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吉田経済産業大臣政務官がCOP28(国連気候変動枠組条約第28回締約国会議)に出席しました
2023年12月8日
12月4日(月曜日)、12月5日(火曜日)、UAEのドバイにて開催中のCOP28(国連気候変動枠組条約第28回締約国会議)に経済産業省から吉田経済産業大臣政務官が参加しました。
1.COP28(国連気候変動枠組条約第28回締約国会議)
日程:令和5年11月30日から12月12日(予定)
参加者等:国連気候変動枠組条約締約国198ヶ国他
2.ジャパンパビリオンで行われたセミナーへの登壇
(1)Taking action together with ASEAN
- 経済産業省主催でアジア・ゼロエミッション共同体(AZEC)構想のイベント「Taking action together with ASEAN」を開催し、吉田政務官が冒頭挨拶を行い、ネット・ゼロという「共通のゴール」に向けた「多様な道筋」による移行の重要性、アジア地域のエネルギー移行を支援するための具体的な省エネ・再エネプロジェクトを含むAZEC、CEFIAなどの地域大の日本の取組について発信しました。
- インドネシアのアリフィン・エネルギー鉱物資源大臣、ERIA渡辺事務総長が出席し挨拶した他、ベトナム、インドネシア、マレーシアの政府高官が脱炭素に向けた取組を紹介しました。
- 日本企業からは、王子ホールディングスから森林保全、積水化学からペロブスカイト太陽電池、IHIからアンモニア、三菱UFJ銀行からトランジション・ファイナンスについての取組を紹介しました。
(2)GX投資における国債の役割
- 財務省・経済産業省・環境省共催で「GX投資における国債の役割」を開催しました。冒頭には吉田政務官が挨拶を行い、日本のGX政策について発信しました。
- 各省からの政策説明の後、パネルディスカッションにおいて日本の証券会社、トランジション・ボンド発行経験のある欧州復興開発銀行、そして海外投資家が議論を行い、トランジション・ファイナンスの重要性と推進における適格性の担保の必要性を認識し、GX経済移行債への高い期待が示されました。
(3)Tech for Transition
- 技術を通じたネット・ゼロ社会への移行に焦点を当てたイベント「Tech for Transition」において、吉田政務官が冒頭挨拶を行い、排出削減、経済成長、エネルギー安定供給の同時実現、ネット・ゼロという共通のゴールに向けた多様な道筋について発信しました。
- 日本企業からのプレゼン及びパネルティスカッションでは、住友林業、パナソニック、JEPLANから、技術による気候変動の緩和・適応への貢献の可視化とルール整備の重要性について議論を行いました。
- IRENA及びIEAから、G7日本議長国下で作成した報告書について紹介しました。
- 日UAEのスタートアップ企業によるMOU披露、COP28事務局(UAE政府)からの挨拶を行い、日UAE間の脱炭素技術の協力について紹介しました。




3.議長国主催イベントへの参加
(1)水素ハイレベルラウンドテーブル
- COP28事務局が水素等の国際的な取引促進などを目的としたイベントを開催し、クリーン水素認証の相互承認に関する意向表明を発表、日本も39カ国とともにこれに先導して賛同しました。
- 吉田政務官からは、国際的な水素社会構築に向けて日本は貢献し続ける、今回は大きな一歩であると発言しました。また、会場にて吉田政務官とマズルーイ大臣で立ち話を行い、日本とUAEはお互い重要なパートナーである旨確認しました。
(2)グリーン需要の加速ラウンドテーブル
- Industrial Deep Decarbonisation Initiative (IDDI)が、排出削減が困難な産業におけるグリーン素材の需要創出を目的として、グリーン公共調達に関するステートメント等を発表し、カナダやドイツとともに、日本もグリーン公共調達に先進的に取り組んでいくことを示しました。
- 吉田政務官からは、これまでの日本の取組として、グリーン購入法の対象品目拡大、公共建設における低炭素コンクリートの推進、産業界や公共調達の専門家から構成される専門家会合の立ち上げ等、日本が先進的に取り組んでいることを示しました。

(3)カーボンマネジメントチャレンジ
- カーボンマネジメントチャレンジは、炭素回収・利用・貯留(CCUS)および二酸化炭素除去(CDR)の技術開発・展開の加速を目指すイニシアティブです。
- 吉田政務官からは、日本の取組として、CCS長期ロードマップ及びカーボンリサイクルロードマップの策定、先進的CCS事業の選定、アジアCCUSネットワークの活動、カーボンリサイクル産学官国際会議の開催、CDRに関する研究開発やルール形成の検討等の取組を紹介しました。



4.ジャーベル議長(UAE産業・先端技術大臣)との会話及びスタートアップビレッジ視察
- 日UAE先端技術調整スキーム(JU-CAT)の具体的な形として、日本パビリオンとは別に、COP28において特別に設けられたスタートアップビレッジに、スタートアップ10社が出展しました。ジャーベル議長がスタートアップビレッジを訪問した際には、吉田政務官からJU-CATの代表を紹介するとともに、日UAE協力の今後の進展への期待を伝えました。
- また、吉田政務官は日本パビリオン出展企業に加え、スタートアップビレッジに出展している下記(1)~(5)の企業のブース全てに訪問し、それぞれの企業から事業内容の説明を受けました。
参考:日本パビリオンに出展している企業
参考:スタートアップビレッジに出展している企業
前半(11/30~12/6)(1)~(5)、後半(12/8~12/12)(6)~(10)が出展
企業名 | 技術 |
---|---|
(1)つばめBHB | オンサイトグリーンアンモニア製造装置 |
(2)JEPLAN(ジェプラン) | ペットボトルリサイクル技術 |
(3)アルハイテック | アルミ廃棄物のリサイクル・水素製造装置 |
(4)ArkEdge Space(アークエッジスペース) | 環境モニタリング(排出ガスモニタリング、海洋油田管理、植生把握) |
(5)WOTA(ウォータ) | 生活排水を再生循環する「小規模分散型水循環システム」及びそれを実現する「水処理自律制御技術」 |
(6)OOYOO(ウーユー) | 空気やその他のガスを分離・精製するガス分離技術 |
(7)エマルションフローテクノロジーズ | レアメタルを高純度で精製する装置 |
(8)アルガルバイオ | 微細藻類の株から効率的に機能性を持つ脂肪酸等を生産させ、食品、医療、燃料など様々な分野へ応用する技術 |
(9)EF Polymer(イーエフ ポリマー) | 果物の不可食部分をアップサイクルした自然由来の超吸収性ポリマー |
(10)アライドカーボンソリューションズ(ACS) | 植物油と糖を発酵させて作る天然系の界面活性剤「ソホロリピッド」 |




5.ジャパン・グリーンイノベーション・カンファレンス
- JETRO主催で日本企業の脱炭素技術を紹介するイベントが開催され、サーレハUAE経済省次官などの政府要人やUAEの鉄鋼・アルミ・企業関係者など100名程度が参加しました。吉田政務官が冒頭挨拶し、日UAEの脱炭素技術協力の重要性を強調するとともに、日本のホタテ等の水産物の安全性とおいしさをアピールしました。サーレハUAE経済省次官とはホタテ等水産物を用いた食事を交えて意見交換を行いました。
- イベントでは、(1)石油・ガス産業の脱炭素化、(2)製造業の脱炭素化、(3)水素.(4)スタートアップをテーマにINPEX、三菱重工、川崎重工、伊藤忠、エミレーツスティール、エミレーツグローバルアルミニウムほかつばめBHBなどが登壇しました。


6.事務方が出席したその他の主な会合
(1)ネット・ゼロ社会に向けた削減貢献量の適切な評価
- 日本パビリオンにおいて、経済産業省とWBCSD(持続可能な開発のための経済人会議)との共催イベント「ネット・ゼロ社会に向けた削減貢献量の適切な評価」を開催しました。WBCSD及びGXリーグからプレゼンを行い、SCOPE 1-3の排出量だけでは十分に評価できない企業の脱炭素ソリューションによる貢献を可視化することの重要性、金融機関における企業評価への削減貢献量の活用事例等を発信しました。その後のパネルディスカッションでは、Schneider electric、Veolia、Weir Minerals、日立製作所、パナソニックといったグローバル企業や、BlackRock、GFANZ、野村アセットマネジメントといった金融機関を交えて削減貢献量のルール整備に向けて議論を行いました。
(2)「世界再生可能エネルギー3倍・エネルギー効率改善率2倍」宣言
12月2日、UAE、EU及び日本を含む118ヶ国が2030年までに再生可能エネルギーの発電容量を、世界全体で3倍にするために協働すること、及びエネルギー効率改善率の世界平均を2倍にするために協働することに合意しました。
※ その後、12月5日時点で123ヶ国に増加。- 12月5日に行われたラウンドテーブルでは日本からグリッドインフラの強化によって再エネ発電容量を拡大していくこと、日本企業の優れた省エネ製品によって世界のエネルギー効率改善に貢献していく旨発言しました。

(3)「原子力3倍」宣言
12月2日、米国・英国・フランス・UAE及び日本を含む22カ国※は、世界全体でのカーボンニュートラル達成に当たっての原子力の重要な役割を踏まえ、「各国の国内事情の相違を認識しつつ、2050年までに2020年比で世界全体の原子力発電容量を3倍にする」目標に向けた協力方針を含む、「原子力3倍宣言(Declaration to Triple Nuclear Energy)」を発表しました。
※ その後、アルメニアが賛同し、12月7日時点で23ヶ国に増加。- 日本は、原子力利用を検討する第三国への革新炉の導入支援や、同志国と連携したサプライチェーン強靱化などの取組を通じて、世界全体での原子力発電容量の増加に貢献する観点から、本宣言に賛同しました。

「原子力3倍宣言」(仮訳)

(4)「札幌ファイブ」宣言
- 12月7日、日米英仏加の5カ国のエネルギー担当省庁は、4月16日の「カナダ、フランス、日本、英国、米国による民政原子燃料協力にかかるステートメント」を具体化すべく、ウラン濃縮等への投資促進に関する共同宣言として、「札幌ファイブ」宣言を発表しました。主な内容として、安全で確実な原子力技術を提供するための、燃料を含む強靱なサプライチェーンの必要性を認識し、今後3年間で、5カ国でウラン濃縮・転換に対する投資を少なくとも42億米ドル実施すること等を宣言しました。

「札幌5」宣言 (仮訳)

担当
産業技術環境局 地球環境対策室 髙濵
担当者:今井、笠井
電話:03-3501-1511(内線 3524~3526)
メール:bzl-s-kankyo-chikyurenkei★meti.go.jp
※[★]を[@]に置き換えてください。