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水銀に関する水俣条約第4回締約国会議第二部が開催されました
2022年3月31日
同時発表:環境省
本年3月21日(月曜日)から25日(金曜日)まで、インドネシア・バリにおいて「水銀に関する水俣条約第4回締約国会議第二部」が開催されました。今次会合では、条約の有効性評価の枠組みや水銀添加製品の規制の見直し等に関する議論が行われ、条約の有効性評価の枠組みが決定されたほか、電球形蛍光ランプなどの製造等を2025年末に禁止することに合意されました。
本会合は新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、対面の政府代表団の規模を限定して開催されました。
1.概要
令和4年3月21日(月曜日)から同年3月25日(金曜日)まで、インドネシア・バリにおいて「水銀に関する水俣条約(以下「条約」という。)第4回締約国会議第二部」(COP4.2)※が開催されました。会合には400名程度が現地参加し、日本からは外務省、経済産業省及び環境省の担当者が現地で交渉に臨みました。このほか、対面会合に参加できない国はオンラインで参加しました。
※第4回締約国会議第一部は昨年11月1日(月曜日)から5日(金曜日)にかけてオンライン 形式で開催され、2022年の予算及び作業計画が採択されました。
2.主な結果
条約の有効性評価の枠組みや附属書A及び附属書Bの見直し等の事項について、事務レベルでの議論が行われました。また、インドネシア政府によって水銀の違法貿易に関する「バリ宣言」が表明されました。(1)条約の有効性評価
条約第22条では、条約の発効から6年以内に条約の有効性評価(条約に基づく措置が条約の目的の達成に効果を上げているかを評価)を開始し、その後締約国会議が定める周期で定期的に評価を実施することが定められています。今次会合は、条約の発効から6年以内に開催される最後の締約国会議であったことから、有効性評価を実施するための枠組みについて議論されました。議論の結果、新たに設置される有効性評価グループ(Effectiveness Evaluation Group)及びオープンエンド科学グループ(Open-ended Scientific Group)並びに事務局によって作成される計画や報告書が決定され、オープンエンド科学グループの設置要綱が定められました。有効性評価グループの設置要綱については、第5回締約国会議(COP5)において議論を継続することとされました。
(2)附属書A及び附属書Bの見直し
条約第4条及び第5条では、条約の発効から5年以内に規制対象の水銀添加製品(附属書A)及び水銀を使用するプロセス(附属書B)を見直すことが定められており、また、附属書の改正を検討してもよいこととされています。このため、COP3において設置された専門家会合において各種製品・プロセスの代替技術の動向が調査され、報告書が提出されたほか、EU、アフリカ諸国、スイス及びカナダから、16種類の水銀添加製品及び水銀を使用するプロセスに関する規制の追加又は見直しの提案が提出されました。議論の結果、電球形蛍光ランプなどの8種類の水銀添加製品について2025年末までに製造・輸出入を廃止すること、歯科用水銀アマルガムの段階的削減に向けた追加的措置をとることを内容とした附属書Aの改正が採択されるとともに、COP5において、ボタン電池や直管形蛍光ランプなど4種類の水銀添加製品の廃止期限等を引き続き議論することとされました。
(3)水銀の水・土壌への放出
条約第9条に基づき、水・土壌への水銀放出の重要な発生源については放出インベントリを作成・更新することとされています。今次会合では、締約国が放出インベントリを作成する際の参考資料として、放出インベントリ作成に関するガイダンス文書が採択されました。また、COP5に向けて、重要な発生源における水銀放出量を削減するための利用可能な最良の技術や環境のための最良の慣行(BAT/BEP)に関するガイダンス文書の作成作業に着手することが決定されました。
(4)水銀廃棄物の閾値
条約第11条では、締約国会議において条約の対象となる水銀廃棄物の閾値(濃度の基準)を決定することとされています。今次会合では、水銀廃棄物の3つの区分のうち主に「水銀汚染物」に関する議論が行われました。水銀の一次採掘以外の鉱山採掘により発生する尾鉱(低品位で廃棄する鉱石)は、含有濃度が25mg/kg超であって溶出濃度が0.15mg/L超のものを対象とすることが決定されました。また、その他の水銀汚染物の閾値については、COP5までに締約国に情報提供を呼びかけた上で、技術専門家グループに更なる検討を依頼すること等が決定されました。
(5)国別の条約実施状況報告
条約第21条では、締約国会議が定める周期で各国の条約実施状況を報告することが定められており、2019年末に簡易版の報告が、2021年末に報告が提出されています(その後はそれぞれ4年ごとに提出)。今次会合では、2019年末の簡易版報告を通じて特定された報告様式の改善や条約義務の明確化が提案され、決議されたほか、COP5に向けて、条約事務局が2021年末の報告の経験から更に報告様式の改善や条約義務の明確化が必要な事項を特定・提案し、報告ガイダンス案を改善することが決定されました。
(6)運営にかかる事項
上記のほか、2023年の予算・作業計画や、条約の資金メカニズムのレビューの進め方等について議論され、決定されました。(7)バリ宣言
COP4をホストしたインドネシア政府の主導により、水銀の違法貿易を防止するための国際協調を強化することを目的とした「バリ宣言」が作成され、会議の初日(3月21日)に表明されました。アジア太平洋地域(日本を含む)、アフリカ地域、中南米地域などから宣言を支持又は歓迎する旨の表明がありました。3.関連イベント
会合前の3月9日には日本とインドネシアの二国間協力事業の紹介を行うオンラインのサイドイベントを開催したほか、会合期間中には日本やインドネシア等のユースによる水銀対策に関する対話ビデオが会場や条約事務局ホームページで放映・掲載されました。4.今後の予定
第5回締約国会議は、2023年10月30日から同年11月3日までスイス・ジュネーブにて開催される予定です。関連リンク
担当
製造産業局 化学物質管理課長 宮原担当者:小林、田村(暢)
電話:03-3501-1511(内線 3691~5)
03-3501-0080(直通)
03-3501-6604(FAX)
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