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「水銀に関する水俣条約第6回締約国会議」の結果について
2025年11月13日
同時発表:環境省
2025年11月3日(月曜日)から7日(金曜日)まで、スイス連邦のジュネーブにおいて「水銀に関する水俣条約第6回締約国会議」(COP6)が開催されました。
同会議には1,000名以上が現地参加し、我が国からは外務省、経済産業省及び環境省の担当者が現地で交渉に臨みました。同会議の論点の1つであった歯科用アマルガムの製造・輸出入については、2034年をその廃止の期限とすることが決定されました。
我が国は、水銀廃棄物に関する決定案を提案し、その最終化に向けた議論を主導するなど各議題の進展に積極的に貢献するとともに、熊本県立水俣高校と共催でサイドイベントを開催し、我が国の知見・経験を発信しました。
1.主な結果
(1)水銀の供給源及び貿易
水銀に関する水俣条約(以下「条約」)第3条では「水銀」や「水銀化合物」を定義するとともに、水銀の一次採掘の制限や、水銀又は水銀化合物の供給源特定、水銀の輸出入の管理について規定しています。条約では水銀化合物の輸出入は規制対象外とされていることを踏まえて、今次会合(COP6)では、(a)水銀化合物の供給、使用、貿易に関する情報や貿易の規制対象とすべき水銀化合物に関する見解を締約国等から収集し、(b)オープンエンドの専門家グループを立ち上げ、(c)検討を開始することが正式に決定されました。
(2)水銀添加製品の製造・輸出入並びに水銀又は水銀化合物を使用する製造工程
条約第4条では水銀添加製品(附属書A)の製造及び輸出入の禁止、第5条では水銀又は水銀化合物を使用する製造工程(附属書B)について規定しています。今次会合では、歯科用アマルガムの附属書A第1部への追加及び2034年までの廃止について正式に決定されました。また、既に附属書A第1部に掲載されている水銀含有化粧品については、その違法流通防止に向け、既存の禁止措置の実効性強化と国際的な監視・協力体制の構築が重要課題として議論されました。
加えて、塩化ビニルモノマー製造における水銀代替技術の附属書Bでの扱いについては、その技術的・経済的実現性に対する認識の合意に至らず、次回会合(COP7)に議論が持ち越されることとなりました。
(3)零細及び小規模な金採掘(ASGM)
条約第7条において、締約国は自国の零細及び小規模な金採掘(ASGM)が軽微ではない場合は (a)事務局に通知すること、(b)附属書Cに基づき行動計画を作成・実施すること、(c)3年以内に事務局に行動計画を提出すること、(d)3年ごとに行動計画をレビューすることが求められています。今次会合では、金のサプライチェーンの環境上持続可能な管理といった新しい概念について議論され、ASGMにおける金のサプライチェーン全体のトレーサビリティや透明性を改善するための取組を国際的に協力して実施していくことが決定されました。
(4)水銀廃棄物
条約第11条では、締約国会議において条約の対象となる水銀廃棄物を定義する水銀含有量の閾値を決定し、締約国はその環境上適正な管理を確保するための措置を講じることが求められています。今次会合では、締約国等が提出したその水銀含有量の閾値の有効性に関する科学的・規制上のデータ及びその適用に関連する課題と経験等に基づき次回会合で議論を行うこと、また前回会合(COP5)で合意された措置を速やかに講じることが決定されました。
(5)運営にかかる事項
上記のほか、2026年から2027年の予算・作業計画、条約の資金メカニズム等について議論されました。
2.サイドイベントへの熊本県立水俣高校の生徒の登壇
2025年11月2日(日曜日)に開催されたサイドイベント「水銀に関する国際ユースダイアログ」及び同年11月4日(火曜日)に開催されたサイドイベント「ナレッジ・ラボ」には環境省が派遣した熊本県立水俣高校の生徒2名が登壇し、同校の水銀学習の取組や研究結果を発表しました。また、同じく水俣市から参加した「水俣・写真家の眼」も会場エントランスホールでの写真の展示、特設ブース、ナレッジ・ラボでの発表等を行いました。
3.今後の予定
第7回締約国会議は、2027年6月14日(月曜日)から18日(金曜日)まで、スイス連邦のジュネーブで開催される予定です。
関連資料
関連リンク
担当
産業保安・安全グループ 化学物質管理課長 大本
担当者:行本、髙橋、田村
電話:03-3501-1511(内線 3691~5)
メール:bzl-suigin★meti.go.jp
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