ヘルスケアスタートアップ政策

背景・概要

 我が国の高齢化率は世界最高水準にまで高まり、老化に伴う疾患や生活習慣病への対策が喫緊の課題となっている。そのため、国民の健康・医療に対する様々なニーズに対応する新たなヘルスケアサービスを社会に実装することで、予防・進行抑制・共生型の健康・医療システムや新産業の創出・活性化の基盤となるイノベーション・エコシステムを構築し、健康長寿社会の実現を図ることが重要である。
 一方、日本のヘルスケアスタートアップの企業数や資金調達額は諸外国に比して大幅に劣後しており、加えて、製品・サービスの実装に際して、エビデンス構築や実証を通じた効果検証等を行っていく必要があるものの、大学や医療機関、自治体等のコネクションが不足しており、社会実装が進まない課題を抱えている状況。また、海外の薬事承認プロセスにおいては、国内のエビデンスを流用することが難しく、当該国におけるエビデンスを別途構築する必要がある等、国内だけではなく海外展開を行う上でも同様のハードルが存在している。


 経済産業省では、こうした課題に対応していくため、ヘルスケアスタートアップからの相談を受けるとともに適切な伴走支援を実施している。また、エビデンス・ビジネスモデルの構築等の社会実装支援を担う拠点の整備を行うほか、海外におけるエビデンス・ビジネスモデル構築や薬事対応等を支援するプログラムを海外医療機関やアクセラレータ等と連携して提供しており、加えて、ヘルスケアに特化したグローバルカンファレンスを開催し、海外VCや事業会社等とのマッチングの機会を創出。ヘルスケア分野でのイノベーションを促進し、社会課題の解決及び国民の健康増進に資する新たなヘルスケアサービスの社会実装を実現することを目指す。

Healthcare Innovation Hub(InnoHub)

 InnoHubでは、ベンチャー企業等の相談を受け付けており、ヘルスケア関連有識者(InnoHubアドバイザー)やサポーター団体を紹介するだけでなく、ヘルスケア関連団体と連携し、相談者やInnoHubアドバイザー、サポーター団体にイベント等の関連情報を提供。
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ヘルスケアスタートアップ社会実装推進拠点

 ヘルスケアスタートアップが提供する製品やサービスの社会実装を促進するため、実証支援を行うコーディネーターや関連する実証フィールドを拠点としたヘルスケアスタートアップ社会実装推進拠点を整備。推進拠点においては、地域ごとの特性を生かした実証フィールドを整備しているほか、フィールドとなり得る複数の主体(大学、行政機関、医療機関、介護・福祉事業者、民間企業等)との連携を強化することで、社会実装までの一貫したサポート体制を構築している。

 

HealthTech Gateway

 JETROでは、2020年度から起業家等を海外に派遣するプログラムとして、J-StarXを実施。中でも、2024年度からは、医療・ヘルスケアスタートアップの海外進出を強力支援する2つのアクセラレーションプログラム「HealthTech Gateway」を開始した。

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Global Healthcare Challenge(GHeC)

 2025年大阪・関西万博の「健康とウェルビーイング」テーマウィークの機会をとらえ、2025年6月、大阪にて「Global Healthcare Challenge(GHeC)」を開催。本イベントでは、国内外のヘルスケアスタートアップが一堂に会し、新たなイノベーションの創出や健康課題の解決を目指すビジネスコンテストに加え、国内外のヘルスケア分野のキーパーソンやオピニオンリーダーを集めたシンポジウムやネットワーキングを実施。
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Japan Healthcare Business Contest(JHeC)

 ジャパン・ヘルスケアビジネスコンテスト(Japan Healthcare Business Contest(JHeC))は2015年度からを実施しており、ヘルスケア分野における課題解決に挑戦している優れた個人・団体・企業等の表彰を通して社会の認知度を上げ、大企業・ベンチャーキャピタル等とのビジネスマッチングを促進することで、それらの個人・団体・企業等の成長を促すことを目的としている
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ヘルスケアスタートアップと事業会社間の連携・出資・買収のための手引書

 本手引書は、ヘルスケアスタートアップ及び当該スタートアップとの連携・出資・買収を検討する事業会社を対象とし、ヘルスケア業界に関する基本的な市場環境やビジネス領域ごとの課題について、グローバルな視点も交えてまとめている。
 

お問合せ先

商務・サービスグループ ヘルスケア産業課
電話:03-3501-1511(内線4041)

最終更新日:2025年4月30日