- ホーム
- 政策について
- 政策一覧
- ものづくり/情報/流通・サービス
- バイオ
- 安全審査情報(カルタヘナ法等)
- 立入検査の実施
立入検査の実施
経済産業省では、事故の未然防止の観点から、カルタヘナ法第13条第1項に基づく拡散防止措置等の経済産業大臣の確認を受けた事業者に対して、適切に遺伝子組換え生物等の使用がされているか確認するため法第第31条及び第32条に基づく立入検査を実施しています。
当該立入検査の検査の目的、実施対象等については以下をご参照ください。第1節 立入検査の目的
法第三十一条では、主務大臣は、この法律の施行に必要な限度において、当該職員に、遺伝子組換え生物等の使用等をしている者又はした者、遺伝子組換え生物等を譲渡し、又は提供した者、国内管理人、遺伝子組換え生物等を輸出した者その他の関係者がその行為を行う場所その他の場所に立ち入らせ、関係者に質問させ、遺伝子組換え生物等、施設等その他の物件を検査させ、又は検査に必要な最少限度の分量に限り遺伝子組換え生物等を無償で収去させることができる旨定められています。
また、法第三十二条では、経済産業大臣は、立入検査実施の場合において必要があると認めるときは、独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)に対し、遺伝子組換え生物等の使用等をしている者又はした者、遺伝子組換え生物等を譲渡し、又は提供した者、国内管理人、遺伝子組換え生物等を輸出した者その他の関係者がその行為を行う場所その他の場所に立ち入らせ、関係者に質問させ、遺伝子組換え生物等、施設等その他の物件を検査させ、又は検査に必要な最少限度の分量に限り遺伝子組換え生物等を無償で収去させることができると定めています。
経済産業省では、法施行(平成16年2月)以来年平均約100件以上の法第十三条第一項に基づく大臣確認を行っています。この確認を受けた拡散防止措置が実際に適切に執られているのか検証することを通じて生物多様性及び安全性を確保すべく、法第三十二条第一項の規定に基づき、経済産業大臣からNITEに第二種使用等の確認を受けた事業者への立入検査を順次行なうよう指示しています(法第三十一条第一項の規定に基づき経済産業省の職員が立入検査に立ち会う場合もあります)。
第2節 立入検査の実施対象
立入検査の実施対象は、主に以下を考慮した総合的な判断により決定しています。
- 過去に立入検査を受けていない、又は前回受検から年数を経過している使用者(※使用区分がGILSPの場合を含む)
- 使用区分がGILSP以外(カテゴリー1、P1A準用等)の遺伝子組換え生物等の使用者を優先
- 拡散防止措置の包括確認を新たに受けた使用者や、包括確認後の実績報告等から立入検査の実施が必要と考えられる使用者
- 不適切管理、事故発生等の為に経済産業省から過去に指導等を受けており、法令順守状況等を確認する必要がある使用者
- その他、経済産業省が立入検査の実施が必要と判断する使用者
第3節 立入検査実施の連絡等
立入検査の実施対象となった事業者には、事故発生時等緊急に立入検査の実施が必要である場合を除き、検査実施の2週間前までを目途に実施予定日、実施場所等をご連絡します。その際、円滑に検査を実施する為、事業所代表者の検査への立ち合い、関係書類の準備等を要請させていただきます。
立入検査が実施予定日中に終了しない場合には、後日追加実施をさせていただく場合があります。
なお、本検査若しくは収去を拒み、妨げ、若しくは忌避し、又は質問に対して陳述をせず、若しくは虚偽の陳述をした者には、罰則規定(法第四十三条第二項)の適用を受けます。
第4節 立入検査の実施内容
立入検査では、申請書に記載された遺伝子組換え生物等や拡散防止措置の内容が、事業所で実際に取り扱っている遺伝子組換え生物等や執っている拡散防止措置と合致するかについての確認を行います。
具体的には、原則として以下の「検査項目」に則して、製造記録、機器点検記録等の書類、製造設備の現状、その他の物件の検査又は関係者への質問により行います。
なお、事故発生を受けて立入検査を実施する場合には事故発生状況等や再発防止策の確認を行うなど、検査対象事業者に応じて検査項目は変わる場合があります。
また、本項目以外にも、より安全な遺伝子組換え生物等の使用や拡散防止措置等が執られることを確保する観点から運用等を改善した方が望ましいと判断される事項についても適宜指摘・助言をします。
立入検査の検査項目(産業二種使用関係) |
---|
1.法第13条第1項に基づき確認を受けた申請書との照合 イ.申請者及び遺伝子組換え生物等の使用等の確認
【氏名及び住所】
ロ.拡散防止措置が適切に執られていることの確認
①申請を行った法人の名称及び代表者の氏名、主たる事務所の所在地が申請書と一致しているか ②第二種使用等を行う場所の名称が申請書と一致しているか ③第二種使用等を行う場所の住所が申請書と一致しているか 【遺伝子組換え生物等】 ④宿主は申請書と一致しているか ⑤個別確認の場合は挿入DNAが(アミノ酸配列に変異がある場合は変異部位を含めて)申請書と一致しているか、包括確認の場合は確認申請書に記載されている供与核酸の範囲の挿入DNAを使用しているか ⑥挿入DNAの由来生物は申請書と一致しているか ⑦ベクターは申請書と一致しているか
①作業区域が申請書と一致しているか
②作業区域内の培養又は発酵の用に供する設備が申請書と一致しているか ③作業区域内に、器具、容器等を洗浄し、又は付着した組換え体を不活化するための設備があるか ④遺伝子組換え生物等の生物学的性状についての試験検査をするための設備が設けられているか ⑤遺伝子組換え生物等を他のものと区別して保管できる設備が設けられているか ⑥廃液又は廃棄物が含まれる遺伝子組換え生物等の数を最小限にとどめる措置をとった後、廃棄しているか ⑦拡散を最小限にとどめる措置は申請書と一致しているか ⑧生産工程中において遺伝子組換え生物等を施設等の外に持ち出すときは、遺伝子組換え生物等が漏出しない構造の容器に入れているか ⑨生産工程は申請書と一致しているか |
2.省令第4条及び第5条に基づく確認 【省令第4条に基づく保管】 ①遺伝子組換え生物等が漏出、逃亡その他拡散しない構造の容器に入っているか ②①の容器の見やすい箇所に、遺伝子組換え生物等である旨を表示しているか ③①の遺伝子組換え生物等を入れた容器は、遺伝子組換え生物等以外の生物等と明確に区別して保管しているか ④遺伝子組換え生物等を保管している場合、③の保管のための設備の見やすい箇所に、遺伝子組換え生物等を保管している旨を表示しているか 【省令第5条に基づく運搬】 ⑤遺伝子組換え生物等が漏出、逃亡その他拡散しない構造の容器に入れているか ⑥⑤の遺伝子組換え生物等を入れた容器(容器を包装する場合にあっては、当該包装)の見やすい箇所に取扱いに注意を要する旨を表示しているか |
3.法第26条第1項に基づく遺伝子組換え生物等の譲渡の際の情報提供の確認 ①遺伝子組換え生物等の譲渡を行った実績はあるか ↓(実績がある場合) ②遺伝子組換え生物等の譲渡を行った際に情報提供を実施した実績はあるか ③遺伝子組換え生物等の譲渡に関わる内部規程(取り決め)はあるか ④譲渡の際に提供する情報に「第二種使用等している旨」があるか ⑤譲渡の際に提供する情報に「遺伝子組換え生物等の名称」はあるか ⑥譲渡の際に提供する情報に「宿主の名称」はあるか ⑦譲渡の際に提供する情報に「供与核酸の名称」はあるか ⑧譲渡の際に提供する情報に「譲渡者の氏名・住所」はあるか(法人の場合は、「譲渡者の名称」、「担当者の氏名・連絡先」) ⑨情報提供が遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律施行規則(以下、「施行規則」という。)第34条で定められているいずれかの方法で行われているか |
4.法第3章に基づく輸出の通告及び表示の確認 【法第27条に基づく輸出の通告】 ①遺伝子組換え生物等を輸出しているか ↓(輸出している場合) ②輸出が施行規則第35条に従い、様式第11により表示が行われているか 【法第28条に基づく輸出の際の表示】 ③輸入国において当該輸入国が定める基準に従い拡散防止措置を執って使用等が行われる遺伝子組換え生物等として輸出されるものの場合、施行規則第37条第1項に従い、様式第12により表示が行われているか ④輸入国において食用、飼料用又は加工用に供される遺伝子組換え生物等として輸出されるもの(③に掲げるものを除く。)の場合、施行規則第37条第2項に従い、様式第13により表示が行われているか ⑤③、④のいずれにも該当しない遺伝子組換え生物等として輸出されるものの場合、施行規則第37条第3項に従い、様式第14により表示が行われているか |
5.他法令の遵守に関する事項 【人の健康の保護を図ることを目的とした法令等】 ①労働安全に関する内部規程(取り決め)があるか ②廃棄物処理に関する内部規程(取り決め)があるか 【関連他法令】 ③施設・設備等の届出が適切に行われているか(例:消防法) ④施設・設備等の法定点検等が適切に行われているか(例:労働安全衛生法施行令に定める圧力容器) |
6.遺伝子組換え生物等の取扱いに係る体制の整備に関する事項 【安全委員会】 ①遺伝子組換え生物等の安全な取扱いを検討する委員会を設けているか ②遺伝子組換え生物等の取扱い経験者を当該業務または委員会に配置しているか、包括確認の場合には、遺伝子組換え微生物経験者が2名以上配置しているか ③遺伝子組換え生物等を取り扱うための内部規程(取り決め)があるか ④遺伝子組換え生物等の安全な取扱いについて検討しているか、包括確認の場合には、供与核酸及び遺伝子組換え微生物が包括確認を受けた対象に合致するかを確認し、使用の適否について審議しているか 【教育訓練】 ⑤遺伝子組換え生物等を取り扱う者について教育訓練を実施しているか ⑥⑤の教育訓練を実施するための内部規程(取り決め)があるか 【事故時等緊急時における対処方法】 ⑦事故時等緊急時の対処方法について内部規程(取り決め)があるか ⑧事故時等緊急時の連絡体制があるか |
7.情報の提供に関する事項 【法第26条第1項に基づく譲渡の際の情報提供をしている場合】 ①譲渡者等が遺伝子組換え生物等を適切に取り扱うための提供することが望ましいと判断される情報を有しているか ②譲受者にこれらの情報(マニュアル等)を提供しているか |
8.記録の保管に関する事項 ①使用等の記録を保管しているか ②安全委員会等で遺伝子組換え生物等の安全な取扱い等について検討した結果を保管しているか ③遺伝子組換え生物等の譲渡若しくは提供を受けた場合、その情報を記録し保管しているか ④包括確認の場合、供与核酸及び遺伝子組換え微生物に関する情報及び安全委員会での審議記録等を保管しているか |
9.使用実績等の報告に関する事項 包括確認の場合、毎年度終了後速やかに第二種使用等における使用実績等を経済産業省に対し報告しているか |
第5節 立入検査終了後の対応
(1)事実確認書立入検査終了後、主務検査担当員と立入検査対象事業者との間で、両者が確認・署名を行った「事実確認書」を作成します。事実確認書の写しは事業者に手交されます。
事実確認書には、申請書の内容と実際に執られている拡散防止措置等との間に相違があると判断される事項や、より安全な拡散防止措置等が執られることを確保する観点から運用等を改善した方が望ましいと判断される事項が発見された場合には、当該指摘事項を明記することになります。これらが無い場合には、その旨が事実確認書に記載されます。
(2)立入検査終了後の対応
立入検査の実施によって、申請書の内容と実際に執られている拡散防止措置等との間に相違があると判断される事項や、より安全な拡散防止措置等が執られることを確保する観点から運用等を改善した方が望ましいと判断される事項が発見された場合には、指摘事項への対応状況について必要に応じ後日確認・報告等を求める場合があります。
申請書の内容と第二種使用等の使用実態の間に齟齬が生じる場合には、改めて経済産業大臣の確認を事前に受ける必要があります。ただし、変更が軽微な場合には、変更届の提出で済む場合がありますので、NITE又は経済産業省生物化学産業課生物多様性・生物兵器対策室に事前にご相談ください。
また、立入検査時等に法違反が発覚し、法第十四条に基づく必要な措置が命令されたのち、必要な措置をとらずに命令に違反した場合は、法第三十八条に基づき罰則を科すこともあり得ますので、各事業者におかれては、日頃より、確認を受けた内容に留意しつつ、第二種使用等に係る適切な管理をお願いします。
最終更新日:2021年1月27日