(日ASEAN経済産業協力委員会))では、AEM-METIで示された方向性に基づき、ASEAN域内での具体的な経済・産業協力を実施しています。

3、日ASEAN包括的経済連携(AJCEP、エージェーセップ)協定

日本とASEAN全体との間のEPAである日ASEAN包括的経済連携(AJCEP)は、2008年12月1日に日本、シンガポール、ラオス、ベトナム、ミャンマーとの間で発効後、順次利用が可能になり、2013年12月末現在インドネシアを除く10カ国との間で発効しています。

AJCEPは既存の二国間EPAとは法的な優先関係が存在しない全く別個の協定であり、AJCEPと二国間EPAで条件(原産地規則、特恵税率等)の良い方を利用することができます。また、AJCEPは原産地規則における累積規定(※)が日本及びASEAN域内で適用され、日ASEAN域内での特恵の利用可能性が広がることも大きな魅力の1つです。

※例えば、日本企業が本協定上の日本原産の商品を用いて、ある産品をタイで生産し、本協定の下でタイからマレーシアに輸出する場合に、当該日本原産の部品がタイの原産の部品とみなされるという規定。

また、2013年12月にはサービス貿易章・投資章についても実質合意に至りました。

4、日ASEANの取組

「世界の成長センター」として世界経済を牽引しているASEANではありますが、ASEANの成長には、経済格差、経済・制度インフラの不備、都市化、環境問題等、多くの制約要因が存在しています。このような課題を解決するためには、我が国の経済発展の経験・知見を共有するととともに、より現地に根差した取組を一層進めていく必要があります。このような取り組みを通じて我が国がASEANの経済成長を促進し、「架け橋」となれるよう、以下のような取組を進めています。

(1)「日ASEAN40周年記念経済フォーラム」及び「アセアン・フェア2013」

2013年12月13日~15日に開催された日ASEAN友好協力40周年特別首脳会議のサイドイベントとして、2013年12月15日に東京プリンスホテルにて「日ASEAN40周年記念経済フォーラム」及び「アセアン・フェア2013」を開催しました。
※「アセアン・フェア2013」はジェトロとともに開催。

「日ASEAN40周年記念経済フォーラム」では、ASEAN7カ国の経済閣僚、ASEAN事務総長、日ASEAN双方の経済界・有識者・政府関係者(約500名)の参加を得て、日ASEANの中長期的な経済協力の道筋について議論しました。

「アセアン・フェア2013」では、日本側から20の企業・団体・大学等の出店者、ASEAN側からは10カ国の在京大使館の参加を得て、日ASEAN双方向での貿易・投資・観光促進に向けた展示会を開催しました。

  • 経済フォーラム
  • アセアン・フェア2013

 

(2)日ASEAN10年間戦略的経済協力ロードマップ

2012年8月30日(木)、カンボジア・シェムリアップにて日ASEAN経済大臣会合が開催され、2022年までに日ASEAN間の貿易・投資額を倍増することなどを目指し、年間戦略的経済協力ロードマップに合意しました。

ロードマップの3つの柱である①ASEAN及び東アジア地域の市場統合、②産業構造の高度化を目指した協力強化、③経済成長・生活の質の向上を基礎に、日ASEANの市場及び生産ネットワークのさらなる統合を推進します。具体的な取り組みの主な内容は以下のとおりです。

ASEAN及び東アジア地域の市場統合

  • 基準認証制度の調和促進
  • ・ アジア化学物質管理研究センター設立の可能性の検討を含む化学物質管理制度の調和促進
  • ・ 国際条約加盟などによる知財保護強化

②より高度化された産業構造を目指した産業協力の強化

  • ・ 中小企業(特に裾野産業)の育成支援や中小企業ネットワークの強化と拡大
  • ・ 経済回廊の整備やスマートコミュニティの推進などASEANにおけるハード・ソフトインフラの開発
  • ・ 人工衛星の運用や画像解析のための人材育成など人工衛星技術の活用における協力促進

③経済成長及び生活の質の向上

  • ・ 災害リスク予測を目的とした衛星システムの導入など災害に強い東アジアの構築
  • APEN(アジア高度専門職人材育成ネットワーク)による日本型高専システム(マルチバーシティ)の展開など産業人材育成支援
  • ・ 二国間オフセット・クレジット制度の構築など持続可能な経済成長に向けた協力強化

 

(3)ASEANロードショー

  • ASEANロードショー

 

2012年4月25日(水)から28日(土)まで、ASEAN経済大臣等が貿易・投資等の促進を目的として仙台・東京を訪問する「ASEANロードショー」が開催され、今次ロードショーの成果を共同声明として発表しました。

○25日(水)には仙台で枝野大臣が歓迎。

○26日(木)には仙台の被災地を視察し、災害に強い東アジア経済に関するシンポジウムに参加。その後総理を表敬、国会議員との意見交換会を実施(当省より中根政務官が参加)。

○27日(金)には中小企業等を視察した後、経団連、日商との会合や、投資フォーラム・FTAシンポジウムに参加。

○28日(土)には、枝野大臣が官民政策対話、日ASEAN経済大臣会合を主催。今次ロードショーの成果として、発展する地域枠組みの中での貿易・投資の促進、将来に向けたASEANと日本の戦略的経済関係の強化、及び、災害に対する強靱性の強い東アジア社会の構築を謳った共同声明を発表。

(4)ASEAN事務総長と在ASEAN日本人商工会議所連合会(FJCCIA)との対話

本対話は、在ASEANの日系企業が進出先で直面する事業環境の問題点につき、ASEAN事務総長と対話する場として2008年に開始されたものです。2011年7月にクアラルンプールにおいて開催された第4回の対話では、従来の在ASEAN日本人商工会議所連合会とASEAN事務総長との対話に、新たに我が国とASEAN各国の経済大臣を加え、より着実な要望の実現に向けた議論を行いました。

第6回の対話は2013年7月にハノイにおいて開催され、その結果は2013年8月に開催されたAEM-METI(日ASEAN経済大臣会合)で経済大臣に報告されました。

■第5回対話:2012年7月21日(於:バンコク)
■第4回対話:2011年7月9日(於:クアラルンプール)

在ASEAN日本人商工会議所連合会とASEAN事務総長との対話に加え、ASEAN10ヶ国の経済大臣、我が国からは海江田経済産業大臣(当時)が出席。ASEANの貿易投資を拡大することで、共に経済発展していくことの重要性を確認。また、日本企業のASEAN各国に対する事業環境の改善要望につき、我が国からの支援を表明しつつ、ASEAN側の責任をもった対応と進捗管理、報告を要請。

  • 第4回対話
  • 第4回対話
  • ■第3回対話:2010年7月6日(於:シンガポール)
  • ■第2回対話:2009年6月29日(於:ジャカルタ)
  • ■第1回対話:2008年9月10日(於:バンコク)

5、参考

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