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2期連続で低下となった7-9月期の産業活動。鉱工業生産が引き続き悪い状況にあったが、9月には上昇を見せた

2015.12.3


 全産業活動指数の7-9月期が2期連続の前期比低下となったように、平成27年第2四半期の産業活動の勢いは弱いものでした。

 7-9月期の全産業活動の低下を招いたのは、鉱工業生産でした。第3次産業活動指数、建設業活動指数は前期比プラスでしたが、鉱工業生産指数が前期比マイナス1.2%低下と2期連続の低下となり、他の2業種のプラスでは補い切れませんでした。
 鉱工業生産の前期比2期連続低下の主因は、「はん用・生産用・業務用機械工業」で、この業種の生産は2期連続のマイナスとなっています。
 やはり2期連続の前期比低下となった出荷面でみると、輸出向け出荷は前期比微増でしたが、国内向け出荷の低下寄与が大きくなっています。国内向け出荷を押し下げていたのは、鉱工業生産が停滞したこともあり、生産財でした。業種的には、電子部品・デバイス工業の低下寄与が大きくなっており、「はん用・生産用・業務用機械工業」の低下寄与はほとんどありません。
 「はん用・生産用・業務用機械工業」の出荷が前期比低下したのは、輸出向け出荷が大きく低下したためです。

 第3次産業活動に目を転じると、前月比0.1%上昇と2期ぶりの上昇でした。とはいえ、第1四半期の指数値103.3、第2四半期103.1、第3四半期103.2ということで、ほぼ横ばいといった方が妥当かと思います。
 対事業所/対個人の分類でみると、第3四半期は共に微増なのですが、寄与としては対事業所サービスの上昇寄与が大きくなっています。
 業種面では、「金融業、保険業」の上昇寄与が大きく、卸売業なども上昇寄与を見せていました。他方、ソフトウェア業や土木・建築サービス業などが前期比低下しており、企業向けのサービス業では、好不調が並立する状態でした。金融商品取引やBtoBの財取引などフローの企業活動向けサービスは堅調でしたが、投資向けサービス指数は前期比マイナス2.8%低下と3期ぶりの低下となっており、対事業所サービスの前期比低下の要因となっていました。
 
 個人消費について言えば、前期に大きく上昇した非耐久消費財の国内向け出荷は第3四半期、微減となっていますが、耐久消費財の国内向け出荷は前期比2.3%上昇と、国内向け出荷を押し上げた唯一の財分類でした。
 対個人サービスでは、生活必需的性格の強い「非選択的サービス」が伸びて、所得環境や天候などの条件に左右される「し好的サービス」は前期比で低下していました。耐久消費財の国内向け出荷が伸びていた割には、自動車小売業や機械器具小売業の指数が伸びませんでした(ただし、10月速報の商業動態統計では、これらの小売業の販売額が伸びています)。他方、7-9月期では、個人サービスの中で上昇寄与となっていたマンショ分譲業は、9月に入って急ブレーキがかかっており、先行きが懸念される結果となっています。

 こういった平成27年7-9月期の全産業活動指数、鉱工業指数、第3次産業活動指数、建設業活動指数の推移について、グラフや表で説明したスライド資料を「ミニ経済分析」としてアップしておりますので、是非ご活用ください。

 https://www.meti.go.jp/statistics/toppage/report/minikeizai/pdf/h2amini036j.pdf


                    平成27年12月3日          
                    経済産業省 経済解析室長 石塚

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