経済産業省
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第3次産業活動、鉱工業生産がそろって低下し全産業活動指数は2か月ぶりの低下

2015.7.23


 経済解析室では、鉱工業生産指数、第3次産業活動指数、そして建設業活動指数などを加重平均し、日本の産業活動全般の活況度合いを毎月推し量る指標として、「全産業活動指数」を作成公表しております。

 平成27年5月の全産業活動指数は、指数値96.2、前月比▲0.5%と2か月ぶりの低下となりました。5月は、第3次産業活動指数、鉱工業生産指数、建設業活動指数がそろって低下となりました。
 全産業活動指数は、昨年5月から今年2月まで前月比マイナスとなったのは昨年6月の一度だけと、消費増税後の大きな落ち込みから順調に持ち直してきましたが、足下で鉱工業生産指数が一進一退となる中、第3次産業活動指数も3か月連続して前月比マイナスとなり、3月、5月は第3次産業活動指数と鉱工業生産指数がそろって低下となりました。このため、全産業活動指数はここ3か月間で二度目の低下となっています。
 すでにメルマガでもお伝えしておりますが、5月の鉱工業生産指数は輸送機械工業などの低迷により低下しました。また、第3次産業活動指数も鉱工業の活動レベルの低下によりBtoBのサービスビジネスの勢いが弱まり低下となりましたが、他方で好天に恵まれたことなどもあり外食産業や娯楽関連を中心に個人向けサービスは上昇となっていました。6月の鉱工業生産の予測調査をみると前月比上昇が見込まれているものの、予測調査の最近の下方修正の傾向を考えると前月比上昇は確実とは言えません。このところ一進一退となっている鉱工業生産及びBtoBのサービスビジネス、5月に比較的堅調だった個人向けサービスが6月以降どの様に推移するか慎重にみていきたいと思います。

全産業活動指数を構成する内訳系列のひとつである建設業活動指数の動きにも触れたいと思います。平成27年5月の建設業活動指数は、指数値85.2、前月比▲0.4%と3か月ぶりの前月比低下となりました。建設業活動指数は、前月4月に公共部門、民間部門がそろって上昇し前月比2.8%と比較的大きな前月比上昇となりましたが、そこから小幅に低下した格好です。
今月は、公共部門が引き続き上昇しましたが、民間部門が5か月ぶりの低下となったことから、建設業活動全体では低下となっています。民間部門について詳しくみると、先月二桁の前月比上昇となった民間土木が低下したほか、このところ上昇が続いていた民間住宅が5か月ぶりの低下となっています。このうち、民間住宅は全体に占めるウェイトが大きく、低下幅もやや大きかったことから、建設業活動全体の低下への寄与が大きくなっています。
このところ上昇が続いていた民間住宅が前月比低下したことは気になる動きですが、先行性のある住宅着工統計をみると新設着工戸数は緩やかに持ち直している状況ですので、今後、民間住宅が急に悪化する可能性は低いと考えられます。民間住宅の落ち込みが一時的なものか今後の動きを注視して参りたいと思います。
また、製造業の設備投資や非製造業(商業施設やオフィスビル)の建設投資である民間非住宅の指数も5月は前月比プラスでした。これで、4か月連続前月比でマイナスがない(今年の3月は横ばい)ことになります。民間土木とともに、その指数値が84を超えており、過去の動きから見て比較的高いレベルになっています。この企業の建設投資意欲の持続性についても注視していくべきかと思います。

○データ公表冊子
 https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/zenkatu/html/b2005_201505j.html

                    平成27年7月23日          
                    経済産業省 経済解析室長 石塚

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