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9月の第3次産業活動指数は「金融業,保険業」の反動減により、前月比▲0.4%と4か月ぶりに低下

2015.11.13

 


 平成27年9月の第3次産業活動指数総合は、季節調整済指数103.0、前月比▲0.4%と4か月ぶりの低下となりました。指数値も、5月にひと月だけ102.8となったことを除けば、今年の1月以降103台で推移しているところです。現在の指数水準は、年初1、2月の値に比べるとほんの少し低い値ではありますが、第3次産業活動指数総合は、今年に入って安定的に推移していると言えるかと思います。基調的には「横ばい」ということになります。

 第3次産業全体を対個人向けサービスと対事業所向けサービスに分けてみると、9月は、対事業所向けサービスが前月比0.1%と2か月連続の上昇、対個人向けサービスが前月比▲0.1%と2か月ぶりの低下となり、9月の第3次産業のけん引役は、対事業所向けサービスでした。特に、卸売業が全般的に9月好調だったということの影響が、対事業所向けサービスの前月比上昇に表れています。

 9月の第3次産業活動指数を業種別にみると、11大分類業種のうち、5業種が低下、6業種が上昇でした。
 低下5業種の中では、「金融業,保険業」の低下寄与が他の低下4業種に比べて大きく、寄与2番目の不動産業のほぼ倍の寄与ということになります。寄与の大きさという意味では、株取引高が8月から低下している金融商品取引業を含む「金融業,保険業」とやはり8月に大きく伸び、9月に低下した土木・建築サービス業を含む「事業者向け関連サービス」の合計が過半を占めているので、9月の前月比低下については、業種的には8月に対する反動減の要素が大きいことにはなります。また、マンション価格の上昇で個人のマンション需要が落ち込んでいる不動産取引業、企業向けや官公庁向けの受注ソフトウェア開発案件が一巡しているソフトウェア業などの影響で、不動産業や情報通信業が3か月連続で前月比低下となっていることが気になるところです。
 一方、前月比上昇業種については、卸売業の上昇寄与が一頭地飛び抜けていました。卸売業については、8つの中分類がありますが、このうち6つの中分類で前月比上昇です。
 特に寄与が大きいのが「鉱物・金属材料卸売業」でした。出荷内訳表・総供給表を見ると、9月の日本市場への国内からの国内向け出荷と輸入を合計した総供給では、鉄鋼業(前月比3.7%)、非鉄金属工業(前月比7.3%)といった業種が伸びており、これらの業種の輸入が伸びています。また、石油・石炭製品工業では輸入が伸びているほか、灯油やナフサの国内向け出荷も伸びていました。
 これら業種の9月の国内生産は横ばい、もしくは低下しているのですが、輸入品を含めると流通量は多かったということになります。
 医薬品・化粧品等卸売業の上昇寄与も大きくなっています。化粧品の国内向け出荷が旺盛で、国内向け出荷全体のけん引役の一つでした。企業の材料需要や家計の非耐久消費財需要は良かったということになります。

                    平成27年11月13日          
                    経済産業省 経済解析室長 石塚

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