- 統計
- 外資系企業動向調査
- 結果の概要
- 第32回 調査結果(1997年度実績)-平成12年3月刊行-
- 対日直接投資促進のための施策の概要-平成11年7月6日公表-
外資系企業動向調査
対日直接投資促進のための施策の概要-平成11年7月6日公表-
対日直接投資促進のための施策の概要
外資系企業が我が国市場において事業活動を展開する際、特に、イニシャルコストの多大な負担、資金調達及び人材確保等の困難さに直面する立ち上がり期における事業活動を支援するため、税制、金融、情報提供及びアドバイス等の施策を実施している。
輸入の促進及び対内投資事業の円滑化に関する臨時措置法の施行(92年7月)
我が国において設立後8年以内の外資比率1/3超の外資系企業等のうち、一定のもの(法律で定める要件に合致することについて通産大臣等の認定を受けた企業;特定対内投資事業者)の立上がり期におけるイニシャルコストの多大な負担、資金調達及び人材確保等の困難な面を支援するため、税制上の特例、資金調達の円滑化及び各種情報提供等の支援会社の設立等を実施。
1.税制上の特例措置(欠損金の繰越期間の延長)
欠損金の繰越し期間については通常5年間のところ、事業開始後5年以内に発生したものについては10年間の繰越しを認める特例。
2.債務保証
事業開始後8年以内の活動に係る資金の借入れについて、産業基盤整備基金が借入額の95%を限度として債務保証を実施。
3.中小企業信用保険の特例措置
特定対内投資事業者と一定以上の取引等を行う中小企業者に対して、資金の借り入れに必要となる債務について信用保証協会が有利に保証(てん補率の引き上げ、保険料率の引き下げ)。
4.外資系企業事業支援会社((株)対日投資サポートサービス)による支援
政府及び民間企業からの出資を受けて、外資系企業事業支援会社として(株)対日投資サポート・サービスを設立(93年6月)し、外資系企業の事業活動の円滑化のため、各種の総合的なサービスを提供(one-stop-shop 機能)。
ア) マーケット・エントリー・サービス
イ) コンサルテーション・サービス
ウ) 雇用確保支援事業
エ) 研修・セミナー事業
オ) 各種代行サービス
カ) 事業提携、パートナーサーチ
キ) M&Aコンサルティング

低利融資制度
我が国における外資系企業の事業の円滑化により、対日投資促進を図るため、 以下の政 府系金融機関による低利融資制度を実施。
(1)日本開発銀行
- 1.対象事業:
- a. 外国企業及び外資比率3分の1超の企業並びに当該企業に対して施設・設備を賃貸する者による初の本格的投資については超低利を適用。また、2度目以降の投資のうち、対日投資に伴う技術・ノウハウ等の交流を通じて産業構造高度化、新規産業創出等に貢献する事業分野については、優遇金利(政策金利2)を適用(その他の事業分野については、政策金利1)。
- b. 外資系企業用共同事業場(主として外資系企業が入居する共用のオフィス)を整備する事業及び当該施設を賃貸する者の事業について、優遇金利(政策金利2)を適用。
- c. 対日投資促進基盤施設(主としてインターナショナルスクール)を整備する事業について、優遇金利(政策金利2)を適用。
- d. 外資系企業と本邦企業との合併、資本参加等により外資比率1/3超となる企業連携を通じ、当該本邦企業の経営資本を活用して行う事業について、優遇金利(政策金利2)を適用。
- e. 本邦企業の経営資源の活用を目的に外資系企業が本邦企業から事業の譲り受けを行う場合について、優遇金利(政策金利2)を適用。
- 2.融資比率:必要資金の50%(ただしロ)は40%)以内
(2)北海道東北開発公庫
- 1.対象事業:
- a. 外国企業及び外資比率3分の1超の企業並びに当該企業に対して施設・設備を賃貸する者による初の本格的投資については優遇金利(政策金利3)を適用。また、2度目以降の投資のうち、対日投資に伴う技術・ノウハウ等の交流を通じて産業構造高度化、新規産業創出等に貢献する事業分野については、優遇金利(政策金利2)を適用(その他の事業分野については、政策金利1)。
- b. 対日投資促進基盤施設(主としてインターナショナルスクール)を整備する事業について、優遇金利(政策金利2)を適用。
- 2.融資比率:必要資金の50%以内
(参考)日本政策投資銀行の設立
現在、日本開発銀行及び北海道東北開発公庫を統合し、99年10月を目途に新銀行(日本政策投資銀行)を設立する予定である。両行の外資系企業に対する対日投資促進のための低利融資制度については、新銀行においても継続されることとなっている。
JETROの対日投資関連情報提供事業
対日投資関連情報の提供、投資ミッションの派遣・招へい事業、対日投資促進セミナー・シンポジウム事業、対日投資アドバイザー事業、対日投資ネットワーク事業等を実施。
外国為替及び外国貿易管理法の改正
対日直接投資に関する手続きをより開放的かつ透明なものとするため、法律改正を実施。
1. 従来、全ての分野で事前届出となっていたものを、以下の、安全保障等に係る分野及び国際的に制限を認められている7分野に該当する恐れのないものについては、投資後、事後報告で足りることとした(92年1月施行)。
<安全保障等に係る分野>
航空機産業、武器産業、原子力産業、宇宙開発産業、火薬類製造業電気業、ガス業、熱供給業、上水道業、鉄道業、旅客運送業、水運業、航空運送業、通信業、放送業、生物学的製剤製造業、警備業等
<国際的に制限を認められている7分野>
(OECD資本移動自由化コード上で留保)
農林水産業、鉱業、石油業、皮革・皮革製品製造業、航空運送業、水運業、投資信託業(日本で法人化された株式会社を通じて行うもの以外)
2. 事前届出対象業種となっていた鉱業について、事後報告対象業種に変更(98年4月施行)。その際法律名を「外国為替及び外国貿易管理法」から「外国為替及び外国貿易法」に改正。
その他の関連施策
1.投資交流の促進に係る民活法特定施設の整備促進
民活法に基づき、以下の施設整備につき通産大臣の認定を受けることにより各種の助成措置(補助金、金融、税制)が適用可能。
(1)国際ビジネス交流基盤施設
外国企業の我が国市場への円滑な進出を図るため、我が国市場への進出に向けて準備活動を行う外国企業等に対し、本格的に事業を開始するまでの間、賃貸オフィス及び我が国の商慣行等の情報を提供するためのバックアップ機能等を有した施設。
(ア) ワールドビジネスガーデン・ジャパンビジネスセンター(千葉市) :91年開業。
(イ) りんくうゲートタワービル(大阪府):96年開業。
(2)国際交流研修施設
外国企業の従業員等に対する日本語、我が国経済社会事情、商慣行等の研修を実施するための施設。
(ア) 湘南国際村センター(神奈川県):94年開業
2.対日投資共同事業場の整備
外資系企業等のための共同事業場で、オフィス、研究・開発、検査・保管、加工・組立等の施設の整備・提供。
・ テクノロジー・ビレッジ・パートナーシップ(TVP)施設(横浜市):98年開業等