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インタビュー|通商・貿易分野|経済安全保障

通商・貿易分野経済安全保障

木佐 允彦貿易経済協力局 貿易管理部 安全保障貿易管理政策課 課長補佐(2022年8月時点)

木佐允彦の正面写真

国際秩序の揺らぎ

今、民主主義、法の支配、自由で公正な競争といった価値観を基調とする国際秩序の根幹が揺らいでいます。米中間の競争が本格化し、経済政策と安全保障政策を連動させる動きが顕在化していることや、ロシアが、ウクライナに対して国際法に違反した侵略を行っていることがその象徴です。経済産業省は、こうした大きな国際情勢の変化の中において、どのような通商・貿易政策を展開していくのか検討し、実行することが求められています。具体例をお示ししたいと思います。

ロシア制裁と価値観を共有する国々との連帯

経済産業省は、日本からの貨物等の輸出について、経済産業大臣の許可・承認を得なければならないとする制度を所管しています。2022年 2月にロシアがウクライナに侵攻した際、私が所属している貿易管理部では、経済制裁として、先端技術品目等のロシアに対する輸出について本制度を適用する措置をG7各国等と協調して迅速に打ち出しました。対象品の検討、国内法令化作業を、短期間で実施する必要があり、非常にタフな業務となりましたが、ロシアに対する圧力になる ともに、なによりG7をはじめとする各国が法の支配といった共通の価値観に基づき結束して行動できることを改めて国内外に示す結果につながりました。

経済安全保障の確保

日本は、自由で公正な競争といった価値観に基づく国際秩序の維持・発展に貢献すべき立場にあります。同時に、国際的に経済政策と安全保障政策を連動させる動きが見られる中、現実的な対応をとる必要もあります。経済産業省は、自由な経済活動と安全保障確保の適切なバランスを追求した政策の一翼を担っています。例えば、日本のイノベーション基盤強化には、研究環境のオープン化が大前提ですが、研究活動が透明性を欠く形で外国政府等からの影響を受けることがあれば、我が国などの安全保障の悪化につながるおそれがあります。このため、特に安全保障上機微な技術の提供について、外国政府等からの影響が排除できない等の場合に、経済産業大臣の許可を得て実施をすることを義務づけるなどの政策を講じています。これは日本を技術流出による安全保障上の脅威から「守る」ことに主眼を置いた政策です。同時に、経済の観点から安全保障を確保するには、どのような日本の技術等を安全保障の観点で維持・強化すべきか「知る」ための取組や、それを研究開発支援等を通じて「育てる」ための取組を合わせた「統合的なアプローチ」が必要です。

「統合的なアプローチ」の中で

このためには、経済、外交、防衛、科学技術など様々な分野や産業を所管する省庁が内閣官房の全体調整の下で連携して対応する必要があります。これは、経済安全保障の分野に限らず、激変の途上にあり、様々な問題が複雑に絡み合う国際環境下において、多くの政策で共通します。その中で、経済産業省は産業施策やイノベーション施策などを幅広く所管しており、また、それぞれの分野にエキスパートがそろっています(私も、安全保障や危機管理を軸にしたキャリアを歩んでいます)。経産省はまさにこのような「統合的なアプローチ」について広く深く関与し、とことん議論できる環境がそろっています。
通商・貿易政策だけにとらわれてしまうと真に必要な政策にたどり着くことはできません。幅広い分野の政策を厚い人材で支える経産省の強みを感じながら、関係省庁と、日々議論をし、政策を練り上げています。

経済産業省Ministry of Economy, Trade and Industry, JAPAN

お問い合わせ先

経済産業省 大臣官房 秘書課 採用担当
E-Mail:bzl-recruit@meti.go.jp
TEL:03-3501-0085
※基本は、メールでのお問い合わせをお願いします。

最終更新日:2023年12月21日