経済産業省
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輸出向け出荷は過去最高の前月比伸び幅、資本財出荷は国内向けも輸出向けも好調の1月

2015.3.10


 経済解析室では、鉱工業出荷指数と貿易統計を再編集して、国内向け出荷と輸出向け出荷、国産品供給と輸入品供給を比較できるようにした「鉱工業出荷内訳表、鉱工業総供給表」を毎月作成公表しております。今回は、これらの経済指標の平成27年1月分について簡単に説明いたします。

 平成27年1月の鉱工業出荷は、指数値で103.9、前月比は5.8%上昇と2か月連続の上昇です。
 出荷全体のうち、輸出向け出荷の指数値は112.6、前月比9.3%上昇となりました。輸出向け出荷指数の指数値が110台となるのは、平成20年(2008年)7月の110.2以来で、6年6か月ぶり(78か月ぶり)です。
 1月の輸出向け出荷指数の前月比上昇幅の9.3%上昇も現行の2010年基準の対象となる2008年以降では、最も高い伸び率となりました。今年の1月の前月比幅に近いのは、2009年10月(8.7%)や2010年1月(8.6%)といった、いわゆるリーマンショックで世界的に貿易取引が激減した状態からの回復過程におけるものです。
 1月の輸出向け出荷指数は、現行基準の下で、前月比上昇幅も過去最高レベルで、指数値もいわゆるリーマンショック後の最高値ですので、方向感も水準も好調だったとういことになります。

 また、1月の国内向け出荷も、指数値で101.6、前月比は4.4%上昇と2か月連続の前月比上昇となっています。この国内向け出荷の牽引役は、「はん用・生産用・業務用機械工業」と「輸送機械工業」の2業種です。
 国内向け出荷指数は、昨年9月の急上昇の勢いが、10月、11月は維持できず、2か月連続低下で大部水準も下がってしまいました。しかし、12月には、前月比1.5%上昇に回復し、さらに本年1月も引き続いて大きく上昇ということになりました。

 特に、1月は資本財(輸送機械を除く)の出荷が輸出向け、国内向けともに好調で、ともにいわゆるリーマンショック前の水準に戻っていました。輸出向け出荷については、やはり為替低下の影響が出始めていますし、国内向け出荷については、設備投資の増加の兆しが出始めているのかもしれません。

 なお、1月の輸入品供給は、鉱業において「原油、石炭等」の輸入が増加したために、上昇しています。昨年の増税後は、「横ばい」あるいは「非常にゆっくりとした回復」といった動きでしたが、この1月には、生産財、特に鉱業関連品の輸入の増加によって、輸入品供給指数が急角度で上昇していたことも付け加えます。


                    平成27年3月10日     
                    経済産業省 経済解析室長 石塚
                                    

※結果概要(このリンク先は最新の公表データに更新されています)
 https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/utiwake/result-2/pdf/b2010_blnc_getsujigaiyo.pdf 

データ冊子(このリンク先は最新の公表データに更新されています)
 https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/utiwake/result-2/pdf/b2010_blnc.pdf


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