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ストックホルム条約残留性有機汚染物質検討委員会第21回会合(POPRC21)が開催されました
2025年10月10日
同時発表:環境省
2025年9月29日(月曜日)から10月3日(金曜日)にかけて、残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約における規制対象物質の取扱いについて検討を行う「残留性有機汚染物質検討委員会」(POPRC)の第21回会合がイタリア共和国のローマで開催されました。
本会合では、条約対象物質としての検討では、ポリ臭素化ジベンゾ-p-ジオキシン及びジベンゾフランについて、更なる情報収集を行い、引き続き検討することが決定されました。
また、個別の適用除外に関する検討では、(1)ペルフルオロオクタンスルホン酸とその塩及びペルフルオロオクタンスルホニルフルオリドの認めることのできる目的及び個別の適用除外、(2)医薬品製造を目的としたペルフルオロオクチル=ブロミドの製造のためのペルフルオロオクチル=ヨージドの使用の適用除外並びに(3)中鎖塩素化パラフィンの適用除外となる含有割合及び個別の適用除外について、会期間作業グループの設置と報告書の作成を進めることが決定されました。
1.背景
「残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約(以下「POPs条約」という。)」は、環境中での残留性、生物蓄積性、人や生物への毒性が高く、長距離移動性が懸念されるポリ塩化ビフェニル(PCB)、DDT等の残留性有機汚染物質(POPs:Persistent Organic Pollutants)の製造及び使用の廃絶や制限、その意図的でない生成による放出の削減等に関する条約です。
同条約による対象物質への追加について検討する検討委員会(POPRC、加盟国の31人の専門家から構成)においては、加盟国から提案された物質について、(1)スクリーニング、(2)危険性に関する詳細検討(リスクプロファイル)、(3)リスク管理に関する評価の検討の3段階のプロセスを経て、締約国会議(COP)に勧告します。
COPでの決定の後、各加盟国は、対象物質について製造、使用等を規制することになります。我が国では、「化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律(昭和48年法律第117号)」等によって規制します。
2.今回の会合での決定内容
POPRCの第21回会合(POPRC21)は、2025年9月29日(月曜日)から10月3日(金曜日)、イタリア共和国のローマで開催され、日本からは、専門家として金原和秀静岡大学理事/副学長が、また、オブザーバーとして経済産業省・環境省の担当官等が出席しました。POPRC21で決定した内容は、以下のとおりです。
(1) 条約対象物質としての検討
- ポリ臭素化ジベンゾ-p-ジオキシン及びジベンゾフラン(提案国:スイス連邦)
【主な用途】非意図的生成物
リスクプロファイル案を審議し、残留性、濃縮性、長距離移動性及び毒性等を検討した結果、ポリ臭素化ジベンゾ-p-ジオキシン及びジベンゾフランについて、現状の情報では重大な悪影響をもたらす恐れがあると結論づけることに合意が得られなかったため、今後更なる情報を収集し、次回会合(POPRC22、2026年10月5日(月曜日)から9日(金曜日)開催予定)において議論を継続することとなりました。
(2) その他の検討
ペルフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)とその塩及びペルフルオロオクタンスルホニルフルオリド(PFOSF)の認めることのできる目的及び個別の適用除外の継続的な必要性に関する検討
PFOSとその塩及びPFOSFの認めることのできる目的及び個別の適用除外の継続的な必要性に関する検討のための付託事項が同意され、COP13に向けて会期間作業グループの設置とPFOSとその塩及びPFOSFの代替に係る報告書の作成を進めることが決定されました。医薬品製造を目的としたペルフルオロオクチル=ブロミド(PFOB)の製造のためのペルフルオロオクチル=ヨージド(PFOI)の使用の適用除外の継続的な必要性に関する検討
医薬品製造を目的としたPFOBの製造のためのPFOIの使用の適用除外の継続的な必要性に関する検討のための付託事項が同意され、COP13に向けて会期間作業グループの設置と医薬品製造を目的としたPFOBの製造のためのPFOIの使用の適用除外に関して提言を含む報告書の作成を進めることが決定され、会期間作業グループの議長に金原和秀 静岡大学理事/副学長が選出されました。中鎖塩素化パラフィン(MCCP)の適用除外となる含有割合及び個別の適用除外の継続的な必要性に関する検討
MCCPの適用除外となる含有割合及び個別の適用除外の継続的な必要性に関する検討のための付託事項が同意され、COP14以降に向けて会期間作業グループの設置とMCCPの適用除外となる含有割合及び個別の適用除外に関して提言を含む報告書の作成を進めることが決定されました。長鎖ペルフルオロカルボン酸(LC-PFCA)とその塩及びLC-PFCA関連物質、ペルフルオロオクタン酸(PFOA)とその塩及びPFOA関連物質並びにペルフルオロヘキサンスルホン酸(PFHxS)とその塩及びPFHxS関連物質に該当する物質の例示リスト
例示リストの改定について、会期間作業グループの設置と引き続き情報収集を行うことが決定されました。その他の事項
在庫、使用中の製品及び成形品並びに廃棄物に含まれる残留性有機汚染物質の報告書に関するフォローアップ並びに附属書Fに基づく情報提出の促進に関連する情報の検討が行われ、会期間作業グループの設置と引き続き情報収集を行うことが決定されました。
また、グローバルモニタリング計画について、モニタリング戦略を強化するため、POPRCでの技術検討に係るPOPs関連情報の提供を行うことが決定されました。
3.今後の予定
次回会合(POPRC22)は2026年10月5日(月曜日)から9日(金曜日)にイタリア共和国のローマで開催される予定です。また、POPRC21及びPOPRC22の結果を踏まえた第13回締約国会議(COP13)は2027年4月から5月にパナマ共和国のパナマシティで開催される予定です。
関連リンク
担当
産業保安・安全グループ 化学物質管理課長 大本
担当者:行本、石田、入間川
電話:03-3501-1511(内線 3691~5)
メール:bzl-qqhbbf★meti.go.jp
※[★]を[@]に置き換えてください。