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「投資事業有限責任組合契約書例及びその解説(令和7年版)」を策定しました
2025年6月23日
経済産業省は、平成22年に公表した「投資事業有限責任組合モデル契約」の後継となる新たなモデルLPAとして、「投資事業有限責任組合契約書例及びその解説(令和7年版)」を策定しました。
1.背景
経済産業省は、投資事業有限責任組合(LPS(Limited Partnership))制度の創設以来、その振興のための様々な取組を行ってきました。投資事業有限責任組合契約書(LPA(Limited Partnership Agreement))の雛形である投資事業有限責任組合契約書例(モデルLPA)の作成・公表も、そうした取組の一つです。
モデルLPAは、LPSを組成するための契約の締結に要するコストを削減するために、作成時点における実務の現状(as is)を踏まえ、使いやすく納得感のある「叩き台」を志向して作成・公表してきたものです。
経済産業省は、これまで平成22年版と平成30年版の2つのモデルLPAを公表していました。平成22年版は想定利用者たるファンドの類型を特定せずに作成されたものであり、平成30年版は専らベンチャー・キャピタル向けに作成されたものとなっています。平成22年版は、バイアウト・ファンドその他のプライベート・エクイティ・ファンドの組成にあたって多く活用されてきましたが、その作成から既に14年以上が経過し、国内外の実務との乖離が生じ始めていたため、モデルLPAとしての役割を果たせなくなりつつありました。
このことを踏まえ、経済産業省は、平成22年版の後継となる新たなモデルLPAを作成すべく、「新たなモデルLPAの作成等のための有識者検討会」(モデルLPA検討会)を立ち上げ、モデルLPA検討会の委員である弁護士・公認会計士のご協力を賜りながら、「投資事業有限責任組合契約書例及びその解説(令和7年版)」(令和7年版モデルLPA)を策定しました。
2.令和7年版モデルLPAの概要
令和7年版モデルLPAは、以下の5つの分冊から構成されます。第一分冊、第三分冊、第四分冊及び第五分冊添付資料は契約書例となっておりますが、これらはあくまで契約交渉のための叩き台であり、その活用にあたっては、ファンドの方針や属性を踏まえた改変が必須となります。実際の契約書の作成は、これらを雛形として使う場合であっても、必要に応じて、ファンド実務に知見を有する弁護士、公認会計士その他の専門家からの助言を踏まえて行ってください。
第一分冊 投資事業有限責任組合契約書例(和文版)
これから新たにLPSを利用してファンドを組成しようとしており、かつ、将来的に外国投資家からの出資の受入れも視野に入れている事業者を想定利用者とする和文のモデルLPAです。
第二分冊 逐条解説・投資事業有限責任組合契約書例(和文版)
第一分冊の逐条解説です。第一分冊の各条項について具体的な解説を加えています。
第三分冊 投資事業有限責任組合契約書例(和文簡易版)
これから新たにLPSを利用してファンドを組成しようとしており、かつ、外国投資家からの出資の受入れを当面考えていない事業者を想定利用者とする和文のモデルLPAです。第三分冊は、第一分冊をベースに、外国有限責任組合員に関する条項の削除等、外国投資家からの出資の受入れを行わない場合を前提とした条項の調整(主には削除)を行ったものとなります。
第四分冊 投資事業有限責任組合契約書例(英文契約書版)
ファンドサイズ等を考慮して、ケイマン法上のリミテッド・パートナーシップ等ではなくLPSにおいて外国投資家からの出資を受け入れてファンドレイズを行おうとしている事業者を想定利用者とする英文のモデルLPAです。第四分冊は、単なる第一分冊の英訳ではなく、第一分冊の内容をグローバルで使用されている一般的なリミテッド・パートナーシップ契約の方式に従って書き起こしたものとなります。
LPSに関しては、グローバルの実務に合致した英文の契約書の雛形がこれまで存在しておらず、外国投資家からの出資を受けにくいといった課題が存在していました。第四分冊は、こういった課題の解決に寄与するものとなることが期待されます。
なお、第四分冊は、LPSとケイマン法上のリミテッド・パートナーシップのような組合型のオフショアファンドとでパラレル・ファンドのストラクチャーを組む場合における両ファンドのLPAの雛形としても活用し得ると考えられます。このような用途で第四分冊を活用する際は、第五分冊及び参考として掲載している「ケイマン法上のリミテッド・パートナーシップに関する法規制等の概説」もご参照ください。
第五分冊 解説・投資事業有限責任組合契約書例(英文契約書版)
第四分冊の解説です。第四分冊の想定ストラクチャーその他重要なポイントについて解説を加えています。また、第五分冊末尾には、添付資料として、当初契約書例及びその和訳(イニシャルLPA)を添付しています。イニシャルLPAを活用することにより、事業者は、登記申請のために大部にわたる英文契約書の和訳を作成しなければならなくなる事態を回避でき、また、LPSの早期設立によるメリット(組合口座の開設や各種サービス・プロバイダーとの契約締結を早期に進めることにより組合財産の運用を円滑に開始できること)を享受することができると考えられます。関連資料
【第一分冊】投資事業有限責任組合契約書例(和文版)(PDF形式:757KB)
【第二分冊】逐条解説・投資事業有限責任組合契約書例(和文版)(PDF形式:1,274KB)
【第三分冊】投資事業有限責任組合契約書例(和文簡易版)(PDF形式:688KB)
【第四分冊】投資事業有限責任組合契約書例(英文契約書版)(PDF形式:1,936KB)
【第五分冊】解説・投資事業有限責任組合契約書例(英文契約書版)(PDF形式:723KB)
参考 ケイマン法上のリミテッド・パートナーシップに関する法規制等の概説(PDF形式:695KB)
なお、第一分冊、第三分冊、第四分冊及び第五分冊添付資料については、関連リンクとして掲載した「投資事業有限責任組合(LPS)制度について」に別途Word形式のファイルをアップロードしております。
関連リンク
担当
経済産業政策局 産業組織課長 中西
担当者:石川、浅見、上坪、川島
電話:03-3501-1511(内線 2621~4)
メール:bzl-s-sansei-sangyososhiki★meti.go.jp
※[★]を[@]に置き換えてください。