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大学における産学連携活動マネジメントの手引き
概要
1.背景
日本の大学の産学連携機能を強化することは、日本企業が、日本の大学と連携して、自社開発や海外大学との連携よりもスピーディに、新しい価値を創造するために重要です。そのためには、日本の大学が、自身の産学連携機能を定量的に把握する手法の確立とデータに基づいた自己改善が必要となります。
経済産業省及び文部科学省は、平成23年度から、各大学・TLOの産学連携活動の質を定量的に評価するための評価指標を共同で開発し、当該指標について各大学からデータを収集しています。
今般、収集したデータに基づき各大学のパフォーマンスを可視化するとともに、高いパフォーマンスを示している大学等における取組事例を「産学連携活動マネジメントの手引き」として取りまとめました。本書が、各大学が自大学のパフォーマンスを向上させるための産学連携マネジメントを実施する際の一助となり、各大学における産学連携機能が更に強化されていくことを強く期待しています。
2.「大学における産学連携活動マネジメントの手引き」の概要
「大学の産学連携活動マネジメントの手引き」では、特許権等の知的財産権を産業界に移転する方法と、企業等との共同研究や受託研究を実施する方法の2つの方法に関する観点に基づく産学連携活動のパフォーマンスの分析手法等を紹介しています。
具体的には、平成27年度「産学連携活動マネジメントに関する調査」にて実施した96大学から収集した産学連携活動に関する平成26年度実績データ(特許保有件数、特許権の実施許諾や譲渡による収入、共同・受託研究の契約件数や契約額等のデータ)に基づく技術移転活動および共同・受託研究活動に関する各大学のパフォーマンス分析、パフォーマンスを向上させるための各大学の取組事例等に関するヒアリングおよび検討委員会での検討の結果を踏まえ、とりまとめたものです。
[産学連携活動評価の視点]
特許件数/収入、企業等との共同・受託研究件数/金額、地域貢献割合、海外との連携等、数多くの視点が存在するが、それぞれの視点ごとに、大学の得意・不得意のばらつきが大きい。また、一つの視点において強みを発揮する大学が、他の視点においても強みを発揮しているとは限らない。従って、各種視点ごとに分析を行い、高い成果を挙げている大学の取り組みの分析結果を横展開していくことが有効。
- 特許収入に関する視点
- 特許収入について高いパフォーマンスを示している大学は、収入の多くを特許譲渡収入ではなく、特許実施許諾収入から得ている。
- 特許実施許諾収入の高い大学は、1件あたりの特許実施許諾契約額を高く設定している傾向がある。
- 大規模大学は単願特許の実施許諾契約額を、中小規模大額は単願特許の譲渡契約額を、それぞれ高く設定している傾向がある。
- 一般的に、特許権の譲渡は、当該特許権に基づく事業によって生じる利益の予測を契約時点で行うことが困難な場合が多く、民間企業との契約妥結が難しくなりがちである等のさまざまな問題点がある。しかしながら、一部の大学では、実施許諾よりも譲渡による特許活用が盛んな状況が見られ、適切な特許活用がなされていない可能性がある。
- 共同・受託研究獲得に関する視点
- 産学連携本部における新規案件獲得能力については、大規模大学、中小規模大学に関わらず、個差が大きい。
- 1件あたりの共同・受託研究額については、大規模大学においては個差が多いが、中小規模大学においては概ねおしなべて小さめの金額となっている。
- 共同・受託研究獲得額を高める上では、産学連携本部における新規案件獲得能力を高めるとともに、より大型の案件の獲得割合を高めていくことが有効である。
関連資料
問い合わせ先
大学連携推進室
電話 03-3501-1511(内線 3371)