1.TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)
(1)TCFDとは
- 2015年、G20からの要請を受け、金融安定理事会(FSB)により民間主導の「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD;Task Force on Climate-related Financial Disclosures)」が設置されました。
- 現在、TCFDはMichael Bloomberg氏を議長とする32名のメンバー(うち、日本より2名)により構成されています。

(2)TCFDの活動内容
(3)TCFD開示
- TCFD提言に沿った情報開示は、一般にTCFD開示と呼ばれています。TCFD開示では、以下の4項目を開示推奨項目としています。
ガバナンス | 気候関連リスク・機会についての組織のガバナンス |
---|---|
戦略 | 気候関連リスク・機会がもたらす事業・戦略、財務計画への実際の/潜在的影響(2度シナリオ等に照らした分析を含む) |
リスク管理 | 気候関連リスクの識別・評価・管理方法 |
指標と目標 | 気候関連リスク・機会を評価・管理する際の指標とその目標 |
(4)TCFDへの賛同
- 「TCFDへの賛同」とは、TCFDによる提言内容を組織として支持することを表明するものです。実際に情報開示を行う立場にある事業会社のほか、企業の情報開示をサポートする立場として金融機関・業界団体・格付機関・証券取引所・政府など、多様な組織が賛同を表明しております。
- TCFDに賛同している機関は、TCFD公式ウェブサイト「Supporters
」よりご覧いただけます。組織名のほか、業種/所在地/賛同月が公表されています。なお、日本の団体については経済産業省「日本のTCFD賛同企業・機関」にも随時掲載しております。
- TCFD賛同に関する詳細は、以下をご参照ください。
- TCFD公式ウェブサイト Support the TCFD - FAQs
(英語)
- TCFD公式ウェブサイト Terms of Use
(英語)
- TCFDコンソーシアム公式ウェブサイト TCFDとは
2.TCFDに関する日本の取組
(1)TCFD研究会の開催
- TCFD提言の公表を受けて、経済産業省では、2018年8月よりグリーンファイナンスと企業の情報開示の在り方に関する「TCFD研究会」を開催しました。
- 研究会の成果として、同年12月に「気候関連財務情報開示に関するガイダンス(TCFDガイダンス)」の初版を作成・公表いたしました。TCFDガイダンスの改訂作業は、後述の「TCFDコンソーシアム」に引き継がれております。
(2)TCFDコンソーシアム
(a)概要
- TCFD研究会での議論を踏まえて、一橋大学大学院・伊藤邦雄特任教授(当時)をはじめとする計5名の発起人の呼びかけにより、2019年5月27日に「TCFDコンソーシアム」が設立されました。
- TCFDコンソーシアムでは、企業の効果的な情報開示や、開示された情報を金融機関等の適切な投資判断につなげるための取組について、議論を行うことを目的としています。
- 経済産業省・金融庁・環境省は、設立当初より、オブザーバーとしてTCFDコンソーシアムに参加しています。
TCFDコンソーシアムは、民間主導の団体です。入会をご希望の場合は、TCFDコンソーシアムHPより、入会手続きを実施ください。
※TCFDへの賛同表明と、TCFDコンソーシアムへの入会は、別々の手続きが必要です。
※TCFDへの賛同表明と、TCFDコンソーシアムへの入会は、別々の手続きが必要です。
(b)TCFDコンソーシアムの活動指針に関する宣言
- 私達は、気候変動問題は世界共通の課題であると認識し、その解決のためにはイノベーションを起こすとともに、その成果を社会の隅々にまで普及していくことが不可欠だと考えます。
- 私達は、気候変動対策におけるビジネスの役割の大きさを認識し、気候変動に伴うリスクを適切に管理するとともに、積極的にイノベーションに取り組み、それを開示していきます。また、その情報を活用し、イノベーションに取り組む企業に資金を供給し、「環境と成長の好循環」を実現していきます。
- 私達は、効果的な情報開示の在り方や開示された情報の活用の仕方について、本コンソーシアムにおいて積極的な対話を行い、相互の理解を深め、国際的にも発信していきます。
(c)活動の成果
- 最新の情報については、TCFDコンソーシアム公式ウェブサイト
をご参照ください。
TCFDガイダンス2.0(TCFDガイダンスの改訂)
- TCFDガイダンス2.0では、事業会社がTCFD開示を行うにあたっての、解説や参考となる事例を紹介しています。
- ガイダンスとあわせて公開された事例集では、ガイダンスの補完を目的として、TCFD提言に沿った具体的な情報開示の事例を収集しています。主に、TCFDガイダンス2.0の第2章における解説項目に対する、実際の開示事例を紹介しています。
- また、TCFDガイダンス2.0の第3章「業種別の開示推奨項目」では、業種ごとに事業会社の取組があらわれる「視点」を提供しています。こちらに加えて、国土交通省により国土交通省により「不動産分野における『気候関連財務情報開示タスクフォースの提言』対応のためのガイダンス(不動産分野TCFD対応ガイダンス)」が策定されています。
グリーン投資ガイダンス2.0
- グリーン投資ガイダンス2.0では、投資家等が開示情報を読み解く際の視点について解説しています。
- 加えて、投資家等の視点に対する企業側の理解が深まり、さらなる開示につながることを期待しています。
- TCFDコンソーシアム グリーン投資の促進に向けた気候関連情報活用ガイダンス2.0(グリーン投資ガイダンス2.0)
(3)TCFDサミットの開催
- 経済産業省では、2019年よりTCFDサミットを主催しています。
- 2019年10月8日
- 【TCFDサミット2019】世界の先進的な取組を行っている産業界・金融界のリーダーが集結し、TCFDの課題や今後の方向性をすることを目的として、世界初となるTCFDサミットを開催しました。
- 2020年10月9日
- 【TCFDサミット2020】「環境と成長の好循環」の加速に向けて、TCFD提言を実務に定着させるための国際的な議論を日本がリードしていくことを目的として、オンラインにて開催しました。
- 2021年10月5日
- 【TCFDサミット2021】産業界・金融界のリーダーが適切な投資判断の基盤となる開示の拡充を促すべく、更なるTCFD提言の活用に向けて議論しました。
3.よくあるご質問
- TCFD公式ウェブサイト
の掲載内容に関するご質問は、TCFD事務局へ直接お問い合わせください。
- TCFD全般に関するよくあるご質問は、TCFD公式ウェブサイト「Support the TCFD - FAQs
」に回答が掲載されておりますので、適宜ご参照ください。「Terms of Use
」もあわせてご参照ください。
- TCFDコンソーシアムの詳細や入会方法等については、TCFDコンソーシアム公式ウェブサイト
をご覧ください。
- TCFD事務局への問い合わせ方法がわからない。
- TCFD公式ウェブサイト
の最下部に記載されている「Contact us」をご覧ください。
- TCFDに賛同しないと、TCFD開示をすることができないのか。
- 賛同・未賛同を問わず、TCFD開示を実施いただくことは可能です。ただし未賛同の場合は、TCFD提言の主旨に同意していても「TCFDに賛同している」と標榜することはできません。
- 賛同手続を行う際、TCFD公式ウェブサイト上で必要事項を記入して「SUBMIT」ボタンを押すと、即時に賛同扱いになるのか。
-
「SUBMIT」ボタンを押して正常に情報が送信された時点で、賛同の手続は完了いたします。特段の事情が無ければ、一定期間後にTCFD公式ウェブサイト「Supporters
」ページに情報が掲載されます。誤って賛同手続を完了させてしまった場合は、TCFD事務局へ直接お問い合わせください。
- 賛同手続を行う際、「Sector」「Industry」はどれを選択すればいいのか。
-
TCFD公式ウェブサイト「Supporters
」に各賛同機関の「Sector」「Industry」が掲載されておりますので、こちらを参考にご判断ください。
- 賛同手続を行う際、「Market capitalization」「Assets under management」欄には何を記入すればいいのか。
- 前者は「時価総額」、後者は「運用資産残高」を記入するものです。空欄での提出ができない場合は、「000」「NA」「-」などをご記入ください。
- 賛同手続を行う際、「Market capitalization」「Assets under management」に日本円換算で記入してもいいのか。
- 日本円であることがわかるように「JPY」などの表記を付した上でご記入ください。
- TCFDへの賛同表明を行ったが、TCFDコンソーシアムへの入会案内が来ない。
-
TCFDと、TCFDコンソーシアムは異なる団体です。TCFDコンソーシアムへの入会をご希望の場合は、TCFDコンソーシアム公式ウェブサイト
より、別途入会の手続を実施ください。
- TCFDへの賛同表明を行ったが、経済産業省ウェブサイト「日本のTCFD賛同企業・機関」に掲載されていない。
-
経済産業省では、TCFD公式ウェブサイト「Supporters
」にて公開されている情報をもとに、「日本のTCFD賛同企業・機関」を随時更新しております。TCFD公式ウェブサイトの掲載状況とはタイムラグが生じますので、更新されるまで今しばらくお待ちください。
-
TCFDへの賛同表明を行ったが、TCFD公式ウェブサイト「Supporters
」(または経済産業省「日本のTCFD賛同企業・機関」)の掲載内容が間違っている。
-
TCFD公式ウェブサイトの掲載内容が間違っている場合は、TCFD事務局へ直接お問い合わせください。
経済産業省「日本のTCFD賛同企業・機関一覧」は、TCFD公式ウェブサイトにて公開されている情報をもとに、随時更新しております。TCFD公式ウェブサイトと経済産業省「日本のTCFD賛同企業・機関」の掲載内容が異なる場合は、お手数ですが、環境経済室へお問い合わせください。
お問合せ先
経済産業省 産業技術環境局 環境経済室住所:東京都千代田区霞が関1-3-1
電話:03-3501-1770(内線3453~3455)
FAX:03-3501-7697
MAIL:kankyo-kinyu@meti.go.jp
最終更新日:2022年4月1日