平成27年1月速報の鉱工業生産は前月比大きく上昇、とはいえ生産計画は先行きに一服感
2015.2.27
平成27年1月の鉱工業生産は,指数102.6,前月比4.0%上昇と2ヶ月連続、それもかなり高い上昇幅での前月比上昇となりました。この前月比上昇幅は、昨年1月の前月比3.9%上昇とほぼ同じとなっており、相当強い勢いです。ただし、前年同月比はマイナス2.6%となっていますので、水準としては昨年1月の水準に追いついてはいません。とはいえ、指数値102.6は、昨年1月の増税前駆け込み需要期のピークを除くと、東日本大震災直前の平成23年2月の102.7まで遡らなければ出てこない数値です。いわば、4年ぶりの高水準となっていることになりますので、勿論低いとは言えません。
なお、念のために申し添えますと、1月の鉱工業指数の値は、3月13日にご提供できるようになる1月分の確報において数値が下がる可能性があります。また、4月に昨年1年分と2月までの数値について、再度指数の計算をし直す改訂作業を行いますが、その際にもこの指数値が下がる可能性がありますので、その点ご留意いただければと存じます。
鉱工業生産の業種別動向では、全15業種のうち、13業種が前月比上昇となっています。生産全体を牽引しているのは、「はん用・生産用・業務用機械工業」「輸送機械工業」で、昨年12月から2ヶ月連続で、生産も出荷も前月比で上昇している業種が6業種もあります。
2月に実施した予測調査結果から分かる先行きについては、「輸送機械工業」は堅調ですが、ここ半年ほどの鉱工業生産を牽引してきた「はん用・生産用・業務用機械工業」や「電子部品・デバイス工業」に一服感が見られます。今回の予測調査からは、昨年の11月~今年の1月にかけての強気から少し「弱気」方向への転換を見て取ることもできます。
さらに、見込み値の傾向的な上方バイアスを補正すると、2月の実績は前月比マイナスになる可能性が高く、3月予測の通りであれば、2ヶ月連続で方向性としては低下する可能性も否定できません。
よって、1月速報の鉱工業生産の上昇幅は大きいのですが、1月生産の基調判断については据え置きとし、「緩やかな持ち直しの動き」のままとしたいと思います。
1月の鉱工業指数の結果については、下記のFacebookなどで、もっと詳しい説明をしていきますので、ご参照いただけると幸いです。
平成27年2月27日
経済産業省 経済解析室長 石塚
※結果概要
https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/iip/result/b2010_201501sj.html
データ冊子
https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/iip/result/pdf/press/b2010_201501sj.pdf
参考資料集
https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/iip/result/pdf/reference/b2010_201501refsj.pdf
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