経済産業省
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増税前駆け込み期の昨年1~3月を除くと、リーマンショック後最高値となった平成27年1月の全産業活動指数

2015.3.19


 経済解析室では、鉱工業生産指数、第3次産業活動指数、そして建設業活動指数などを加重平均し、日本の産業活動全般の活況度合いを毎月推し量る指標として、「全産業活動指数」を作成公表しております。

 平成27年1月の全産業活動指数は、指数値98.5、前月比1.9%上昇と3か月ぶりの前月比上昇となりました。
 1月は、鉱工業生産指数、3次指数ともに前月比上昇、それも、それぞれかなり大きめの上昇幅となっていました。鉱工業の国内向け出荷も好調でしたが、輸出向け出荷がきわめて好調で大きく伸びた鉱工業生産と、それと連動する形で、対事業所サービスが伸びた第3次産業活動指数という構造かと思います。

 他方、1月の建設業活動指数は、指数値84.0、前月比▲0.8%低下と2か月ぶりの低下となりました。
 建設業活動指数は、一昨年、平成25年11月を一つの山として、昨年の消費増税時の4月まで比較的大きめの前月比低下幅で推移していました。その後、5から7月まで低迷し、8月以降は少し上昇して、指数値84~85前後で今年の1月に至るという状況です。
 ちなみに、平成25年10月から12月までの指数値が88を超えていましたが、建設業活動指数が88を超えるのは、2007年、平成19年11月以来のほぼ6年ぶりのことでした。しかし、昨年1月から年央まで指数は下がり続け、そこから少し戻している状況です。
 消費増税の経過措置によって住宅建築を中心に一昨年9月から建設業活動指数は高原状態となっており、今年1月の建設業活動指数の水準は、そのレベルからはまだ大部落ちますが、とはいえリーマンショック後の推移の中では、それほど低い水準に落ち込んでいる訳ではありません。

 話を全産業活動指数に戻しますと、今年1月の指数値98.5というのは、リーマンショックによって、この指数が最低値に落ち込んだ平成21年3月以降では、4番目に高い数値です。4番目とは言いましても、その上位3月分とは、昨年1~3月であり、消費増税前の駆け込み期という特殊事情の下での値です。リーマンショック後の「平時」の最高水準を、全産業活動指数は更新しつつあるという評価ができるかと思います。
 ちなみに、今年1月の指数水準が、過去のいつ頃のレベルに近いかと言いますと、2004年、平成16年の8月と9月の間のレベルです。この頃と今年1月の産業間のバランスを見てみると、当時の鉱工業生産指数(※)は99台ですが、1月の全産業活動指数における鉱工業生産指数は96.7、当時の建設業活動指数は99前後ですが、1月の建設業活動指数は84.0と、この両指数は当時と比べると低い数値となっています。ひるがえって、第3次産業活動指数では、当時の指数値が98前後であるのに対し、1月では100.4となっており、リーマンショック前で全産業活動指数が同レベルであった平成16年と比較すると、足下ではサービスビジネスの存在感が強まっているということになりますでしょうか。(※全産業活動指数では他の系列と同様に鉱工業生産指数も平成17年=100としています)

 いずれにせよ、今年1月の全産業活動指数は、リーマンショック後の「平時の」最高値を更新しつつある状況です。この数値は、昨年1~3月を除けば、リーマンショック発生直後の平成20年10月の100.2以来のレベルとなっています。
 全産業活動指数は、消費増税後の反動減を払拭しつつあり、今後、リーマンショック前の水準への継続的回復を期待したいところです。


                   平成27年3月19日     
                   経済産業省 経済解析室長 石塚


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