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古賀経済産業副大臣が南アフリカ共和国へ出張しました
G20貿易・投資大臣会合及びWTO非公式閣僚セッション、鉄鋼の過剰生産能力に関するグローバル・フォーラム閣僚会合への出席
2025年10月11日
古賀経済産業副大臣は、10月8日(水曜日)から10月12日(日曜日)にかけて、南アフリカ共和国のケベルハに出張し、G20貿易・投資大臣会合に出席しました。
また、WTO非公式閣僚セッション、鉄鋼の過剰生産能力に関するグローバル・フォーラム(GFSEC)閣僚会合に出席したほか、会合に参加した各国閣僚等と会談を行いました。
1.G20貿易・投資大臣会合
(1)概要
10月10日(金曜日)、G20貿易・投資大臣会合が、今年のG20議長国である南アフリカのケベルハにおいて開催され、経済産業省からは古賀副大臣が参加しました(外務省からは、藤井外務副大臣が参加。)。
会合では、
2)持続可能な産業と発展のための貿易投資
3)開発側面を含むWTO改革
についてG20参加国の間で活発な議論がなされました。
会合の成果文書として、G20貿易・投資閣僚声明が発出されました。
(2)発言内容(一部)
古賀副大臣は、各セッションにおいて、以下の旨を発言しました。
持続可能な産業と発展のための貿易投資
- (1)「温室効果ガスの排出削減」と「経済成長・発展」の両立、(2)各国の事情やエネルギー安全保障の観点から、幅広い技術、エネルギー源の活用が不可欠。
- 脱炭素対応が遅れれば、国際的なサプライチェーンやファイナンスから排除されるリスクもあり、脱炭素への取組はいずれの国にとっても産業の競争力に直結。
- 日本の貿易政策として、(1)脱炭素技術の国際展開及び技術協力(AZECの野心的な原則への合意、350以上の協力プロジェクト)を進めており、(2)ルール形成(WTOで日本が共同提案している体化排出量の計測手法に関する非拘束的なガイダンス)でも早期に具体的な成果を得るべくG20各国の支持を期待。
- 水素について、コスト競争力を持たせるためにも、より多くの国が需要国となり需要創出に寄与することが重要。鉄鋼・化学といったプラントやグローバル企業の環境要請に応える取組のほか、世界のいずれの国でも必要な発電においても、火力発電を含めて、脱炭素化に向けたトランジションが重要。G20各国とも、水素の国際的なサプライチェーン構築に向けてグローバルな需要創出について連携していく。
開発側面を含むWTO改革
- 行き過ぎた保護主義等への懸念が高まっており、WTOを中核としたルールに基づく多角的貿易体制をより機能させていくことが重要。ビジネスの予見可能性を確保するためにもWTOの全ての機能を強化するための努力を加速すべき。
- 投資円滑化協定や電子商取引協定のWTO法的枠組みへの早期組込、電子的送信にかかる関税不賦課モラトリアムの恒久化・延長の実現が必要。
- 「公正な競争条件」に向けた規律強化、非市場的政策・慣行に対応すべき。
- 紛争解決制度改革の実現までの間の、ルールに基づく紛争解決の確保が重要。
- WTO閣僚会議に向けて、G20が連帯してWTO改革に向けた力強い決意を発信しよう。
2.WTO非公式閣僚セッション
10月9日(木曜日)南アフリカのムホ・パークス・フランクリン・タウ貿易・産業・競争大臣が議長を務め、ンゴジ・オコンジョ・イウェアラWTO事務局長やノルウェー王国のピーター・オルベルグ駐ジュネーブ大使(WTO改革ファシリテーター)の参加も得て、多国間貿易体制の強化やWTOにおける必要な改革について議論を行いました。古賀副大臣は、ルールに基づく多角的貿易体制や、それを支えるインフラとしてWTOが果たしてきた役割を再確認することを呼びかけるとともに、必要な改革について、電子商取引協定等の早期実現、貿易と環境等の現代的課題への対応、ルールに基づく紛争解決の確保等を述べました。
3.鉄鋼の過剰生産能力に関するグローバル・フォーラム(GFSEC)閣僚会合
10月10日(金曜日)、オーストラリア連邦が議長を務め、世界的な鉄鋼過剰生産能力の深刻化とその対応について議論を行いました。古賀副大臣は、過剰生産能力を背景に急増する各国の貿易救済措置によって、締め出された鋼材が更なる市場の混乱を引き起こすことへの懸念や、貿易救済措置の有効性についての各国の経験の共有、GFSECのような多国間枠組みによる協調的な取組の重要性を説き、加盟国間の協力を強化する必要性等を主張しました。
会合の最後には、加盟国による包括的な共同対応枠組みの策定に向けた検討の開始、GFSEC非加盟国による非市場的政策・慣行の監視活動の強化、加盟国による貿易措置とその有効性等に関する情報共有、加盟国の拡大のためのアウトリーチ活動の強化等を確認した閣僚声明が採択されました。
4.二国間会談
今回の出張中には、オーストラリア連邦のホン・マット・ティスルウェイト外務貿易副大臣、インド共和国のジティン・プラサダ商工閣外大臣、カナダのマニンダー・シドゥ国際貿易大臣、中国の李成剛(り・せいこう)商務部国際貿易交渉代表兼副部長、トルコ共和国のムスタファ・トゥズジュ貿易副大臣、南アフリカのタウ貿易・産業・競争大臣、アラブ首長国連邦のサーニー・ビン・アハマド・アル・ゼイユーディ対外貿易大臣と会談を実施し、二国間経済関係や多角間貿易体制の維持・強化の重要性について意見交換を行いました。
(1)オーストラリア連邦のティスルウェイト外務貿易副大臣との意見交換
GFSEC議長としてのリーダーシップに感謝するとともに、WTOを中核としたルールに基づく多角的貿易体制の維持・強化に向けた連携、CPTPP、資源・エネルギー分野の連携等について意見交換を行いました。
(2)インドのプラサダ商工閣外大臣との意見交換
二国間経済関係について連携を確認するとともに、WTOについて、投資円滑化協定及び電子商取引協定のWTO法的枠組みへの組込、電子的送信に対する関税不賦課モラトリアムの延長の支持を申し入れました。
(3)カナダのシドゥ国際貿易大臣との意見交換
鉄鋼の輸入規制に関して適正な運用を求めた他、重要鉱物等のサプライチェーンにおける協力等について意見交換を行いました。
(4)中国の李成剛商務部国際貿易交渉代表兼副部長との意見交換
ビジネス環境改善や、中国の輸出管理措置の運用の適正化、日本産水産物について残された10都県産の輸入規制の早期撤廃などを求め、今後も緊密に意思疎通を重ねていくことを確認しました。
(5)トルコのトゥズジュ貿易副大臣との意見交換
日トルコEPAの交渉加速に向けた意見交換を実施するとともに、2027年国際園芸博覧会への参加招聘を行いました。
(6)南アフリカのタウ貿易・産業・競争大臣との意見交換
G20貿易投資大臣会合及びWTO非公式閣僚セッションについて、タウ貿易・産業・競争大臣の議長としてのリーダーシップに感謝するとともに、エネルギー分野での連携やルールに基づく多角的貿易体制の維持・強化の必要性を確認しました。
(7)アラブ首長国連邦のゼイユーディ対外貿易副大臣との意見交換
日UAE EPA交渉について意見交換を実施しました。
関連資料
G20貿易・投資閣僚声明(原文)(※後日掲載)G20貿易・投資閣僚声明(仮訳)(※後日掲載)
G20貿易・投資閣僚会合議長サマリー(原文)(※後日掲載)
(原文)鉄鋼の過剰生産能力に関するグローバル・フォーラム 閣僚声明

(仮訳)鉄鋼の過剰生産能力に関するグローバル・フォーラム 閣僚声明

担当
本出張全般について
通商政策局 国際経済部参事官 寺西
担当者:飯野、長町
電話:03-3501-1511(内線 3051)
メール:bzl-s-kikou-sanjikan-koho★meti.go.jp
※[★]を[@]に置き換えてください。GFSEC閣僚会合について
製造産業局 金属課長 鍋島
担当者:久森、焼家
電話:03-3501-1511(内線 3661)
メール:bzl-kinzoku-kokusai★meti.go.jp
※[★]を[@]に置き換えてください。