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競争力ある生成AI基盤モデルの開発に係る事前調査について

2024年4月12日
商務情報政策局
情報産業課

経済産業省では、生成AIの開発を加速させる観点から、基盤モデル開発に対する支援事業の公募をこれまで2度実施してまいりました。
国際的に生成AIの開発競争が激しくなっている現状を踏まえ、今後も競争力ある基盤モデル開発への支援を続けていく予定です。今後の公募に先立ち、公募・採択をより円滑に進めるため、以下の要領で事前調査を実施いたします。
本事前調査への参加は支援事業の採択条件ではありません(本事前調査で支援採択が決まるものでもありません)が、円滑な支援事業の実施に向け、御協力をお願いいたします。特に、必要と見込まれる計算リソースの量・タイミング、調達を希望する計算リソース提供者、自らで計算リソースの調達が可能かどうかの見通しについて、確認したいと考えています。
なお、公募や本事業実施にあたっての詳細については、今後公表されるNEDOの公募要領等をご確認ください。

1.件名

競争力ある生成AI基盤モデルの開発(助成)

2.背景・内容

生成AIは、従来のAIでは不可能だった、様々な創造的な作業を人間に代わって行える可能性があることから、産業活動・国民生活に大きなインパクトを与えると考えられており、ポスト5G情報通信システムのキラーアプリケーションとしても位置づけられる。

2023年5月にAI戦略会議で取りまとめられた「AIに関する暫定的な論点整理」においては、「いま生成AIによって世界の変革がもたらされようとしている中、可及的速やかに生成AIに関する基盤的な研究力・開発力を国内に醸成することが重要」とされており、政府として取組の一層の加速が求められている。加えて、「生成AIの技術革新のスピードや予見可能性の低さを踏まえると、従来の政府による開発促進策では対応が難しい」、「市場原理を最大限尊重し、迅速、柔軟かつ集約的にプレイヤーの取組を加速するような支援を政府としても行っていくことが期待される」と明記されているところ。

その生成AIの鍵を握るのは、基盤モデル開発である。基盤モデルは、生成AIを活用した様々なサービスを支える個別モデルを生み出すコアの技術基盤であり、基盤モデルの開発力の有無は、我が国における生成AIの利用可能性や創出するイノベーションの幅を決し得る。このため、日本として基盤モデルの持続的な開発力を強化していく必要があり、それに向けて、基盤モデルの開発力の底上げを図りつつ、企業等の創意工夫を促すことが重要である。

他方、生成AIは黎明期であり、あらかじめ開発すべき基盤モデルや開発体制を特定することは困難。そのため、本テーマでは開発アイデアを広く募集した上で、支援対象を絞り込む形で基盤モデルの開発に取り組むこととする。

なお、本テーマの実施にあたっては、基盤モデル開発の加速にあたって重要である、知見の共有や客観的な性能評価の実施、良質なデータを確保する観点から、データホルダーとのマッチング支援、グローバルテック企業との連携支援やコミュニティイベントの開催、開発される基盤モデルの性能評価等を実施する者(開発加速支援者)を別途選定することとする。

3.支援対象

本事業で支援対象となるのは、以下の基盤モデル開発。提案者にて、提案時に開発内容を提案すること

なお、本基盤モデル開発に併せて、社会実装を見据え、当該基盤モデルを元にした個別モデルの開発を行うことは妨げない。また、他社の巻き込みを含めた社会実装の取組について、支援先の選定において、重点的に審査する予定。

4.支援先の選定方針

支援先は提出された申請書をもとに、以下のポイントに基づき審査を行うことを想定。開発されたモデルの社会実装を見据え、「想定する市場規模」や「実用化・事業化計画の具体性・実現可能性」により重点を置いて審査を行う予定。なお、現時点の想定であり、今後変更の可能性がある。

大項目 小項目 審査のポイント
提案技術の評価 研究開発計画との合致性(必須)
  • 開発内容は支援事業の目的と合致しているか
  • データ、既存モデルの知財を侵害しない取組かなど
提案内容の新規性
  • 開発内容に新規性はあるか、開発によってブレークスルーや新しい価値が期待できるか
  • FATE原則(公平性・説明責任・透明性・倫理)の観点で有益な取組となっているか(例:開発プロセスの透明性の確保、ハルシネーションや有毒コンテンツ生成等に対する対処など)
目標とする技術レベル・性能(定量的な目標)
  • 開発する基盤モデルについてベンチマーク性能など定量的な目標が設定されているか、助成対象となる計算リソース量も踏まえたうえで、挑戦的な目標設定となっているか、また目標設定の妥当性は十分示されているか
  • 学習に用いるデータの数量、パラメータ数などに挑戦的な目標が設定されているか
提案開発の実現可能性
  • 目標を達成するために解決すべき課題やそれに対する具体的な方策、実行可能な計画が示されているか
  • 計算リソースの利用量・利用期間が適切かつ効率的に見積もられているか
提案者の能力評価 開発実績
  • 基盤モデルの開発や、多数のGPU等を用いた計算環境の利用に関して、十分な経験を有しているか
  • (これまで2度公募を実施した基盤モデル開発支援事業に参加している事業者については、)その支援事業での成果はどうか
  • 既開発の基盤モデルのユーザー等からの評価はどうか
実施体制の妥当性
  • 実施体制は開発内容を遂行するに足る体制となっているか
  • 我が国のAI開発人材基盤の強化に資する取組となっているか
実用化・事業化の評価 成果の公開度、及び国民生活や社会への波及効果
  • 開発詳細の公表、モデルのオープン化、開発コード・データ等のオープン化などへの取組
想定する市場規模
  • 開発したモデルによって見込まれる市場獲得の規模は十分か、その妥当性が示されているか
実用化・事業化計画の具体性・実現可能性
  • 実用化・事業化に向けた計画は具体的か、海外展開に向けた検討はなされているか

5.支援方法

基盤モデルの開発とその評価に必要な計算リソースの提供という形で支援を行うこととし、現時点では、計算リソースの利用料のみを助成対象とする予定。計算リソースの利用料について、中小企業等経営強化法に基づく特定事業者と学術機関等については、助成率2/3とし、これに該当しない企業については助成率(1/2)を導入することとする。なお、計算リソースの提供事業者・利用時間・利用量等については、経済産業省・別途募集する開発加速支援者と調整の上、指示に従うことを条件とする。

なお、上記の支援方法や計算リソースの提供事業者等については、調整中であり、変更の可能性がある。その参考とするため、提出様式「(3-3)データの整備について(開発・整備するデータセットの内容)」と「(3-3-2)データの整備について(積算)」について、より詳細に記載をお願いいたします。

6.参加資格

支援対象は「居住者」とし、日本国内に基盤モデル開発の中心的拠点を設置するなど、日本における長期的な基盤モデル開発のコミットメントを行うことを要件とする。なお、外資企業の子会社(日本法人)も参加可能とする。

※詳細な参加資格については、NEDOの公募要領を確認のこと。

7.基盤モデル開発の実施期間(予定)

2024年10月頃から半年間(2024年7月頃に公募開始)

8.事前調査の実施期間

2024年4月12日から2024年4月25日まで

9.事前調査の提出方法

「8.事前調査の実施期間」の期間中に、別添の申請様式に必要事項を記入の上、「10.本件に関する連絡先」の宛先へ電子メールで提出のこと。

10.本件に関する連絡先

〒100-8901 東京都千代田区霞が関1-3-1
経済産業省 商務情報政策局 情報産業課(本館3階東6)
担当者:杉之尾、古賀
E-MAIL:bzl-softsitu-jimu@meti.go.jpメールリンク

関係資料等は以下からダウンロードしてください。
  • 「競争力ある生成AI基盤モデルの開発に係る事前調査について」本文(PDF)
  • PDF形式:207KBPDFファイル

最終更新日:2024年4月12日