
2024/10/23
2024年7月16日(火)、第2回目となるGENIAC主催の有識者イベントをオンラインとオフラインのハイブリッドで開催しました。当日はMicrosoftからAI基盤モデル開発のスペシャリスト2名が、AI基盤モデルの開発動向と社会実装、今後の展望について講演し、採択事業者や関係者と知見を共有しコミュニティの親睦を深めました。
Microsoftが開発するSLM「Phi-3」を解説
最初にオンラインで登壇したのは、Microsoftが開発を進めるSLM(小型言語モデル)「Phi-3」の開発担当者であるパートナーリサーチマネージャー Hany Awadalla氏。プレゼンは英語で行われ、同時通訳が提供され、参加者とのQ&Aセッションも実施されました。
Modi氏はAI開発におけるビジョンを説明し、従来のLLM(大規模言語モデル)と比較して小型で軽量ながらも高コスト効率と高品質を兼ね備えた「Phi-3」ファミリーの開発が進んでいることを強調し、それぞれが小型モデルであっても医療分野など特定のドメインにおいて高い性能を発揮し、特定のユースケースに最適化したAIモデルが構築できると結びました。
LLMアプリのセキュリティ対策の現状と社会実装の実例
続いて、アジアグローバルブラックベルト AI/ML スペシャリスト 棚橋 信勝氏が登壇し「LLMアプリ開発と社会実装」をテーマに講演を行いました。プレゼンでは、Phi-3シリーズの安全性確保、コンテンツフィルタリングの仕組み、AIアプリの具体的なユースケースについて解説しました。
板橋氏から、安全性確保のためには、脆弱性の特定とモデルの継続的な改良や、セキュリティやAIリスクに対する脆弱性のテストにより、特定のリスクカテゴリーへの対策が可能であることが紹介されました。
そして、企業がLLMを導入する際の重要なポイントとして、従業員のエンパワーメント、社内DXによる業務効率化、顧客エンゲージメントの改善という3段階の導入フェーズに応じてユースケースを展開することの重要性を強調しました。
講演後の質疑応答では、会場からMicrosoftが専門性の高い独自のドメイン知識やデータセットをどのように構築しているかといったなどの質問が寄せられました。

今後もGENIACでは、定期的にAI開発の有識者を招いたイベントや勉強会、事業採択者とユーザー企業とのマッチングイベントなどを開催する予定です。日本におけるAIの利活用を牽引する採択事業者と、GENIACの今後の活動にご期待ください。
GENIACトップへ最終更新日:2025年1月22日