経済産業省
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8月の全産業活動指数は、鉱工業生産と建設業活動の低下により2か月連続の低下

2015.10.22

 


 経済解析室では、鉱工業生産指数、第3次産業活動指数、そして建設業活動指数を加重平均し、日本の産業活動全般の活況度合いを毎月推し量る指標として、「全産業活動指数」を作成公表しております。

 平成27年8月の全産業活動指数は、指数値102.3、前月比▲0.2%と2か月連続の低下となりました。全産業活動指数の指数値は、今年の1月をピークに、102~103の間を上下しています。平成25年平均が101.9、平成26年平均が102.0ですから、8月の102.3は指数の水準としてはそれなりに高いところにありますが、変化の方向としては、7、8月と2か月連続で前月比低下となりましたので、足下はやや弱い動きかと思います。

 8月の全産業活動指数を産業別にみてみると、鉱工業生産、建設業活動が前月比低下、第3次産業活動が前月比上昇となりました。8月の鉱工業生産は前月比▲1.2%と少し大きめの低下となり、ウェイトで全体の7割を占める第3次産業活動が前月比0.1%と小幅な上昇にとどまったため、この低下を補いきれなかった形です。第3次産業活動は小幅上昇ではありますが、前月の横ばいをはさんで3か月連続マイナスがない状況です。 一方、鉱工業生産は2か月連続の低下ですので、相対的に鉱工業生産が弱含んでいる印象です。
 なお、8月の鉱工業生産は中国や北米向けの輸出減少の影響などにより前月比低下となりました。他方、第3次産業活動の上昇は、8月に株価が大きく変動したことにより株式売買が膨らんだことが一因です。

 建設業活動指数にも触れたいと思います。8月の建設業活動は3か月ぶりの前月比低下となりました。建設業活動は公共土木と民間住宅の二つが大きな割合を占めていますが、8月はこのうち公共土木が大きく低下し、建設業全体を押し下げました。もう一方の民間住宅は、3か月連続の上昇と、消費増税後の低迷から持ち直しの動きが続いていますが、今月は上昇幅が小幅だったことから、公共土木の落ち込みを補いきれませんでした。
 8月の公共土木は、2か月ぶりの前月比低下、前年同月比では5か月ぶりの低下です。公共土木の指数値は、公共事業の拡大により、25年後半以降、120前後の比較的高い水準で推移していますが、毎月の前月比をみると25、26年度とも、年度前半は上昇傾向、年度末が近づくと低下傾向が目立つというパターンを示しています。27年度も下期が近づいてきましたので、今後の動きを注視したいと思います。

                    平成27年10月22日          
                    経済産業省 経済解析室長 石塚

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