新基準に移行した第3次産業活動指数、リーマンショック後の落ち込みから回復していることが明瞭に
2015.9.14
今回の公表分より、第3次産業活動指数は、平成22年(2010年)平均を100として毎月の指数を計算する平成22年基準に移行しました。平成22年基準は、リーマンショックの発生した平成20年(2008年)を開始期間とするため、この基準改定によって、大きなショックにより変化した産業構造を反映した指数にすることができました。また、この基準の改定とあわせて、業種分類の見直しなども実施しています。
平成27年7月の第3次産業活動指数総合は、季節調整済指数103.3、前月比0.2%上昇と2か月連続の上昇となりました。前年同月比も、プラス1.9%上昇と、今年の4月から前年同月比上昇が続いています。
指数値103.3は今年に入ってからの指数値としては、突出して高いわけではありません。しかし、昨年以前で103.3を超えているのは、昨年第1四半期(増税前の駆け込み需要期)と、そこからに更にはるか遡った平成20年の7月になります。つまり、この指数値103前後というのが、リーマンショック後の「天井」だったということになります。
一昨年の景気拡大局面で一旦この天井に達した第3次産業活動指数は、増税によって再び天井の下に落ち込んでいましたが、今年に入ってからは、5月を除き指数値が103を超えており、増税前の水準やリーマンショック後の天井を乗り越えつつあるようです。
第3次産業活動指数の対事業所/対個人のサービスの別について見てみます。7月の「広義対個人サービス」指数は、指数値104.9、前月比0.1%上昇と3か月連続の上昇でした。同じく「広義対事業所サービス」指数は、指数値101.3、前月比0.2%上昇と2か月連続の上昇でした。いずれのサービスともに消費増税前の水準に復している状況です。
次に、業種別の動きについて見てみると、7月は、11大分類業種のうち、上昇業種が7業種、低下業種が4業種でした。上昇業種の中では、卸売業、小売業の上昇寄与が大きく、この2業種を除くと、第3次産業活動は全体的にはほぼ横ばいになりました。
第3次産業活動総合が前月比0.2%上昇と2か月連続の前月比上昇で、2か月連続で前月比上昇するのは、今年ではじめてです。対事業所サービスが全体を押し上げているほか、個人向けサービスもこの3か月堅調に推移しています。こういった状況を踏まえまして、基調的には第3次産業活動は、「横ばい傾向」で推移しているとして、基調判断を引き上げたいと思います。
平成27年9月14日
経済産業省 経済解析室長 石塚
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