GGX Finance Summit 2024を開催しました

2024年10月23日

10月15日(火曜日)、経済産業省は、「東京GXウィーク」及び「Japan Weeks」の一環で「GGX Finance Summit 2024」を開催しました。世界のグリーン・トランスフォーメーション(GX)の実現、気候関連情報開示の在り方、トランジション・ファイナンスの推進について、産業界、金融界、政府、国際機関を交えて議論しました。

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1.開催概要

経済産業省は、10月6日(日曜日)から開催した「東京GXウィーク」及び「Japan Weeks」の一環として、10月15日(火曜日)、トランジション・ファイナンスや産業の脱炭素化等に関する更なる議論の発展に向け、官・民・金の相互連携を推進し、各枠組みで排出削減と経済成長を両立するための国際的なルールメイクをリードするため、「GGX(Global GX)Finance Summit」を開催しました。

本会合では、(1)GX市場の拡大に向けて、(2)GXスタートアップエコシステムの構築、(3)トランジション・ファイナンスの今後の展望、(4)移行計画の策定の4つのセッションが行われ、それぞれのテーマについて国内外の有識者から提言をいただいたほか、パネルディスカッションでGXの実現に向けて今後必要な取組について議論を行いました。

2. 議論の内容・成果

開会挨拶では、龍崎経済産業省GXグループ長より、GX2040の策定やトランジション・ファイナンス、アジア・ゼロエミッション共同体構想の推進など日本のGX政策について説明がありました。小堀日本経済団体連合会副会長からは、情報開示やトランジション・ファイナンスの必要性に加え、削減貢献量を含めバリューチェーン全体で評価されることが重要とのメッセージがありました。メアリー・シャピロGFANZ副議長からは、GFANZの活動内容の紹介とともに、情報開示や移行計画の策定の重要性についてコメントがありました。

セッション1「GX市場の拡大に向けて」

排出削減が困難なセクターにおける脱炭素投資の促進には、製造過程での排出削減の可視化と評価が重要であり、その共通ルールや算定方法の確立が求められていることが提起されたとともに、金融機関、供給側、需要側をつなぐ国際的なイニシアティブが果たす役割やインセンティブベースの評価手法の重要性が議論されました。

セッション2「GXスタートアップエコシステムの構築」

菊川経済産業省イノベーション・環境局長とモナハン在京米国大使館首席公使から挨拶があり、日本のGX政策と米国のインフレ削減法が果たしている役割やGX分野のスタートアップへの期待が述べられました。日米のスタートアップやベンチャーキャピタルを招いたパネルディスカッションでは、GX分野のスタートアップがグローバルな事業展開を視野に入れることや、政府として脱炭素技術の需要を喚起することの重要性等、持続可能なGXスタートアップエコシステムの構築に向けて必要な要素について議論されました。

セッション3「トランジション・ファイナンスの今後の展望」

宮園GPIF理事長及び福留全国銀行協会会長から挨拶があり、GX経済移行債の発行やGX推進機構の設立をはじめとした施策とステークホルダーの連携への期待が示されました。その後のパネルディスカッションでは、日本政府のクライメート・トランジション・ボンドを大きな契機として国際的な理解は以前よりも深まっていること、トランジション性の評価にあたっては投資家自身がしっかりと判断することが求められると同時に政府の支援やコミットメントも重要であること、新興国においては1.5℃目標とのパスウェイのギャップを信頼性のある形で埋める方策が重要であること、信頼性の向上に向けては開示とレポーティングが必要になることが確認されました。

セッション4「移行計画の策定」

伊藤一橋大学教授・TCFDコンソーシアム会長より挨拶があり、気候変動関連情報開示の重要性、及び官民連携への期待が語られました。パネルディスカッションでは、トランジション・ファイナンス調達の根幹となる企業の移行計画策定について、具体的な事例やTCFDコンソーシアムが策定した移行計画ガイダンスを取り上げつつ、移行計画策定には個社の取組だけではなく業界大の取組や国レベルの移行計画策定も重要であること、投資家等との対話を通じた改善のプロセスが有用であること、情報開示の枠組みの規則の整理・統一や相互運用性の確保が重要になる点などが確認されました。

最後に、重竹GX推進機構COOが閉会挨拶を行い、本会合が国際的なGXに貢献することへの期待が示されました。

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