歩行時の転倒事故について
高齢者にとっては、1度の転倒がその後の人生に大きな影響を及ぼします。
令和3年版高齢者白書
によると、要介護者等について、介護が必要になった主な原因の4番目が「骨折・転倒(13.0%)」となっております。
転倒場所については屋外だけではありません。屋内においても、滑りやすいスリッパや、カーペット等が原因となる転倒事故が発生しております。
PSアワード受賞企業紹介:徳武産業株式会社(第15回経済産業大臣賞受賞)
高齢者の転倒事故を防ぐためのシューズづくりが評価され、第15回PSアワードにおいて経済産業大臣賞を受賞した「徳武産業株式会社」の製品安全に係る取組をご紹介します。
1.高齢者の転倒予防のための個別状態を踏まえた細やかな靴づくり
高齢者の転倒予防を第一に考え、筋力の低下にともなう歩き方の変化に着目し、独自の工夫を凝らした製品の設計・開発を行っている。
具体的な取組例は下記のとおり。
- 製品安全に関する自社基準に照らしたチェック
- 高齢者によるモニター実施
- 靴製造や整形外科、福祉関係者などの外部専門家からの客観的なアドバイスや製品評価
また、業界初の従来にはなかった左右サイズ違いや片方のみでの販売や、顧客の要望を聞き取った上で安全な靴に調整するパーツオーダーシステムを導入している。 |
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2.アンケートによる不具合情報の収集と改善に向けた取組
- 年間約20,000枚の返信がある顧客向けアンケートはがきを通じ、製品の不具合や使用実態についての情報を収集・分析
- 経営トップや社内全部署の代表者が出席する2か月に1回のクレーム周知会によって情報共有
- 各部署での具体的な改善につなげ、新たな製品開発時のペルソナ設定にも役立てている
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3.自社・製造委託先・販売先などに向けた充実した製品安全教育
- 従業員に対しドイツ整形外科靴マイスターを講師とした製品安全知識と技術継承の機会を提供
- 製造委託先に対しては高齢者や障がい者の歩行状態を記録した動画や、靴と合わせて使用される装具に関する情報を提供し、使用者についての情報と求められる安全性の水準について共有を図っている
- 全国の販売店を対象とした研修プログラムや資格制度を設けるなど、幅広いステークホルダーに対し製品安全の実現に向けた働きかけを行っている
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