輸出向けの出荷を含む企業間取引の低迷と引き続く耐久消費財の低迷によって、力強さに欠けた平成27年4-6月期の産業活動
2015.9.4
平成27年4-6月期は4四半期ぶりの前期比低下となりました。
4-6月期の全産業活動の低下を招いたのは、輸出向けの活動(輸出向け製品の生産・出荷及び卸売業)を含む、B to Bの産業活動の活動レベルの一服感です。
第3次産業活動指数における「広義対事業所サービス」は、前期比▲0.9%低下と4四半期ぶりに前期比低下となりました。昨年後半の第3次産業活動指数の回復を先導したのは、この対事業所サービスで、対個人向けサービスの回復がもたつく分を補っていました。しかし、今年の3月に比較的大きな前月比低下幅(▲1.9%)を見せた後、5月に前月比低下となって、この4-6月期は低い水準での動きとなりました。
このような対事業所サービスの動きの背景には、鉱工業生産・出荷の動きがあります。
4-6月期の輸出向け出荷は、前期比▲3.6%低下と5四半期ぶりに前期比低下となりました。国内向け出荷も前期比▲2.4%低下となっています。輸出向け出荷と国内向け出荷の両方が揃って前期比で低下するのも久しぶりのこととなります。
鉱工業生産も前期比マイナスなのですが、出荷のマイナスが大きく、第2四半期末では、さらに在庫が積み上がってしまっていました。
個人消費について言えば、非耐久消費財の国内向け出荷は前期比2.2%上昇と4期連続の上昇で、その上昇幅も大きくなっています。駆け込み需要が顕著になる前の一昨年第4四半期の水準に回復しており、文字通りの「増税前の水準」ではありませんが、特需のない平常時の水準に戻っています。
水準が回復してこないのは、耐久消費財の国内出荷で、第2四半期の指数値は、増税直後である昨年の第2四半期の値88.1を大きく下回る77.9となっています。このため、機械器具小売業は前期比▲5.0%低下と悪い状態です(自動車小売業は、前期比4.1%上昇)。
「生活関連業,娯楽業」の前期比0.3%上昇や「宿泊業,飲食サービス業」の前期比1.2%上昇のように、個人のサービス消費自体は、この第2四半期不調であった訳ではありませんが、家電製品を中心とする耐久消費財の購買行動は抑制されていたようです。
こういった平成27年4-6月期の全産業活動指数、鉱工業指数、第3次産業活動指数、建設業活動指数の推移について、グラフ化して説明したスライド資料を「ミニ経済分析」としてアップしておりますので、是非ご活用ください。
https://www.meti.go.jp/statistics/toppage/report/minikeizai/pdf/h2amini029j.pdf
平成27年9月4日
経済産業省 経済解析室長 石塚
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