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電動アシスト車が牽引、堅調な自転車産業

私たちの日々の生活における手軽な移動ツールとして親しまれている自転車ですが、これまでにもエコブームや原油価格高騰の影響、自転車レースを題材とした漫画のヒットなど、たびたび「ブーム」と言われた時期がありました。

新型コロナウイルス感染症拡大によって、「運動不足の解消」「手軽なレクリエーション」「密を避ける移動手段」として再び自転車が注目されたようです。今回はこの自転車の国内生産者による販売状況などをみていきたいと思います。

自転車の歩み、私たちの生活に欠かせない移動ツール

自転車は、1800年代ドイツでの発明が原点と言われていますが、日本に輸入され、国内生産が始まったのは明治以降と言われています。戦後、国内の自転車市場は拡大し、工業統計調査(経済産業省)の出荷額でみると、1992年に最盛期を迎えています。その後は減少傾向が続いていましたが、2007年より増加に転じ、以降緩やかな増加が続いています。現在の出荷額は最盛期の4割程度に留まっていますが、自転車の世帯普及率(消費動向調査 内閣府)では1980年代に8割に達しており、私たちの身近な移動ツールになっています。

市場を牽引する電動アシスト車

2007年以降の推移を品目別にみていくと、販売数量では、軽快車(いわゆる一般車)、その他自転車(マウンテンバイクやミニサイクル、子供車など)とも減少しており、販売金額では、軽快車は減少、その他自転車は横ばいで推移しつつも近年はやや減少しています。

他方で電動アシスト車は販売数量・金額ともに右肩上がりで推移しており、また販売単価も上昇していることがうかがえます(参考価格4.9万円/台;2007年、8.4万円/台;2020年)。これにより自転車全体としては販売数量が減少しているものの、販売金額は増加しており、電動アシスト車が活況であることがうかがえます。

2020年、コロナ禍での動き

感染症が拡大した2020年以降の月別販売数量の推移をみると、マウンテンバイクなどのスポーツ車を含むその他自転車は、2020年4月に落ち込んだ後大きく上昇し、2021年5月までの間、軽快車を上回る状態が続きました。近年、自転車をスポーツ・レジャーとしてライフスタイルに取り入れる人が増えつつある中、その流れがコロナ禍において加速、密を避けながら運動不足を解消し、手軽に楽しむことができるアイテムとして、また中長距離の移動手段として自転車を利用する人が増えたのかもしれません。

電動アシスト車をみてみると、2020年3月に大きく落ち込んだもののすぐに回復し、その後は堅調であることがうかがえます。

電動アシスト車は1993年に国内で販売されて以降、性能・デザインの進化、ルールの改定等により2009年には50cc原付バイクの販売台数を、2018年には軽快車の販売台数を上回るなど普及が進んできました。また、都市部では、子育て世代の利用だけでなく、シェアサイクル、宅配業務用など様々な電動アシスト車がみられるようになってきました。

自転車の利用シーンの多様化が進みながらも、誰でも乗ることができる身近なアイテムとして、今後も私たちの日常の中で親しまれていくのではないでしょうか。

問合せ先

経済産業省 大臣官房 調査統計グループ 経済解析室
電話: 03-3501-1511(代表)(内線2851)、03-3501-1644(直通)
FAX : 03-3501-7775
E-MAIL : bzl-qqcebc■meti.go.jp (■を@に置き換えてください)

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最終更新日:2021年7月28日
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