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コロナ禍で苦戦するフィットネスクラブ

近年の健康志向の高まりにより、ここ数年、フィットネスクラブが成長していましたが、新型コロナウイルス感染症拡大により屋内施設での運動が避けられる傾向にあります。今回は、コロナ禍におけるフィットネスクラブの動向をみていきたいと思います。

コロナ禍でも健闘している屋外スポーツクラブとは対照的なフィットネスクラブ

近年、健康志向の高まりや、小規模スポーツジムの進出などにより、成長してきたフィットネスクラブですが、2020年からのコロナ禍によりどのような影響を受けたでしょうか。

様々なサービス業の活況度を示す第3次産業活動指数でスポーツ施設提供業の内訳(利用者数の変動)を見てみると、フィットネスクラブは2014年以降、上昇傾向にありましたが、2020年は新型コロナウイルス感染症の影響により大きく低下しています。

これを2020年以降、月ごとに見てみると、1回目の緊急事態宣言のあった2020年5月に大きく減少したものの、夏にかけて急速に回復しましたが、コロナ禍前の1月に比べ8割弱、2021年5月には6割程度にとどまっています。

コロナ禍でより高まる健康志向

それでは人々の健康志向に陰りが見られているのでしょうか。スポーツ庁が毎年実施している「スポーツの実施状況等に関する世論調査」を見てみると、2020年のコロナ禍でもスポーツの実施状況は増加(運動・スポーツをしなかった人は減少)していることがわかります。また、2020年に運動・スポーツの実施が増えた理由に「コロナによる日常生活の変化」が上がっています。コロナ禍により、屋内施設での運動は控える一方、屋外で手軽に行えるウォーキングは年々増加しています。

リモートワークの増加や外出自粛などにより、思うように体を動かすことができないことから、これまでよりも意識して運動する人が増えているのでしょうか。

運動にかける金額に変化は?

次にフィットネスクラブなど、運動・スポーツへの家計支出の状況を見てみると、スポーツクラブ使用料は年々増加していたものの、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により2020年は減少となりました。

2020年、2021年の月別の動きを見ると、緊急事態宣言が発令されている時期は大きく減少するなど、コロナの影響は見られますが、2021年に入ってからは回復傾向にあることがわかります。

前項で、実施したスポーツの種目は、手軽に運動できる「ウォーキング」が伸びていましたが、「ウォーキング」の次に、「トレーニング」や「体操」といったフィットネスクラブの利用が想定される種目が上位にきていることや、スポーツ月謝が大きく減少していないことなどから、今後、コロナ禍からの回復によっては、フィットネスクラブを利用する人が増えることも考えられます。

フィットネスクラブは従来の大型施設だけでなく大型商業ビルのテナントの一部などを利用した小規模のものや、マンションの一部屋を利用したパーソナルトレーナーによる個別指導タイプのものなど様々なタイプものが増えてきています。

また、コロナ禍により対面指導を避けたい利用者のために、自宅にいながらリモートで指導するタイプのものなど、利用者が生活に合わせてサービスを選べるようになってきています。

今後も、利用者のニーズに合わせた新たなサービスが登場するのかもしれません。

問合せ先

経済産業省 大臣官房 調査統計グループ 経済解析室
電話: 03-3501-1511(代表)(内線2851)、03-3501-1644(直通)
FAX : 03-3501-7775
E-MAIL : bzl-qqcebc■meti.go.jp (■を@に置き換えてください)

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最終更新日:2021年8月13日
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