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AIマネジメントシステムの国際規格が発行されました
安全・安心なAIシステムの開発と利活用を目指して(ISO/IEC 42001)
2024年1月15日
人工知能(AI)を利用した製品やサービス(AIシステム)の普及が急速に進む中、AIシステムを安全・安心に利活用するためには、リスクベースアプローチ等を通じて、AIシステムを適切に開発・提供・使用することが必要です。
今回発行されたAIマネジメントシステムの国際規格により、AIに関するリスクを回避するための要件やリスクが生じた場合の対応を含む信頼性の高いマネジメントシステムが構築可能となり、より安全・安心なAIシステムの普及拡大への貢献が期待されます。
1.背景
近年、AIの開発が活発化しており、一般にも、AIシステムとして日常生活の様々な場面で使用されるなど普及が急速に進みつつあります。その普及に当たっては、安全・安心なAIシステムとして適切に開発・提供・使用することが必要であることから、よりどころとなるマネジメントシステムのニーズが高まっていました。
そのため、国際標準化機構(ISO)及び国際電気標準会議(IEC)の合同専門委員会(JTC1)内のAIに関する分科委員会(SC42)において、AIマネジメントシステムの国際標準化の検討・開発が進められ、2023年12月18日に国際規格「AIマネジメントシステム(ISO/IEC 42001)」として発行されました。なお、本規格の開発には、日本から多くの専門家が参加し、重要な提案を行い積極的に議論するなど貢献をしました。
2.規格の概要
本規格は、AIシステムを開発、提供または使用する組織を対象とし、組織がAIシステムを適切に利活用(開発・提供・使用)するために必要なマネジメントシステムを構築する際に遵守すべき要求事項について、リスクベースアプローチによって規定したものです。信頼性や透明性、説明責任を備えたAIシステムの利活用ができるよう、そのリスクを特定し、軽減すると共に、AIの公平性や個人のプライバシーなどへの配慮についても要求しています。さらに、AIシステムに特有な学習データや機械学習について考慮するにあたっても、重要な規格になります。
マネジメントシステムの構築については、ISO9001品質マネジメントシステム(QMS)規格やISO/IEC27001情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)規格など既存のマネジメントシステム規格と同様のアプローチを採用し、同じ構成で要求事項を規定するなど、本規格の利用者を考慮した規格にもなっています。
3.期待される効果
本規格により、AIシステムの開発・提供・使用をする事業者が国際標準に基づいたAIマネジメントシステムを構築し、これまで以上に安全・安心なAIシステムの開発・提供・使用が行えるようになることが期待されます。また、AIシステム関係者相互の共通理解が図られるようになり、AIシステムの国際取引が促進されることも期待されます。
参考
ISOポータルの当該規格のウェブサイト
(ISO/IEC 42001 Information technology — Artificial intelligence — Management system)ISO/IEC JTC1/SC42 のウェブサイト(Artificial intelligence)
ISO/IEC JTC1/SC42は、2017年に設立され、本規格以外にも多くのAIに関する標準化を行っています。これまで発行された規格と開発中の規格の一覧は、本ウェブサイトに掲載されています。
※ AIマネジメントシステムの認証に向けて、ISO/IEC 42006 Information technology — Artificial intelligence — Requirements for bodies providing audit and certification of artificial intelligence management systemsも開発中です。
- 日本産業規格(JIS)を制定・改正しました(2023年8月分)内 JIS X22989
AIの概念及び用語については、ISO/IEC 22989を元にした日本産業標準JIS X22989も制定されています。
担当
産業技術環境局 国際電気標準課長 武重
担当者:前場、高橋(貴)、久保
電話:03-3501-1511(内線 3428)
メール:bzl-s-iec★meti.go.jp
※[★]を[@]に置き換えてください。